車イス生活になった元「横浜山手のカフェのマスター」のカフェ巡り日記 -7ページ目

車イス生活になった元「横浜山手のカフェのマスター」のカフェ巡り日記

車イス生活になってから行った「横浜カフェ」の日記を中心に書いていくブログです。
「物理的バリアフリー」「接客的バリアフリー」がどうであったかという視点で書いています。
また、駅からの道順や道路状況、トイレ情報などについても、できる限りまとめていきます。

当店は「カフェ」であり、いわゆる「自家焙煎珈琲屋」ではないので、


コーヒー豆は仕入れています。


「カフェ」という店舗形態であれば、コーヒー豆の仕入先も決めなければなりません。


まず、当店の仕入先である2つのお店について、説明しておきます。



🔴横浜元町珈琲


地元のコーヒー豆売専門店です。


主に、ホットコーヒー用の豆を仕入れています。


不動産の営業をしていた5年ほど前から、個人的にコーヒー豆を買っていました。


「Marks house Cafe」をオープンするにあたり、改めて色々なコーヒー屋へ行きましたが、


結局、戻ってきたような形で、こちらのお店から仕入れることにしました。


決め手は、僕が好きなコーヒー豆だったからです。


それ以外は…


距離的に近いこと。


「気持ち的な距離」も近く、色々と相談しやすいこと。


ほぼ店主1人でやっているので、「1対1」の付き合いができること。


コーヒー豆売専門店なので、一任できること。



🔴喫茶イレブン


奈良県生駒市にあるコーヒー屋です。


「喫茶」とは名ばかりの、ほぼ「豆売専門店」です。


主に、エスプレッソ用、アイスコーヒー用の豆を仕入れています。


出会いはSNSです。


理想のエスプレッソを作ることができず悩んでいた時のことです。


Instagram、Facebookで、気になるコーヒー屋を見つけたのがこちらでした。


その前にも、色々なお店からエスプレッソ豆を取り寄せ、試したものです。


島根にある有名店からも買いました。


理想に近いものもありましたが、下記の決め手を欠いていました。


「気持ち的な距離」も近く、色々と相談しやすいこと。

 

