【報告】自閉症スペクトラム(ASD)視覚体験シミュレータ講演会&体験デモ | 宝塚発達心理ラボ <臨床心理士たちの研究会> 情報提供・発達支援・アセスメント・教材研究・不登校・ひきこもり支援

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今日は大阪大学で

「ASD視覚体験シミュレータ」

でASDの非定型な視覚世界を

再現してきました。

「まず理解。それが一番の支援」

宝石ブルー宝石ブルー宝石ブルー宝石ブルー宝石ブルー宝石ブルー宝石ブルー宝石ブルー宝石ブルー宝石ブルー宝石ブルー宝石ブルー宝石ブルー宝石ブルー宝石ブルー宝石ブルー宝石ブルー宝石ブルー宝石ブルー宝石ブルー

ASDには

コミュニケーション以前に
知覚の問題があるというのは
頭ではわかっていましたが、
 
実際にそれを体験できました。
それが今日の収穫ですラブラブ
 
120名の定員に
倍の240名以上の申し込みがあったそうです。
今回は先着順だったのでセーフチョキ
会場は満席でした。
 
ASD児は
常にずっと視覚過敏があるわけではなくて
見えている環境によることもよくわかりました。
 
会場をシミュレータで眺めてみると
キラキラしたものがたくさん出没しキラキラ
 
手のひらを目の前でひらひらさせると
さらにそのきらきらが増えましたキラキラキラキラキラキラ
 
ASD児が常同行動ですることの多い
手のひらのひらひらは
 
もしかすると
今日体験したようなキラキラキラキラ
ASD児には実は見えているのかもしれないなサーチ
と思いました。
 
成人で、
知的に問題のない
22名のASDの方のデータから作っているので
全てのASD児にあてはまる見え方ではありませんが
 
でも支援には有益な情報だと思いますクローバー
 
 
<解説>HPより

大阪大学大学院工学研究科の長井志江特任准教授と東京大学先端科学技術研究センターの熊谷晋一郎准教授の研究グループは,2015年3月に自閉スペクトラム症(ASD: autism spectrum disorder)視覚体験シミュレータを発表しました.本シミュレータはASD者の非定型な視覚世界を体験することのできるヘッドマウントディスプレイ型装置で,視覚過敏や視覚鈍麻として知られるコントラスト強調や不鮮明化,無彩色化,砂嵐状のノイズといった症状が,環境からのどのような視聴覚刺激によって引き起こされているのか,その発生過程を計算論的に解析し,それをモデル化することで実現しました.本シミュレータを利用することで定型発達者がASD者の視覚世界を体験することができ,非定型な視覚が社会性の問題にどのような影響を与えているのかを内部観測者視点から理解し,ASD者にとって真に有益な支援法を提案することが期待できます.

 

ASD視覚体験シミュレータ.カメラとマイクロフォンから入力された視聴覚信号を実時間で処理し,ヘッドマウントディスプレイ上にASDの視覚世界を再現します.

 

実験で得られた結果を計算論的にモデル化し,それをもとにASDの視覚症状を再現しました.左が入力動画,右がASDの視覚症状を表しています.

研究の背景と成果

ASDは従来,社会的能力の問題と考えられてきましたが,近年の認知心理学研究や当事者研究によりその原因が社会性以前の感覚・運動レベルにあることが指摘されています.一般に,人間の脳では感覚器から入力された信号を時空間的に統合することで環境認識や行動決定を行いますが,その統合能力が定型発達者と異なることで高次の認知機能である社会的能力に問題が生じたり,知覚過敏や知覚鈍麻などの非定型な知覚症状が現れるというものです.
長井特任准教授と熊谷准教授の研究グループでは,ASD者の非定型な知覚と社会性の問題にどのような関係があるのかを探るため,まず,非定型な視覚が環境からのどのような視聴覚刺激によって生み出されるのかを解明しました.視覚という主観的な経験を客観的かつ定量的に評価するため,画像・音声処理技術を用いてさまざまな視覚過敏・視覚鈍麻のパターンを画像フィルタとして用意し,ASD者が日常生活の経験に基づいて自己の視覚世界を構成的に評価・報告できるシステムを開発しました.これは,自己の経験を内省することが苦手なASD者にとって,彼らの経験を具現化し,客観的に評価することを可能にする画期的なシステムとなります.当研究グループは,成人のASD者を対象に本システムを用いて実験を行い,コントラスト強調や不鮮明化,無彩色化、砂嵐状のノイズといった視覚症状が,視覚刺激の輝度やエッジ量(複雑さを表す量),動き,聴覚刺激の音強度とこれらの時間変化という,環境からの低次の視聴覚信号と相関を持つことを明らかにしました.これは,社会性の問題と考えられているASDの症状が,社会性以前の低次の感覚・運動レベルに起因しているという仮説を支持する一つの可能性を示しています.
さらに当研究グループでは,上記の実験結果をもとにASD者の視覚世界をリアルタイムで再現することのできる,ヘッドマウントディスプレイ型視覚体験シミュレータを開発しました.環境からの視聴覚信号をもとにそれと相関をもつことが明らかとなった視覚過敏・視覚鈍麻の症状をヘッドマウントディスプレイ上に再現することで,ASD者が自己の症状を客観的に認識できるだけではなく,定型発達者がその視覚世界を体験し,ASD者の非定型な知覚が引き起こす社会性の困難さを主観的に評価することのできるシステムを実現しました.これにより,ASDに対するさらなる理解が可能となります.

