先日、3月定例会の注目議案についてご報告しましたが、その中で十分に触れられていなかったのが、議員定数を41人から40人に削減する議案でした。
私も賛成して可決されましたので、次回の選挙から市議会議員の人数は1人減ることが決定しました。
本日は、この件に対する私の考えをお伝えします!
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市役所、特に市職員の待遇に対して厳しく対応を求めるなら、私たち議員も自らを律さなければならない。
大前提として私はこの感覚を強く持っておりまして、会派としても従来からこうした趣旨で意見を述べてきました。
市議会の人件費(?)は「議員の人数×1人あたりの報酬額」で計算されます。
と、なると、このテーマに関するスタンスは、以下の4つに大別できます(増やすべき、という声は横に置いておきます)。
① 人数も報酬も減らさなくてよい!
② 人数はそのまま、報酬は減らすべき!
③ 人数は減らすべき、報酬はそのまま!
④ 人数も報酬も減らすべき!
この中で、私の考えに最も近いのは③です。
定数・報酬ともに、削減のメリットはまず財政的な効果。
そして、市当局に対して改革を迫る意味合いが大きいと思っています。
人件費下げろって主張するのに、自分たちが何もしないわけには…ねぇ。
一方で、デメリットとして、反対派からよく聞かれるのは「多様な民意が反映できなくなる!」というもの。
報酬削減のデメリットは「議会に人材が集まらなくなる!(お金持ちしか議員になれない)」というところでしょうか。
ただ、この話に絶対的な正解はないんですよね。
他市との比較も、どういう基準で比較するかによって、ずいぶん結果が変わりますし…
いくら減らすと言っても「5人でえーやん」とか「1ヶ月1万円で!」ってわけにはいかず、逆に、多様性が大事だから議員を倍にしようとか、優秀な人材に来てもらえるよう年俸1億円!なんてことは難しい。
法定の上限人数も撤廃され、定数も報酬も条例で定めることになっているため、判断は各自治体に任されています。
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定数が減れば、議員一人あたりの人口が増えるのは事実ですが、それが果たして「市民の声を聞けない」ということにつながるのか。
全く影響がないとは言いませんが、その分、一人ずつの議員が活動量を増やし、多くの方の声を市政に届けることは可能なはずです。
また、民意を反映するという観点では、投票率を上げるのが先でしょう…という気も。
競争率が上がることで、より優秀な、より本気で活動する人だけが当選するようになる、という考え方もあります。(あくまで傾向ですが)
過去に欠員の発生していた時期も議会は問題なく運営されていましたし、人口も少しずつ減少局面に入っている中では、大きな流れとしては定数削減の方向なのかなと思っています。
一方の報酬については、「自分たちの給料を自分たちで決める」という構図のため、議員が結託すれば、どんどん金額を上げることもできてしまいます。
そこで、報酬の妥当性や客観性を担保するために、「特別職報酬等審議会」という第三者機関が存在しています。
今のところ、その審議会からの答申が「据え置き」でして、原則としてはその判断に従うべきだと考えます。
個人的には十分な報酬を頂いていると思っていますが、民間企業を辞めて選挙に挑んだ私としては、同じような境遇の方がチャレンジする上で、不安のない水準は確保してほしいかな。
実際のところ、世の中が賃上げ基調でも議員報酬はずっと変わっていないので、相対的に見れば下がっているとも言えますし、退職金が無いなど会社員の「年収」とは一概に比較できない面もあるんですよね…
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とはいえ、緊急的な場合など、必要であれば一時的な報酬削減には賛成してきました。
事実、私が議員になっての6年間でも、新型コロナの流行が始まり財政への影響が不透明だった2020年には15%、市が財政構造改善を打ち出した本年度は取り急ぎ5%の削減を実施していました。
これが2年・3年と続くのなら、それは恒久的な削減に近づくので、きちんと審議会の答申をふまえましょうよという立場です。
他に報酬削減する機会があるとすれば、市職員が給与の一律カットを行う場合でしょうね。
今回、給与改定に対する修正案を提案したように、私たちは基本的に「職員全員の給料をカットせよ!」ではなく、「職位・職責や人事評価を反映した(メリハリのある)給与制度とせよ!」と主張しています。
それが、短絡的に「人件費を削れ!」と受け取られがちなのは心外なのですが。。。
このような理由から、「定数か、報酬か」と問われれば、私は定数削減派です。
これまでこのテーマに関してしっかりと考えを発信したことは無かったので、一度まとめてみた次第です。
私は議員の仕事に誇りを持っていますし、その上で、報酬に見合った、いや、報酬以上の仕事をしたい。
そして、できれば皆さんに「たかのにだったら、これだけ報酬を払っても納得できる」と思っていただきたい。
そのためにも、一つずつの課題へ地道に取り組み、これまで通り、その内容を皆さんにお届けし続けてまいります。
それでは今日はこのへんで!