ミスター・マニアックの英語放浪記(20) | 「京大」を7回受け、英語8割の英検1級講師「京大セブン」が添削したら、10年連続「京大」合格(うち4名は医学部医学科)。

「京大」を7回受け、英語8割の英検1級講師「京大セブン」が添削したら、10年連続「京大」合格(うち4名は医学部医学科)。

 訪問していただき有り難う御座います。このブログでは、京都大学、大阪大学、名古屋大学、国立大学医学部に合格できる学力をつけるためのアイディアを真摯に書かせてもらっております。

ミスター・マニアックの英語放浪記(20)   
 
    私は30年ほど前に塾講師を始めました。最初は、武田鉄矢さんの「金八先生」のような熱血教師をイメージして頑張り始めたのですが、10年ほどしたら気持ちが冷めました。
  いわゆる、落ちこぼれの子たちはテレビ・ドラマに出てくるような生徒ではなくて、本当にどうしようもない子が多いことを知ってしまったからです。ドアのガラスを蹴って割り、備品を盗み、部屋を落書きだらけにし、月謝を踏み倒す。
  放置したら、マジメに勉強したい子たちが次々に塾をやめていき倒産の危機に瀕することになる。小さな娘たちをかかえた父親の立場からは見過ごせない状況でした。
 私は、大学受験では受験の5日前にノイローゼで入院させられるほど勉強に打ち込み、26歳で失業して貯金ゼロになることを分かりながらアメリカに渡って勉強してきたのでした。才能がないので、英検1級に合格できたのは30歳になった頃のこと。
  そうして身につけた高度な英語も、遊び呆けている中学生や高校生には必要とされません。その一方で、四日市高校のような地元ではトップの高校に合格したい子たちには
「ぜひ髙木先生の指導を受けたい」
 と言われました。あるいは、
「京都大学を受験したいのですが、指導できる講師の先生が見つかりません」
 と、相談を受けることがありました。
 結局、塾として生き残るには上位層の生徒を相手にするしかなく、いわゆるエリート塾の方向に舵を切りました。楽ではありませんでした。勉強ができない子の親からは
「バカは教えないということか!」
 と非難されるし、もと奥さんからは
「クリスチャンとして、見捨てられた生徒を救うべきなのに」
 と批判されました。それだけではないのですけど、バツイチになる原因の一つになったかもしれません。
 本気で京都大学の医学部に合格したかったら、どうすればいいのか?合格したことがないどころか、私は名古屋大学の「教育学部」を卒業した文系です。まるで、畑違いだったので、ゼロから研究する必要がありました。
 この時点で、私はアメリカの公立中学校での指導経験があり、名古屋の大規模予備校や塾で英語指導の経験もあり、英検1級や通訳ガイドの国家試験に合格していました。
 よくネットで、マスコミで名の知られた講師を指して
「駿台のA講師なら、余裕で京大の英作文も満点だろう」
 などと書いている生徒がいます。私は、疑問を持っていました。名古屋だから、関東や関西と事情が違うでしょうが、大規模予備校でも英検1級を持った講師に会ったことがありません。旧帝卒の講師に会ったのは一度だけです。
「あんな英語講師たちが、本当に京大の英語で満点を取れるのかな?」
 という疑問がありました。
 そこで、手始めに「Z会」の京大即応コースを研究がてら8年間受講してみました。もちろん、六段の認定証をもらうくらいのデキでしたが、違和感がありました。それは、
1、添削の指摘や、模範解答に納得がいかなかったこと。
2、コメントが多すぎて、結局どうしていいのか分からなかったこと。
 の2点。
 私が1982年にアメリカ、ユタ州で授業を始めたときのこと。見学していたネイティブの先生が、しばしば
「ミスタータカギ、ちょっと待って」
 と授業を中断して
「今、ミスタータカギが使った言葉の意味はね・・・」
 と、説明を始めたのです。その時、私の英語は受験英語で習った単語や熟語でできあがっていたと思われます。take it for granted とか、not until とかいうアレです。
 アメリカの現実の生活の中では、そんな表現は聞いたこともなければ、見たこともありませんでした。それで、
「受験英語なんか捨てよう」
 と、決めました。帰国後に、自信満々で名古屋の予備校や塾に履歴書を送って職を得ようとしましたが、7通とも無視されました。
「これは、どういうことだ?」
 と友人に相談したら、
「おまえが英語を使えるなんて信用するわけない。英検なんかで照明しないと」
 と、アドバイスをもらいました。
 それで、書店で英検の過去問を見たら受験英語と大差のない“見たこともない”熟語や単語の羅列。これは、私の意見ではありません。私が解いていた過去問を見たたネイティブが
「なんで日本人のおまえが、こんなシェークスピアの時代のような英語を?」
 と笑っていました。私は、日本の英語教育の指導者たちに決定的に不信感を持っています。いくら音声教材を開発し、ネイティブ教師を招いても、日本人の教師や講師の認識が変わらない限り意味がない。
