契約業務の適正化② | 西宮市議会議員・たかのしん公式ブログ

西宮市議会議員・たかのしん公式ブログ

兵庫県西宮市の若手市議、鷹野伸(たかのしん)の公式ブログ。1990年(平成2年)生まれ・34才、政党無所属、現在2期目。日々、地元・西宮を奔走しています!

先週末は、甲東ヌーヴェルヴァーグWO・プロムナードコンサートの収録でした!

WEB配信に向けて、感染症対策に気を配りながらの初挑戦。

出演者の皆様お疲れ様でした!

 

 

配信は12/20(日)17時スタートですので、是非youtubeのチャンネル登録をお願いします(*^^*)

https://www.youtube.com/channel/UCP5XNRADrrJk8FUr-03ua6w

 

■□■□■□■□■□■□

 

さて、前回に引き続き、契約業務の適正化について。

入札を経ずに特定の事業者に発注する「随意契約」の調査結果をお伝えしていきます。

 

 

私がまず気になったのは、ある小学校の渡り廊下改修工事。

約5,800万円もの工事がなぜ随意契約なのか…??

調べてみると、改築工事の事業者を入札によって決定し、その業者に別途、渡り廊下の工事を随意契約で発注したということでした。

…いやいや、それなら元から総額で比較しないと。

「入札時に金額を抑えて落札し、随意契約の部分で売上や利益を確保する」という事業者が現れる可能性を否定できません。

 

こうした「複数の業務を同一事業者に発注する」場合には、総額での比較を行っている事例が多く存在しています。

例えば書類の印刷&封入業務では、合計金額での見積もり合わせ。

システムの導入&保守・運用では、ライフサイクルコストを含めたプロポーザル(提案方式)。

印刷と封入を分割したり、導入と保守・運用を別会社が担ったりすることは現実的でないので、こうした取扱いが行われているわけです。

 

じゃあなぜ、この案件では、総額での比較を行わなかったのか。

もしくは、渡り廊下の工事で改めて入札を行わなかったのか。

 

問い詰めていくと、

 

□校舎間の児童の動線を確保するため、工期の異なる別工事として発注する予定だった。

□いずれも入札による業者選定を行う予定だった。

□本体工事着工後、学校現場からの要望を受け、その対応の影響により工期の延長が必要となった。

□その結果、渡り廊下工事の実施に向け、事業者が入れ替わる準備期間が確保できなくなり、やむを得ず、随意契約に切り替えた。

 

という事情が判明しました。

一連の経緯について理解できる部分がないわけではありませんが、やはりこの構造が問題であることに変わりは有りません。

こうした契約方式を厳に慎むよう要望するとともに、市からは「当初の発注段階から意見や要望を反映するため、可能な限り早期の把握に取り組んでいく。」という答弁を得ました。

 

■□■□■□■□■□■□

 

続いては、各課契約の案件について。

市役所には契約管理課という部署があって、契約の適正さを確保する「番人」のような役割を担っています。

契約管理課が関与するのは請負・委託・修繕契約に限定されており、それらの中でも「学術研究的なもの及び契約業務の内容が特定されるもの」を除くとされています。

この「学術研究的なもの及び契約業務の内容が特定されるもの」っていうのが、いかにも…ねぇ。

契約管理課を通さずに、各課契約とするための抜け道に使われてないか?と感じるわけです。

 

このカテゴリーを見ていくと、ある相談業務で同一のNPO法人が長年受注している案件を発見しました。

しかしその内容をヒアリングすると、「当該事業者しか業務を受注できない」という理由が明確でないんです…各課契約の条件である「学術研究的」もしくは「契約業務の内容が特定される」とする根拠も不明です。

また、人材派遣契約では、プロポーザルを実施した後に、契約金額が大きく増加している事例を発見しました。

人員や業務の増加に一定の正当性があるとはいえ、総額が大きく変化しては「何のためのプロポーザルか?」と感じざるを得ません。

 

■□■□■□■□■□■□

 

また、障害者・高齢者の就労機会確保を目指した随意契約にも疑義があります。

もちろん、その趣旨を否定しているわけではないんです。

市は公共施設の除草・清掃業務等を、障害者や高齢者の方を多く雇用する事業者に随意契約で発注していて、そのこと自体には意義があると思っています。

 

しかし、中には年々発注価格が上昇している事業者も存在するんですよね…

例に挙げた案件では、2016年度から2020年度で約3割の上昇。

市には「多数障害者雇用企業等契約審査会」が存在するものの、発注先の適正さを審査するのが主眼で、個別の契約を審査するものではありません。

どの業務をどの事業者に発注するのか、発注金額はいくらが妥当なのか。

そうした決定過程について、検証可能な仕組みづくりが必要だと考えます。

 

■□■□■□■□■□■□

 

どれだけ制度を充実させても、完全なチェック体制を構築することは困難です。

だからこそ、常に大切なのは透明性の確保。

他の自治体では、随意契約の内容をホームページで公開しているという例もあります。

そうした取り組みを本市でも検討するべきだと思うのです。

 

もちろん私自身も、議員としての職責を果たすため、引き続き契約・発注の状況をチェックしていきます。

それでは今日はこのへんで!