日経ビジネスの特集記事(43)  中国汚染パニック 日本も傍観者ではいられない(2) | 藤巻隆(ふじまき・たかし)オフィシャルブログ

藤巻隆(ふじまき・たかし)オフィシャルブログ

私のテーマは6つあります。
(1)ビジネス書の紹介(2)医療問題 (3)自分ブランド力
(4)名言 (5)ランキング (6)ICT(情報通信技術)
このブログでは、主に(1)~(4)を扱っています。
(5)と(6)はそれぞれ別のタイトルで運営しています。

<このページでは、『日経ビジネス』の特集記事の
概要紹介と、管理人のコメントを掲載しています>



日経ビジネスの特集記事(42)

中国汚染パニック
日本も傍観者ではいられない

2014.02.03


藁にもすがる庶民

中国で最も大気汚染が深刻化している都市
があります。


河北省の省都、石家荘市だそうです。


ここにある小学校で奇妙な体操が行われている
というのです。


光明路小学校の先生が考案した「防霧武術体操」
です。


大気汚染への抵抗力を強めるためではなく、
少しでも体を動かす機会を与えたいという、
教師たちの願いが込められています。


ですから、実際に効果があるかどうかは、
科学的に証明されたわけではありません。


笑うに笑えない状況が、大気汚染の深刻化を
端的に示しています。

中国環境保護部(環境省に相当)は、
今後も大気汚染が改善されなければ
呼吸器疾患などで毎年35万~50万人が
死亡すると警告している。

少子化の影響で2020年代にも人口が
減少し始める中国だが、大気汚染が
人口減少を加速する要因になりかね
ないのだ。

  (P.038)


中国で今、人気商品は何だと思いますか?


iPhone や iPad と並んで人気商品となっているのは、
空気清浄機です。


空気清浄機の需要がたいへん多く、売り切れに
なっていることが多く、独フォルクスワーゲンの
「ポロ」を購入すると、空気清浄器がプレゼント
されるキャンペーンを実施しているそうです。


横浜中華街では、旧正月などの催しの際、
爆竹が使われます。


爆竹のけたたましい音を聞くと、在日中国人に
とって大切な行事なのだろう、と推測されます。


その爆竹は、中国本土の若者たちには「格好悪い」と、
見なされているそうです。


爆竹も大気汚染の原因とされ、代わりに「電子爆竹」
が販売されているということですが、本物の爆竹と
比べて迫力が乏しく、不人気だそうです。


技術だけでは負ける

1970年代の日本で深刻化した公害問題を、
約40年にわたって解決したノウハウは、
現代の中国に活用できないのだろうか、
と考えますよね。


そこに商機があるのでは?


SOx(硫黄酸化物)を除去する脱硫装置の、
中国市場における中国メーカーのシェアは
9割を占めているそうです。


日本メーカーが食い込む余地は残っていません。


そうした現状で、川崎重工(川重)は地元メーカーと
合弁会社を立ち上げました。


世界ナンバー2の国営セメント会社を傘下に持つ、
海螺創業(蕪湖市)です。


川重の省エネ技術が、中国企業に認められWin-Winの
関係を築くことができたのです。


その背景には、顧客企業と議論を重ね、地元の工場の
仕様に合わせるといった、顧客志向と根気があった
ことは想像に難くありません。


現在、日中関係はギクシャクしたままですが、
環境問題は「共通の敵」という認識で一致しています。


日産自動車が中国自動車メーカーと合弁の東風日産を
通じて、電気自動車(EV)の現地生産と引き換えに、
大連での新工場建設の認可を、中国政府から得た、
と言われています。

大気汚染対策などに苦慮する中国政府は、
EVやPHV(プラグインハイブリッド車)
といった電動車両の普及を猛烈にプッシュ
している。2015年までの累計販売台数を
50万台に引き上げる。

  (P.043)


外交には、こうした「したたかさ」も必要でしょう。

世界の企業が注目する中国の環境市場で
商機をものにするためには、
したたさと覚悟が必要だ。

  (P.043)


中国が進む道 日本が照らす道

公害において先輩の日本が、
後輩の中国に手本を示すことが出来る
余地はないのか、と考えますね。


「1つは環境行政にまつわるノウハウの提供だろう」(P.045)。


ところが、

「中国政府は日本の経験を学び尽くしている。
今求められているのは中国の国情に
合った具体的な方策」と、ある日本の
自治体幹部は明かす。

  (P.045)


SNS(交流サイト)の急速な普及により、
スマートフォンのアプリで大気汚染指数を
チェックできるようになっています。


有害物質を製造する企業を公開するサイトも
存在します。このデータを元に取引先を選定
するというルールも成立しています。


意外に思い、また大きく報道されたことのないことは、

日中首脳会議の実現は困難でも、
2013年春の日中韓環境大臣会合は
つつがなく開かれた

  (P.046)

ことです。


中国の環境問題の本質は、結局どこにあるのでしょうか?

中国の環境問題は対岸の火事ではない。
中国からの越境汚染を責めれば
いいという話でもない。

日本も責任の一端を負っている
という認識が必要だ。

  (P.046)


日経ビジネスの結論は、下記のとおりです。
国家の成長と環境問題は、トレードオフの関係(二律背反)に
あります。


この問題を解くカギは、意外なところにあるかもしれません。

今こそ日本も環境を軸に、日中関係
の立て直しを図るべきではないか。

人々の日常生活を混乱させ、
健康をも脅かす環境汚染は、
外交や経済をも超越する
人類共通の課題なのだから。

  (P.046)






記事が面白かったら
ポチッとして下さい。
藤巻隆(ふじまき・たかし)オフィシャルブログ-人気のブログランキング


こちらのブログもご覧ください!

こんなランキング知りたくないですか?

中高年のためのパソコン入門講座(1)

藤巻隆のアーカイブ


私の書棚(読み終わった本の一覧)