 いや、認識の前に英語力がまるで足りない。泳げないのに水泳のコーチはできないけれど、日本では英語を話せないのに英語講師をしている人が多い。多くの英語講師の応募者と面接してそう思いました。
 では、なぜ学校の教師や予備校講師、塾講師が私から見て「変な英語」を使い、「こうすれば満点をとれる」などと無責任な発言をしているのか。それには、明確な理由があります。
 まず、日本では肩書きが優先されること。有名な大学を出たとか、大規模校の講師をしているとか、大学教授という肩書きを持っているとかいうことが最優先なのです。そういう人の解説に、私ごとき無名の人が何を言っても通用しません。
 だから、無駄な反論はやめて実証してみることにしました。つまり、実際に京都大学を受けてみて
「京都大学の英作文では、どのような解答が高得点を得られるのか」
 を調べてみることにしました。7回受けて、1回目と2回目は「受験英語」で書きました。3回目と4回目は英検などで推奨されている「資格英語」で書きました。最後の5回目から7回目までは、実際にアメリカで使っていた「ネイティブ英語」で書きました。その結果は、アマゾンの電子書籍に書かせてもらいました。
 アマゾンの kindle本で「京大 英作文 添削」の検索で見つかると思います。100円程度で提供させてもらっているので、買って読んで下さい。
 大雑把に言うと、「受験英語」の得点率は6割、「資格英語」は7割、「ネイティブ英語」は8割ほどでした。それを、Youtube やブログ、ホームページなどで公表したら
「おまえは英語講師のくせに、2割も間違えて恥ずかしくないのか!」
 とか
「おまえが合格したら、若者が落ちるだろう!」
 といった、脅迫メールのようなものが舞い込みました。その程度の認識しかないわけです。京都大学の最高点は、総合点で8割程度です。満点なんか、ありえません。
 一方、京都大学の「医学部」をめざす真剣な受験生からは添削依頼が数多く舞い込みました。ネット添削を始めて5年間で、京大「医学部」医学科の合格者数は3名でした。阪大「医学部」、名大「医学部」、九大「医学部」などにも合格者が出ました。
 分かる人には分かってもらえるようです。旧帝の医学部医学科は、どこも定員が100名ほど。そんな超エリートが、私のような無名の田舎の個人塾の講師に添削を依頼してくれることに感謝しております。
 もちろん、受験参考書どおりの解答をしてくる子も、文法的な解説を求めてくる子も、赤ペンでびっしり添削してほしがる子もいます。でも、私は受験参考書どおりに書いたら高得点が得られないこと。文法的な分析だけでは機械翻訳のようになること。たくさんアドバイスをしても、生徒の頭に残らないことを説明します。
 一部の方は、怒ってしまいますが、分かる子には分かります。誰にも分かってもらおうとは期待していません。駅前の大きなビルとか、有名タレントが宣伝している塾や予備校を信用する人の方が多いわけですから。
 そういうタイプの子は、難関大に合格できる確率が低いので、私のお客様ではありません。私は、ファミレス方式の大規模塾とは違う道を選びました。ラーメン専門店のようなものを目指しています。
 国際化時代という言葉は陳腐化してしまいました。外国人観光客が押し寄せる時代です。楽天のように、社会の公用語を英語にする企業も増えるでしょう。しかし、その下支えをする英語教育の現場は、いまだ封建社会と変わらない。
 私が出会った英語の上手な人は、ビジネスマンとか通訳の人であって、教育関係の人ではない。教育関係の人は、小学校、中学校、高校、大学から勤務先の学校に来た人が多く(塾や予備校もその傾向があります)社会の現場を知らない人が多い。
「ここの英訳は、ちょっとおかしいよ」
 と指摘すると、英語の分かっていない子は
「でも、ここの参考書に書いてあります」
「学校の先生が、こう書けと言ってました」
 と、反論される。
 英語の分かっている子は
「そういえば、長文問題でこんな表現を見たことがありませんね」
 と納得してくれるのですけどね。
  結局、塾生の半数以上が「四日市高校」の生徒になってしまった。イマイチの生徒たちから嫌われるから仕方ない。
  多くの英作文を添削させてもらって気づくのは、現代の文法書のいびつさ。なぜなら、解答の多くが「ネイティブなら絶対に使わない英語」で書かれているからです。
 
髙木繁美:
 三重県いなべ市生まれ。四日市高校、名古屋大学「教育学部「を卒業後、アメリカユタ州の公立ローガン中学校で教師研修を受け、帰国。英検1級、通訳ガイドの国家試験、国連英検A級、ビジネス英検A級などに合格。
 河合塾学園、名古屋外国語専門学校などの英語講師を14年間勤めるかたわら(生徒アンケートで40人講師中2番人気)、地元三重県で私塾「髙木教育センター」設立。京都大学を7回受けて(英語8割、数学7割正解)、高得点を取るための方法を研究してブログやYoutube に発表したところ、アメブロ「受験生」ランキング1位。Youtube 再生回数50万回を達成。
 Google, Yahoo で「京大、英作文、添削」の検索をかけると、1ページ目に、Z会と並んで5項目が現れる人気記事を発信し続けている。