「思いやり」の心
日本人の特性を世界に
毛利 衛(もうり・まもる)氏
[日本科学未来館館長]
宇宙から初めて日本を眺めた時、日本が
中心にある見慣れた世界地図とは随分異なる
見え方がしました。
島国の日本は、海に張り出して大陸と一線を
画している。ああそうか、この海に守られて
安全で長く平和な時を持てたのだ。だから
固有の高度な文化を築けたし、それに伴う
科学技術の進歩もあったのだと気づいたのです。
日本人の特性の中で、私が一番アピールしたい
のは、相手の身になって考えることができる
「思いやり」の心です。東京五輪の招致では
「おもてなし」が話題になりましたが、私は
思いやりを挙げたい。
一人ひとりが成功の能力を発揮して初めて困難
に立ち向かえるという時、仲間が何を考えている
かを先んじて理解し、その人が能力を発揮し
やすいようにしてあげる。逆に自分が能力をする
ために相手がサポートしてくれる。
宇宙でミッションが成功するかどうかは、この
思いやりによる人と人のつながりにかかって
います。
地球全体の自然や資源、70億人もの人間やそれ
以外の生物が生きるために必要なものを見据えた、
お互いの思いやりと我慢。日本人が育んできた
思いやりの心を今、世界にメッセージとして
広げていく必要があります。
(2014.01.20号から)
「お・も・て・な・し」と「思いやり」の心は、
日本人が育んできた大切な気質です。
残念ながら、2013年暮れに起きた、食品偽装問題は
こうした日本人の特性を台無しにした出来事でした。
「問題」ではなく、「事件」です。
代替品を知っていて提供し、お客様を欺いたのですから。
驕りとエゴをむき出しにし、醜態を晒しました。
「食品誤表示」という言葉でごまかす姿勢は、
呆れるばかりでした。詭弁です。
英語に「思いやり」に相当するイディオムがあります。
take it into consideration
です。相手のことを考える、という意味です。
上記の「事件」は、相手(お客様)の気持ちを考慮する
ことを忘れた結果です。
つい最近のことですが、ファイスブックで22歳の女性から、
自分の目を疑うような、人を罵倒するメッセージが2回も
届きました。
私は、「友だち申請」を受諾していただいたことに対し、
お礼を書いたのですが、記入するスペースが間違っていた
らしく、それが気に入らなかったのです。
さすがに2回もひどい言葉を浴びせられたため、
経緯をフェイスブックで公開しました。
その後、3度目の誹謗中傷を受け、この懲りない女性を
叱りました。
フェイスブック上の一連の過程で、男性からのコメントが
掲載されました。
「勤務先では、時々下克上が起こることがあり、困った
状況になる」というような内容でした。
年齢が上だから、常に偉いわけでも、正しいわけでも
ありません。
しかし、他人に対し、敬意を払う気持ち(思いやりの心)が、
少しは欲しかったですね。
「ため口」どころではありませんでした。
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