今週の言葉(31) 「人間」が見えない科学者 社会の想像力不足を 一極集中が加速する | 藤巻隆(ふじまき・たかし)オフィシャルブログ

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「人間」が見えない科学者
社会の想像力不足を
一極集中が加速する


中村 桂子(なかむら・けいこ)氏
[JT生命誌研究館館長]




 新しいことが発見されると皆が騒いでその方向に

 行くことが多く、科学者が一人の人間として、

 日々の生活の営みの中で科学を探究していくと

 いう姿勢が少なくなってきています。



 想像力がなければ創造性など生まれてくるわけが

 ありません。自然科学者は自然の一部を切り取って

 そこだけ見ており、自然そのものに向き合って

 いません。


 私は東京生まれの東京育ちですが、仕事で大阪と

 東京を行き来するようになって20年になります。

 全く違う文化がここにあるのです。


 大阪でも福岡でも札幌でも、東京の情報は知って
 
 います。大阪にいると、大阪の目と東京の目という
 
 「複眼」を持たざるを得ません。ところが東京の

 人は、大阪や福岡や札幌のことを知りません。

 全体を知らずに東京の目だけの「単眼」で発想して、

 何でも東京で決めるので、国全体が単眼思考に

 なってしまっています。


 生きものは本来、多様性あっての存在です。

 一極集中を止めれば価値観も社会も生きやすい

 方向へ変わっていくはずです。


                   (2014.03.10号から) 
 






中村さんは、東京の人と、大阪や福岡や札幌の人との
違いを語っています。


もう少し大きく見ると、日本人が海外に出ると日本の
良さや、悪いところに気づくということがよく言われます。


鳥の目(bird's eye view)と虫の目(worm's eye view)
という言葉がありますね。


上空から地上を見ると全体が見えるのが鳥の目です。
地上にいる虫は自分の周辺のことしかわかりません。


「木を見て森を見ず」と言っても良いかもしれません。


東京一極集中の問題は、もう何十年も前から指摘されて
いますが、いっこうに解決されません。


専門家たちが解決策を提案しても、真剣に議論される
ことはありません。


一極集中は権力の集中でもあり、外敵からすると致命的
な打撃を加えることができるのです。


日本の中枢が機能不全に陥る可能性があります。


企業の重要なデータは、クラウドコンピューティングに
よりバックアップしたり、あるいは、東京と大阪の2カ所
もしくは、それ以上にサーバーを分散し、バックアップ
することが一般的になっています。


「ビッグデータ」の解析が重要になってきています。


その大切なデータの保管場所であるサーバーに何らか
の障害(サイバーテロなどによる)が発生した場合、
1カ所だけでデータを保存していたらデータが破壊され
たり、消失してしまいかねません。悪用されることも
あります。


こうした一連の重要な課題を解決するには、東京一極
集中をやめるしかないのですが、実際には実現しそうに
ありません。


6年後の東京オリンピックは、まさに、東京一極集中
という状況下で、どのような解決策が提示されるのか、
競技を見ることとは別に、関心があります。





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