当初予算案に反対!市政史上初の否決!! | 西宮市議会議員・たかのしん公式ブログ

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兵庫県西宮市の若手市議、鷹野伸(たかのしん)の公式ブログ。1990年(平成2年)生まれ・35才、政党無所属、現在2期目。日々、地元・西宮を奔走しています!

本日は3月定例会の最終日。
以下の重要議案について、私の賛否と、採決結果をご報告します。

写真は激動の一日を終えて、しぶや幹事長と!
関わられた皆様、本当にお疲れ様でした。



◇令和7年度一般会計予算⇒反対(賛成17、反対23で否決)

現在の市政運営に対して厳しい立場を取り、今回の当初予算案に反対していることは、以前の投稿でお伝えした通りです。
全体では、私たち会派・ぜんしんだけでなく、日本維新の会西宮市議団、啓誠会、日本共産党西宮市議団、無所属議員1名の反対により、否決されました。
100周年を迎える市政史上、初めての出来事です。
本会議場で私が述べた意見表明原稿を以下に転載しますので、詳細はそちらをご覧いただければと思います。

予算が否決されると、4月から行政サービスがストップしてしまうのでは?という懸念も耳にしていますが、当局からは3/26(水)に臨時会を招集し、修正した当初予算を上程する考えが正式に示されました。
修正案への賛否を、内容が示されていない現段階で表明することはできませんが、何らかの予算を年度内に成立させることの重要性は認識しております。
万一の場合でも、骨格予算・暫定予算など、「市役所が閉まる!」「ごみを回収してもらえない!」といった事態を避けるための仕組みは存在しておりますので、その点はご安心ください。

◇一般職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例制定・修正案⇒賛成(賛成20・反対20、議長裁決により可決)

先日の投稿でご紹介した通り、修正案の提案を行った我が会派としては、超・重要な議案。

※ご参考 2025/3/6「前代未聞!?人件費増に直結する条例改正案に修正案を提出→委員会で可決されました!」
https://ameblo.jp/takanostyle/entry-12888923359.html

本会議でも、日本維新の会西宮市議団、啓誠会、無所属議員1名にご賛同いただき、無事に可決となりました!
ご協力いただいた会派・議員の皆様に、提案会派として心より御礼申し上げます。
結果からお分かりいただける通り、誰か一人でも欠けていたら実現しなかった…本市の人事・給与制度における本質的な課題に切り込む本修正案の可決は、歴史的な瞬間だったと思います。

職員の待遇に直結する内容だけあって、労働組合からの反発は激しく、市職労の機関紙では我々の動きを「テロ行為」と罵っています。
しかし、私たち議会が導いた結論は「民意」です。
今後、当局が市民よりも組合の方を向いて行動するなら、我々は極めて強い態度で臨むこととなりますので、今回示された民意の重みを深く認識してもらいたいと思います。

◇西宮市議会議員定数条例の一部を改正する条例制定⇒賛成(賛成28・反対12)

他の案件のご報告に追われてまだお伝えできていませんでしたが、今回の定例会には、議員定数を41人から40人に削減する提案が行われていました。
日本維新の会西宮市議団、公明党議員団、啓誠会、無所属議員2名とともに賛成し、可決となりました。
この件については、改めて論点と賛成理由をご報告いたします。

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≪一般会計に対する反対意見≫

会派・ぜんしんは、議案第305号 令和7年度西宮市一般会計予算 に反対します。以下、反対理由を申し述べます。

市長が財政の危機的状況と自らの責任を率直に認めた上で、それを前提に市政運営に取り組むべきである——昨年3月定例会で、令和6年度一般会計予算に対し、我が会派が行った賛成討論の一節です。それから1年、残念ながら、市長の取り組み姿勢が変わることはありませんでした。今定例会で明らかとなったのは、相変わらず、自らの責任に正面から向き合おうとしない、組織のトップに相応しくない姿でした。

現在、本市は収支不足が常態化し、毎年多額の基金取り崩しを余儀なくされています。我が会派は、かねてより財政状況が極めて厳しいという認識に立ち、行政運営の合理化、効率化、財源捻出に向けた取り組みを具体的に提案し続けてきました。にもかかわらず、数年以内に予算を組めなくなるかもしれない、という状態に至るまで、問題を先送りし、放置してきた、市長ならびに市当局の責任は重大です。

本年度から、財政構造改善の取組が始まりましたが、実施計画には、依然として効果額や取り組み時期を明示していない項目が多く存在します。これまで、支所機能の見直しや公共施設の再編など、方針等として掲げられながらも、具体的に進捗していない施策が多いことは、代表質問で指摘した通りです。そして何より、市役所の改革を進める前に、市民に負担を求めていくという姿勢に、我々は強く反対します。