ほぼ店主1人でやっているので、「1対1」の付き合いができること。


僕が求める形はこちらの2つが大きいと言えます。


もちろん、「味」が前提条件ではあります。



結局のところ、「何をやりたいか」に関わってきます。


それにより、コーヒーに対して、どこまで求めて、どう提供するかが決まります。


原価重視でいくのか。


マシンで10杯で淹れるのか、ハンドドリップで1杯ずつなのか。


コーヒーを求めているお客様なのか、そうでもないのか。


僕の場合は、


「横浜で一番良い場所で、横浜で一番おいしいコーヒーを」がモットーであり、


「コーヒー1杯」で勝負しているので、上記の2つのお店になりました。


この2つのお店と店主はタイプこそ違いますが、


コーヒー業界に対する考え方は似ているような気がします。



こちらまでが当店のお話です。


コーヒー豆の仕入先を考える時、タイプは大きく2つに分かれると思います。



🔴コーヒー会社


例えば、「KEY COFFEE」「UCC」などです。


大手のコーヒー会社のメリットは、総合的にバックアップしてもらえるということです。


コーヒー豆以外にも、喫茶、カフェに関する食材の取扱も豊富です。


ミルク、砂糖、ジュース、テイクアウトカップなどが分かりやすいと思います。


その他にも、冷凍ケーキ、レトルトカレー、パスタソース…


挙げようとするとキリがないくらい、商品は豊富です。


また、店舗規模によりますが、コーヒーマシンの貸与などもあります。


デメリットがあるとすれば、あくまで会社との付き合いになることでしょうか。


細かい話になると、豆の焙煎度合いまでは相談することができないですし、


担当者はいわゆる「営業マン」なので、知識が乏しいケースがあります。


また、工場で大量に焙煎しているため、鮮度に関しては個人店には敵わないでしょう。


その分、コーヒー豆は安く仕入れられるはずです。



🔴個人店


当店の仕入先はこちらに当てはまります。


基本的には、コーヒー豆のみの取扱です。


注文後に焙煎する形が多いので、新鮮な豆を仕入れることができます。


ただ、新鮮過ぎて味が落ち着いていないこともあるので、


仕入れてからの在庫管理が必要となる場合があります。


大手のコーヒー会社と比較すると、コーヒー豆の原価は高くなりますが、


その分、クオリティの高いコーヒー豆を、新鮮な状態で仕入やすくなります。


「小回り」が利くことが一番のメリットだと思います。


大きく2つに分けましたが、最近のコーヒーブームからすると、様々なお店があります。


「ALL PRESS ESPRESSO」に代表されるような、エスプレッソ系のコーヒー会社もあります。


その中から何を基準に仕入先を選ぶかが大切になってきます。


基準を作るためには、どのようなコーヒー屋があるか知ることが早いと思いますし、


理想に近いお店、好きなお店を参考にするのは近道だと思います。



振り返ってみると、僕がコーヒー会社に勤めていた10年ほど前と比べると、


コーヒー業界や、「仕入先と卸先」の関係性も変わってきたと感じます。


それでも変わらないことがあります。


それは、結局、「何をやりたいか」が大切であるということです。

独立、開業すること。


それは、いわゆる会社員ではなく、個人事業主になるということでもあります。


僕も個人事業主だったこともありますが、今は不動産会社の社員です。


不動産会社のカフェ事業部のようなニュアンスでしょうか。


「会社員」ではなく「個人」になることについての細かなメリット、デメリットについては分かりません。


ただ、大きく捉えると、メリットは「自由」を手にすることだと思います。


お店で考えれば、全てが自分の思い通りにできるということです。


では、デメリットは何か。


全ての責任を自分で負わないといけないということだと思います。



僕は今年始めに3週間休みました。


お客様からは、ブラジルなどのコーヒーの産地へ行っていたと思われていたくらいです。


火曜定休以外は、コーヒーイベントや買い出しを除けば、体調不良などでも休んだことがありません。


年末年始の休みも元日のみでした。


それが3週間も休むとは何事か…


手術、入院していました。


「脊髄ヘルニア」です。


「ヘルニア」とは、「曲がっている状態」のことを指すようです。


「ヘルニア」と聞くと、スポーツ選手などの「椎間板ヘルニア」をイメージしがちですが、


それとは異なります。


「脊髄」と聞けば、大きな事故などによる、「脊髄損傷下半身不随」でしょうか。


谷垣さんの「頸髄損傷」で手術したことも、おそらく大変なことだと思います。


命に関わるものではなく、計画的な手術と入院だったので、


横浜山手が一番静かな時に、お店を休むことにしたのです。


1週間寝たきりであり、手術箇所も繊細なところだったので、


リハビリ途中、歩行器も取れないままの、3週間での退院となりました。


それから半年が経過しますが、その回復具合は、常連のお客様がよく知っていると思います。


ただ、まだ万全ではないですし、毎週リハビリへ行っています。


元気であり、生活に支障はありませんが、少しの不自由がある状況です。



3週間の休みは、有給を取りました。


手術、入院費用は、ほぼ全額、保険で支払いまいした。


会社、社会は「100%」でなくても、ある程度は守ってもらえます。


それが「会社員」です。



「個人」になるとどうなるか。


保険に加入していれば、その分の支出はないかもしれません。


ただ、有給はないので、無収入状態になります。


また、店については、家賃が発生しますし、発生し続けるものです。


結局、「体は資本」ということです。


極端に考えると、家賃は固定費なので、24時間年中無休であれば、


1時間当たりのコストは抑えられることになるということです。


その逆が、休むということです。


家賃が発生しているのに、使用していないため、お金を生んでいない状態です。



「会社員」は守られていて、「個人」になることのマイナスばかり考えると何もできなくなりそうですが、


そのリスクを考えながら、軽減していく作業が大切だと思います。


「立地」「客層」について色々と書いてきましたが、


そちらに関連して、「ターゲット」について考えます。


ただ、今回は「ターゲット」という言葉そのものではなく、


どのようなお客様を相手にしたいかについてです。



具体的に挙げると…


男性or女性。


若年層or高齢者。


日本人or外国人。


地元民or観光客。


簡単に、分かりやすいものを挙げると、このようなものです。



以前、コーヒー会社に勤めていた時の取引先に、今でも印象に残っているカフェがあります。


・立地は商店街の中


・お客様の平均年齢は60歳くらい(?)


・エスプレッソ系よりも、「ホットブレンドコーヒー」のご注文が多い


・商売繁盛していた



こちらの店主も会社を早期退職されて、年齢も50歳くらいでした。


同年代の方々にコーヒーを振る舞いたいという想いで、


地元の商店街の中に店を構えることを理想としていました。


出店するにあたり色々な要素がある中で、それぞれが「マッチ」していたように感じます。



ただ、違う人であれば、考えは少し変わってくるかもしれません。


やりたいこと、内容については同じだったとしても、店主が20代の方だとします。


同年代、若年層のお客様を相手にしたいと考えているのであれば、


上記のような立地は理想としないかもしれません。


仮に、商売繁盛したとしてもです。


売上最優先で、その他は何でも良いという方であれば、問題ないと思いますが、


少なからず、どのようなお客様に来ていただきたいかという気持ちはあるものです。



当店について、個人的には…


・コーヒー、紅茶が好きな方


・横浜が好きな方



会社的には…


・住宅に関心のある方


・大人の方



お店のコンセプトは、「ショールームの中でカフェとしても営業しています」です。


カフェとしても営業していますが、本業は不動産業です。


それだけを考えると、やはり、住宅に関心のある方であり、


学生さんではなく大人の方にご来店いただくことが理想でもあります。


そうであるため、横浜山手の一等地に出店しているわけです。



「何をやりたいか」の後に、「誰を相手にしたいか」によって、お店の在り方も変わってきます。