『伊藤雅俊の商いのこころ』(4) 言葉の迷宮(71) | 藤巻隆(ふじまき・たかし)オフィシャルブログ

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『伊藤雅俊の商いのこころ』(4)





私が約20年間勤務した、洋書輸入卸(取次)
会社が私の在職中に、当社(Y社)より
規模の小さな同業他社(T社)と、合併
しました。


当社経営陣は口を揃えて、「対等合併」と、
言っていました。


しかし、私は経理担当者として「真実」を
知っていました。それが「対等合併」
でないことを。


アマゾンという黒船が日本に襲来してから、
同社の洋書・洋雑誌の価格破壊によって、
当社は大きな打撃を受けました。


卸価格だけではありませんでした。
洋書の新刊が日本入ってくるスピードが
桁違いに早く、勝負になりませんでした。


当社は業績が急激に悪化し、合併することに
なったのです。


「対等合併」ではありませんでした。
主導権は、T社に完全に握られていました。


合併後も、社名だけは当社(Y社)のまま
営業を続けました。当社は業界で名が通って
いたからです。


しかし、合併しても業績は一向に好転しません
でした。


私がリストラされてから数年後に、経営破綻
しました。経営能力のない人たちが経営者と
なっていたからです。


私の親しかった友人の死と、多くのリストラの
犠牲者を出した末に……




 歴史も社風も違う企業と企業が一緒になるのは、

 男女が結婚するようなもので、よほど相性が

 合わない限り、うまくいうわけがありません。

 会社と会社の合併は、口で言うほど簡単なこと

 ではないのです。

 
                     (P.81)

         (010-1-0-000-211)



 


 合併して効果を上げるには、どちらが主導権を

 握るのかをはっきりさせる必要があり、一方が

 他方を抑え込むことになります。「対等合併」

 は精神論としてはあり得ても、実際の経営で

 は中途半端な妥協は許されません。私は人を

 支配するのも、人に支配されるのも嫌いな

 人間です。自分が望まないことを他人に押し

 付けるのは、人の道に反する行為と思うので、

 私は合併や買収といった覇道を選びません

 でした。

                   (PP.81-2)

         (011-1-0-000-212)





 私は1968年に作ったヨーカ堂の組織図に、

 自分の考えを集約しました。それは一番上が

 お客様と接する営業の第一線の店舗で、社長が

 一番下にくる、普通の会社の組織図とは天地を

 逆さまにした格好の逆三角形の組織図です。


                     (P.88)

         (012-1-0-000-213)





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