『ロウアーミドルの衝撃』(6) 新・大前研一名言集(88) | 藤巻隆(ふじまき・たかし)オフィシャルブログ

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『ロウアーミドルの衝撃』(06)





「自分のことを中流」と考える日本人が、
かつて多く存在しました。私自身もその一人でした。


しかし、いまや上流と下流だけといった二極分化の
様相を呈しています。


派遣社員の首切り、正社員の激減、給与、賞与の
大幅削減など従業員には逆風が吹き荒れています。


そうした現況を踏まえて、ロウアーミドル(中流以下)
という概念を示しつつ、生き抜く指針を提示している本が
『ロウアーミドルの衝撃』です。


現実から逃避せず、現実を直視し、少しでも明るい
未来像を描けるようになりたいものです。



総中流社会が崩壊し所得階層が二極化
したことは、日本のマーケットにも変動を
もたらしている。
中でも最多数を占める年収300万~600万円の
ロウアーミドルクラスが、今後さらに拡大して
マーケットの大きな核を形成していくことは
間違いなく、このことは日本企業の戦略にも
大きな影響を与えることになる。

              今日の名言 1 〈262〉




ファッションの分野においては、
「ZARA」(スペインINDITEX社のブランド)
がロウアーミドルの市場を獲得して一人勝ちしている。
六本木ヒルズの住人はアッパーエンドの人たちで、
ヒルズには世界の高級ブランド店が集まっているが、
押し寄せる若い女性客がどこで買い物をしているか
といえば、ZARAなのだ。
ZARAは今、買い物客から「六本木ヒルズで一番
魅力的な店」とまで評価されているのである。

              今日の名言 2 〈263〉




パラサイトは自分の収入だけでなく、
他からの収入を自分の支出に充てることの
できる人たちで、「未婚、職持ち、子供なし」で
親と同居しているのが典型的なタイプだ。
今、35歳の女性の35%が未婚で、
さらにそのうち35%が親と同居している。
アメリカでは20歳を過ぎて親と一緒に
住んでいるのは「気持ち悪い」と思われるが、
日本ではこのセグメントが増え続けているのである。
自分自身の収入はロウアーミドルから
ロウアークラスだが、家賃が必要なく、
食事も親に厄介になっているために
選択的消費・支出に使えるお金は相当ある。
彼らの人口は、推計で1200万人を超え、
しかも20代、30代の人口に占める割合は
今後増えていくものと予想される。

              今日の名言 3 〈264〉




35歳独身女子が親と同居していれば、
個人消費・支出に費やすことのできる割合が、
収入の大半を占めても困ることは、
ほとんどないでしょう。


そうした生活が当たり前になってしまうと、
結婚相手を見つけることは、かなり難しく
なってくるでしょう。


もちろん、「結婚だけが人生ではない」と、
言われればそれまでです。
個人消費だけを取り上げれば、GDP
(国内総生産)を維持できることになります
ので、望ましいことです。


ただ、少子化に歯止めがかからず、このまま
推移すれば、近い将来、人口が減少すること
が確実な状況です。


結婚したからといって、子供を産み育てるか
というと別の問題ですが、国にとってはかなり、
深刻な問題です。


国の活力が失われることが、憂慮されるからです。
そんなことは知ったことはない。「私には関係
ないわ」と言われたら、返す言葉はありません。


それは、個人に「産むか産まないかの選択の
自由」があるからです。


だれにも強制する権利はありません。


個人消費を増加させる方法を考えるか、将来を
考慮し少子化に歯止めをかける方法を模索する
のか。


どちらにせよ、国が解決案を策定したとしても、
国民に強制することはできず、選択権は国民に
あります。


ここは割りきりが必要で、人口が減っても国力
を維持できる方策を、考えたほうがいいかも
しれません。


日本よりも面積は広くても、人口が少ない国は
いくらでもあるからです。


税制やあらゆる法律、法令、システムを根本から
見直す良い機会になるかもしれません。




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