<歌手・さだまさし>を連載している産経新聞が7月22日に、6月30日、東京国際フォーラムで開催されたさだまさし50周年記念コンサートのレポート記事を掲載した。
この日のコンサートの模様は「さだまさし 50th Anniversary コンサートツアー 2023~なつかしい未来~ 二夜 工務店ナイト」としてWOWOWで放送される。放送日時は7月30日(日)19:00~21:00。
鑑賞眼
さだまさし50周年ツアー
観客一人一人に手渡しできた歌
2023年7月22日 産経新聞
シンガー・ソングライターのさだまさし(71)がデビュー50周年を記念し、「なつかしい未来」と銘打ち、東京、大阪、名古屋を回るコンサートツアーの真っ最中だ。
1夜ごとに編成の違うバンドを従え、4つの違った顔を見せようというぜいたくな趣向の公演で、記者はバンド「さだ工務店」を引き連れた「ちょっとロックなコンサート」(さだ)を企図した6月30日の東京の第2夜を聴いた。
「長崎小夜曲 NAGASAKI-CITY SERENADE」で開幕。さだはハンドマイクで元気に歌い、1曲目から総立ちの観客がサンバのリズムに合わせて手拍子を送った。
続く「破」はエイトビートのロックで、伸びやかなギターソロも心地よい。「自分はロックシンガーだ」と記者に語ったことがあるさだの面目躍如のオープニングだ。
「体力が持ちません。ここからもうアンコールです」と笑わせてから、昭和52年の「雨やどり」を皮切りに「秋桜」「関白宣言」「道化師のソネット」と大ヒット曲を次々と披露した。
山口百恵に提供した「秋桜」は、「雨やどり」を作った頃、一夜で書き上げたとステージで裏話を語ったが、当時は20代半ば。才能がほとばしっていた。
「僕には、小さな歌しかない。でも、小さいからこそ、お客さま一人一人に手渡すことができる歌なんです」。公演前の取材で、さだはそう語った。確かに観客はさだの歌を受け取り、持ち帰ったに違いない。
終盤には昨年書いた「キーウから遠く離れて」など時代と切り結び、未来の平和を祈る歌も披露した。「なつかしい未来」にふさわしい一夜だった。(石井健)
_
産経新聞連載<歌手・さだまさし>全記事(7月26日)現在
(18)~(25)
(1)~(17)