中でも、本市が取り組むべき最大の課題は、人件費の圧縮です。人事院勧告に伴う職員の給与改定は、既に国を上回る給与を受け取っている層に対し、賃上げを行わないよう修正案を提出し、先般の総務常任委員会で可決されたところですが、人件費については他にも多くの取り組みが必要です。給料表のさらなる見直し、各種手当の廃止・整理、人事評価制度や組織のあり方、職務・職責の明確化といった施策は、長年にわたり我々が指摘してきたものばかりです。こうした問題への取り組みが不十分であったことを深く反省し、可及的かつ速やかに進めることを求めます。

令和7年度予算案では、大小さまざまな新規施策が見られました。財源や人員が限られている中、新規事業を始めるなら、既存事業の見直しが欠かせませんが、今も多くの施策や業務が過去から漫然と続けられています。それらの廃止や抜本的見直しを決断できないのであれば、安易に新規の取り組みを始めるべきではありません。各所管部署がそれぞれの事業の必要性を主張することは一定理解しますが、どの施策にどれだけの予算を投じるのかは、全体のバランスをふまえた経営的な判断が必要です。今回の予算案でも、そうした観点が大きく欠落しており、縦割りの弊害を露呈しました。財政危機の中、福祉的な施策でさえも切り下げようとしている本市において、今どうしてもこの施策をやらなければならないのか。そんな優先順位を度外視した施策が複数含まれていることに、重大な疑義を抱きます。常任委員会及び予算特別委員会での議論をもとに、具体的な事例を3つ挙げます。

まずは、約4,800万円を投じる防災アプリの開発です。市の防災ポータルサイトに加え、防災情報を発信するサービスやアプリは、行政以外にも多くの主体が作成・公開しており、市がこれだけの予算をかけて新しく開発する必要性が見当たりません。アプリが広く普及するという予測は楽観的で、本市では実際に子育てアプリ「みやハグ」を廃止し、LINEに移行したという事例もあります。開発には国費が一定充当されるとしても、その後のランニングコストや、開発・運用に携わる職員の労力・人件費の負担が発生することも見逃せません。

※ご参考 しぶや幹事長のブログ
https://blog.goo.ne.jp/shibuya1973/e/72535be8fe15f17d6826493ef48ea8b2

次に、収入の多くを市からの補助金に頼っている西宮観光協会において、ホームページの更新に3年間で500万円を投じることです。うち300万円は多言語対応の費用ですが、海外の方に向けた情報発信は、観光協会が行わなくても、顧客を誘引したい施設や店舗が、自ら行うこともできます。最近では翻訳アプリ等も発達し、ページの作成主体が自前で複数言語での発信を行う必要性は必ずしも高くありません。民生分科会では、ページビューの目標数値さえ具体的に設定していないことが明らかとなりました。観光協会については過去から複数の課題を指摘してきましたが、組織としての体質が一向に改善されていません。

※ご参考 2025/3/17「観光協会に対する補助金の支出について追及しました!」 
https://ameblo.jp/takanostyle/entry-12890282726.html

次に、都市計画道路・今津西線の整備です。都市計画道路の整備については、実現までの期間があまりに長いことや多額の事業費を要することから、以前から抜本的な見直しを求めてきました。しかし今回、今津西線を上ヶ原地域で約500m延伸する計画について、用地買収費用など5億円以上が計上されました。完成までに要する期間・費用は7年間・42億円を見込んでいるとのことですが、買収が必要な土地は79筆、建物は44件に上ります。過去の道路整備の事例をふまえれば、期間・費用がさらに膨れ上がる可能性も十分にあります。何より、この財政危機の中、実現可能性自体が不安視される大規模事業へ投資を行う必然性に、重大な疑念を抱きます。投資的事業全般に反対しているわけではなく、同じように都市計画税を充当する事業であれば、既存道路の改善、下水管の老朽化対策、公園のリニューアルといった取り組みを優先的に進めるべきと考えます。

※この都市計画道路に関する課題は、また改めてブログなどでご報告する予定です。

ここまで、3つの施策について意見を申し述べましたが、他の会派が分科会の中で指摘した内容についても、「(仮称)宮っ子つながり支える条例」に位置づけようとしている機関設置の課題や、観光協会が行うまちたび事業のあり方など、我が会派も同じく問題視している施策が含まれていることを、あわせて申し上げておきます。

これまで、私たちは、市の政策に納得いかない部分があっても、厳しく指摘・追及を行ったうえで、当初予算案には賛成をしてきました。予算が仮に通らなかった場合、市民生活に甚大な影響を及ぼすことは重々認識しているからです。しかしながら、これまで述べてまいりました、行政改革に取り組む姿勢の甘さ、予算編成上の重大な課題を鑑みれば、市民からの信託に応えるため、これ以上、賛成を続けることはできないと判断しました。この重みを、市長ならびに当局におかれては、深く、深く、受け止めていただきたい。以上、申し上げ、会派・ぜんしんの反対討論とします。