日経ビジネスの特集記事(42) イオン 飽くなき拡大欲の正体 (1) | 藤巻隆(ふじまき・たかし)オフィシャルブログ

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<このページでは、『日経ビジネス』の特集記事の
概要紹介と、管理人のコメントを掲載しています>



日経ビジネスの特集記事(42)

イオン 飽くなき拡大欲の正体
2014.01.27


増殖する“イオニスト”

イオンは昨年(2013年)8月に
ダイエーを完全子会社化しました。


自宅から徒歩15分ほどの場所にダイエーが
あります。


だだっ広い無料駐車場を持っていますが、
建物は老朽化しています。


1Fの入り口に近い専門店街とそれに連なる
生鮮食品や食料品、日用品コーナーには、
そこそこの顧客がいますが、
2Fの衣料品コーナーには顧客は、まばらです。


「閑古鳥が鳴いている」という表現が、
ピッタリです。


3Fはベビー用品や書店、ゲームコーナーが
ありますが、人が集まるのはゲームコーナー周辺
だけです。


イオンはダイエーを傘下に収めた結果、
スーパー業界で売上高ナンバーワンになりました。


しかし、ダイエーには相当テコ入れをしないと、
イオングループ全体の収益に貢献するどころか、
足を引っ張りかねない状況でしょう。


自宅近くにはイオンがないため、イオンの実態が
もう一つ把握できていませんでした。


今回の特集で、少しずつ理解できつつあります。


イオンの想定顧客は30代前半から40代後半ではないか、
と考えています。


私の予測が正しいか、間違っているかは、
まもなく分かることでしょう。


日経ビジネスが、イオンを総括して解説していますので、
それを見てみることにしましょう。

日本最大の流通企業として拡大を続けるイオン。

全国に築いたグループの店舗網、サービス網は、
人々の暮らしに着実に浸透している。地域社会
に提供するものは、もはや食品や衣料品などの
実物商品にとどまらない。成人式はその一例だ。

クレジットカードや銀行から、結婚紹介、葬儀
まで提供する

  (P.026)

一言で言えば、生まれてから亡くなるまでの生涯にわたり、
サービスを提供していく戦略と考えられます。


およそ80年間に関わることで、一人ひとりから
利益を得ようとしている、と考えてよいでしょう。


ライバルのイトーヨーカ堂(ヨーカドー)は、
自前の銀行を持ち、親孝行のセブン-イレブンとの
連携を強化しています。


例えば、プライベートブランド(PB)を立ち上げ、
ヨーカドーとセブン-イレブンとで、
PBを販売するなど強みをさらに強化する戦略を
とっています。


さらにネットスーパーをもう一つの柱にするべく、
宅配に注力しています。


イオンもイオン銀行を持っていますが、今ひとつ
印象に残りません。


イオンの顧客はどのような人たちなのでしょう?


イオニストとは。

イオニスト――。
イオングループの店舗やサービスで多くの便益を
受ける人を、ネット上の住人らは時にこう呼ぶ。

「イオニスト」の中には、自らファンを公言する
人だけでなく、無意識に生活の多くをイオンに
頼っている人も含まれる。

  (P.027)

イオンモールという言葉を聞いたことがあります。


しかし、実際に出かけたことがないため、
そのスケールの大きさを想像することは難しいですが、
日経ビジネスに掲載されている写真を見ますと、
間口も奥行きも他のスーパーより巨大な建物という
印象を受けました。




空白地を埋め尽くせ

イオンには、実際の本店以外に「本店」
と呼ばれる店舗があるそうです。

「本店」。イオンの関係者は、そのモールのことを
社内でそう呼び合っている。2013年末に開業した
ばかりの、「イオンモール幕張新都心」のことだ。

  (P.028)

このモールはグループの中で最大の総賃貸面積を
誇っているわけではありません。


イオンレイクタウン(埼玉県越谷市)の約18万㎡に比べ、
約12万8000㎡です。


そうした状況であるにもかかわらず、幕張新都心店を
「本店」と呼ぶ理由は何なのでしょうか?


どう思いますか?

実は、幕張新都心の売り場面積のうち約45%は、
イオングループ会社の店舗が占める。

「イオン」の名を冠した店に限らない。靴専門店の
「ASBee」、婦人衣料の「ローラアシュレイ」など、
多くの消費者がイオングループと知らずにブランド
を認知している店も少なくない。

  (P.028)

イオンには強烈な危機意識がある、と言います。

イオンには、もはや単純な物販だけでは消費者に
足を運んでもらいにくいという強烈な危機意識が
ある。幕張新都心は、何をおいても、物販以外の
魅力を兼ね備えた全く新しいモールにする必要が
あった。

  (P.029)

イオンモールは、イオングループのショピングセンター(SC)
を手がける会社です。さらにイオンモールに物件を貸す
イオンリート投資法人が存在します(P.30)。


グループの強化を図る戦略ですね。


ただ、モールの大型店はまとまった敷地が必要になるため、
都心に確保することは容易なことではありません。


そこがイオンの弱点でした。


そこで、「小型で日々の生活に密着した店舗の出店を急」
いでいます。それが「まいばすけっと」です。


まいばすけっとの強みとは――

まいばすけっとの強みは価格と品揃え。

ペットボトル飲料は通常コンビニでは125~147円
で販売されているが、まいばすけっとでは88円と
食品スーパー並み。肉や魚、野菜など生鮮品を」
コンビニと比べて豊富に揃え、調理を前提とする
食材の需要に応える。

  (P.033)

似たような形態の店として、ローソンは「ローソン100」
という生鮮食品を扱うコンビニを展開しています。


「まいばすけっと」は「ローソン100」や、セブン-イレブン、
ファミリーマート、ローソンなどとの競合他社と激戦に
なっています。


勝ち残るのは、「変化対応」と「顧客にきちんと向き合える」
という原理原則を徹底して行えるところだけです。



次回は、「変革のDNA埋め込む」他についてお伝えします。



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