今週の言葉(13) “ロードスター”が挑んだ コストと感性の二律背反 | 藤巻隆(ふじまき・たかし)オフィシャルブログ

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“ロードスター”が挑んだ
コストと感性の二律背反


貴島 孝雄(きじま・たかお)氏
[山口東京理科大学工学部教授]



1989年発売の初代から3代目までの

主査を担当した経験から、経営者の方に

お伝えしたいことがあります。「技術者

に二律背反の解決を要求することを、

ためらってはいけません」と。


ロードスターの開発は、常にコストとの

戦いでした。このクルマの価値は、「人

馬一体」をキーワードとする運転の楽しさ

を、手頃の価格で提供することにあります。

運転を楽しくするには、まず軽さが大事で

す。


「軽く、面白く、しかも安く」作るしかな

いんです。


「感性」と「コスト」の二律背反を乗り越え

られない商品は短期間しか売れないし、儲か

らなければ続けられない。つまり、経営者が

お金に対してシビアでなければ、世の中に

長く愛されるモノにはなりません。


もちろん、お金にシビアなだけでいいなら、

経営者なんて要りません。


経営者自ら、時代や人間への「感性」を

磨き、そのうえで「利益」に悩む。そんな

姿が見えてこそ、二律背反を突破せよと

いう指示に説得力が生まれて、世の中に

長く愛される商品が出てくるのではない

でしょうか。

         (2013.11.4号から)



「二律背反」(英語でtrade-off)とは、こちらが立てば、
あちらが立たず、という通常は両立しないことです。


しかし、貴島さんはマツダで「ロードスター」の開発に
携わっていた際、「コスト」と「感性」という二律背反
に挑んだということです。


そして、両立させたのです。その貴島さんが、経営者に
向けて発している言葉は、日本が現状を打破するための
警鐘だ、と思いました。


「技術者に二律背反の解決を要求することを、ためらっ

てはいけません」


あなたは、この言葉をどう思いましたか?





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