本研究成果が社会に与える影響

ASDと診断される幼児の数は2009年には110人に1人の割合にものぼり,その急激な増加が問題視されています.さらに,ASDの遺伝的・環境的要因や脳機能不全には未知の部分や多様性があり,個人の症状に合った適切な治療法や支援法が確立されていないのが現状です.これに対してASD視覚体験シミュレータは,感覚・運動情報の統合能力の非定型性が社会性の問題にどのような影響を与えるのか,また,それらがどのような神経学的メカニズムによって引き起こされているのかという課題の解明に役立つことが期待できます.さらに,視覚体験シミュレータを通して定型発達者がASD者の抱える困難さを共有することで,ASD者の視点に立った真に有益な支援技術とその設計原理を提案し,彼らを取り巻く社会構造の設計の見直しにも貢献することが期待されます.


参考文献

  • 長井志江, “自閉スペクトラム症の特異な視覚世界を再現する知覚体験シミュレータ,” 精神看護, vol. 19, no. 1, pp. 59-63, 2016年1月. [HP]
  • 長井志江, 秦世博, 熊谷晋一郎, 綾屋紗月, 浅田稔, “自閉スペクトラム症の特異な視覚とその発生過程の計算論的解明:知覚体験シミュレータへの応用,” 日本認知科学会第32回大会発表論文集, pp. 32-40, 2015年9月18日-20日. [PDF]
  • Shibo Qin, Yukie Nagai, Shinichiro Kumagaya, Satsuki Ayaya, and Minoru Asada, “Autism Simulator Employing Augmented Reality: A Prototype,” in Proceedings of the 4th IEEE International Conference on Development and Learning and on Epigenetic Robotics, pp. 123-124, October 2014. [PDF]

テレビ

  • NEW NHKスペシャル, “発達障害~解明される未知の世界~,” 2017年5月21日. [HP]
  • NHK関西, “「自閉スペクトラム症」を体験,” 2015年4月29日.
  • 読売テレビ, “かんさい情報ネット ten.【Go!Go!若一調査隊】阪大が開発!自閉症の理解に効果が期待!?世界初の装置とは,” 2015年4月15日.
  • NHK関西, “自閉症特有の見え方疑似体験,” 2015年3月17日.

新聞

  • 読売新聞, “サイエンスBOX「自閉スペクトラム症(ASD)/特異な見え方疑似体験」,” 2017年4月14日.
  • 信濃毎日新聞, “自閉症者 見える世界は 諏訪 23日に体験会,” 2017年4月13日.
  • 毎日新聞, “阪大ロボット学/2 知覚体験し障害を理解 工学研究科・長井志江特任准教授,” 2015年9月12日.
  • 読売新聞, “自閉スペクトラム症 視覚体験装置を開発,” 2015年3月30日.
  • 朝日新聞, “自閉症の人の目線,感じて知って仮想体験機器,阪大・東大グループ開発,” 2015年3月19日.
  • 日刊工業新聞, “阪大,自閉症患者が見ている世界を体験できる装置を開発,” 2015年3月18日.
  • 財経新聞, “阪大など,自閉スペクトラム症者の知覚を体験できるシミュレータを開発,” 2015年3月17日.
  • 日経BP, “HMDで自閉スペクトラム症の知覚世界を体験,東大と阪大が開発,” 2015年3月17日.
  • 毎日新聞, “発達障害:「自閉症スペクトラム障害」見え方再現装置,” 2015年3月16日.
  • 日本経済新聞, “自閉症の視界を疑似体験 阪大が装置開発,” 2015年3月16日.
  • 日経デジタルヘルス, “HMDで自閉スペクトラム症の知覚世界を体験,東大と阪大が開発,” 2015年3月16日.
  • 西日本新聞, “発達障害の人の視覚世界を体験 大阪大など装置開発,” 2015年3月16日.
  • 北海道新聞, “発達障害の人の視覚世界を体験 大阪大など装置開発,” 2015年3月16日.
  • 京都新聞, “発達障害の人の視覚世界を体験 大阪大など装置開発,” 2015年3月16日.

雑誌

  • YNODOS, “自閉スペクトラム症の視覚世界を探る–ヘッドマウントディスプレイ型知覚体験シミュレータ,” 2016年6月14日.

 

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