車イス生活になった元「横浜山手のカフェのマスター」のカフェ巡り日記 -8ページ目

車イス生活になった元「横浜山手のカフェのマスター」のカフェ巡り日記

車イス生活になってから行った「横浜カフェ」の日記を中心に書いていくブログです。
「物理的バリアフリー」「接客的バリアフリー」がどうであったかという視点で書いています。
また、駅からの道順や道路状況、トイレ情報などについても、できる限りまとめていきます。

「良い立地とは」


「成功するか否かは立地で決まる」


一口に「立地」と言っても、「立地」とは何か。


人通りが多ければ良い立地なのか。


もしそうであれば、住宅地は良い立地ではないことになりますし、


駅近くが最高の立地であることになります。


では、住宅地でも人通りが多ければ良いのか。


結局、「お客様」になる可能性が高い人が多くないと意味がないとも言えます。


極端な例を挙げると…


横浜山手周辺の地域は、多くの外国人が住んでいます。


したがって、ハロウィンの日は、1年の中でも最も人通りが多い1日と言えます。


この時の「人通りが多い」は、立地が良いと言えるのでしょうか?


ただ、人通りが多いだけであって、お客様になる可能性のある方は「0」に近いです。


そのようなことも含めて考えると、良い立地とは…


「やりたいこと」と、その立地の「客層」がマッチすることだと考えています。



その後に、不動産、物件の難しさが出てきます。


当店は、全体で「80㎡」の広さがあり、分譲マンションのファミリータイプの広さです。


横浜で一番の高級住宅地であるため、それ相応の高い家賃が発生しています。


「山手町」らしい家賃です。


1人で営業しているお店としては、高い家賃であることが、飲食業の難点になります。


例えば、コーヒースタンドやカフェで、広さが「40㎡」になり、家賃も半分になれば、


成功する確率は高くなると思います。


ただ、「山手町」にはそういった不動産はほぼありません。


では、人を雇うことを考えると…


そのお話は、また改めてにしようと思います。


「家賃」「広さ」という不動産とのマッチも欠かせない要素の1つと言えるでしょう。



1人でお店をやっているのに、やたら広いラーメン屋へ行ったことありませんか?


逆に、いわゆる「激狭」な飲食店へ行ったことはないですか?


やりたいことが明確でも、地域を決めたとしても、100%理想の物件はないと思ったほうが良いです。


大切なことは、その物件にやりたいことを「落とし込む」ことであり、順応させることです。



立地の話から少し脱線した感じもありますが、


「物件探し」「物件選び」についても、改めて書きたいと思います。


「良い場所でお店やっていますね」


「このようなカフェを探していました」


「良いお店」という意味で、お客様からこのように言っていただくことがあります。


言っていただいたからには、そちらに対して何かお返ししないと…


そう思って、よくお話していることがあります。



「横浜で一番良い場所だと思っています」


「飲食店としては良い場所だと思っていません」


「当店のようなカフェを探してはいけないです」


「飲食店としては、当店は有り得ないお店です」



飲食店経営のノウハウの本などを読むと、


「飲食店は立地で7割が決まる」


このようなことを書いてあるものがあります。


「7割」「8割」などの数字の根拠はよく分かりませんが、


いずれにしても、出店する「立地」が、成功するかどうかの大きな要素ということです。



話を戻すと…


当店は横浜で一番良い場所にあると思っています。


ただし、「住宅地として」であり、「飲食店を営業するうえ」でなければ、


「商業地域として」良い場所であるわけではありません。


横浜が開港してから、元は「外国人居留地」であり、現在は高級住宅地です。


そういった地域を、「観光地化させた」イメージでしょうか。


住宅地としては、戸建では「1億円」は下らないですし、


築50年の中古マンションが「5,000万円」で売買される地域でもあります。


売買価格と同じように、家賃も高くなります。


「『住宅地として』横浜で一番良い場所」であると言えることは間違いないです。


ちなみに、商業地域であれば、横浜駅西口、「西区南幸」の住所になると思います。



また、当店の隣、同じマンション内の洋食屋さんについてお話することもあります。


「ランチは11時から15時、15時から17時は喫茶時間、17時からがディナータイム」


話は続きまして、


「平日も土日も、お客様がいらっしゃらなければ、20時でお店は真っ暗に」


「ディナータイムよりランチタイムのほうが長い洋食屋さん」


何かというと、こちらが地域性ということです。


つまり、18時、19時くらいになれば、人通りは少ないです。


歩いている方がいるとすれば、仕事帰りの方や、下校途中の学生さんです。


そうなのです、学校が5校、6校もあります。


結局、住宅地であり、学校もあり、観光地でもあるという、難しい地域なのです。


そこまで考えると、飲食業としての難しさをイメージしていただけるでしょうか?


もし、イメージしていただくことが難しく、それでも飲食店を開業したいということでしたら、


もっと勉強をして、失敗するリスクを小さくしたほうが良いと思います。



「立地」にしては、テーマをいくつかに分かることができますし、


色々と考えるべきポイントがあります。


今回は、当店を例にとって、「立地」を考えてみました。


その立地には、いわゆる「客層」があります。



「どのようなお客様が来店されますか?」


とお客様から聞かれた時には、


「学生や10代の方以外、色々なお客様がご来店されます」


このように答えています。


山手町内の地元の方、横浜市内の方、日本全国津々浦々、世界各国の観光客の方々…


20代、30代の「サードウェーブ」的なコーヒー好きの方もいらっしゃれば、


70代、80代の「ファーストウェーブ」時代から、喫茶店でコーヒーを飲んでいる方もお越しになります。


色々な方々なのです…



では、なぜ、当店が出店したのか。


「カフェ」としてではなく、「ショールーム」として考えていただくと良いです。


中区を中心に10年営業活動をしてきた不動産会社が、


横浜で一番良い場所であり、角地の目立つ場所にショールームを造ることについては、


そんなに違和感があることではないと思います。


特に山手町という地域は、築45年くらいの分譲マンションが多いです。


不動産会社としての弊社のお客様も、多くの方々がお住まいになっているのが山手町です。


したがって、こちらの出店することに意味がありました。


「立地」を考える時、その地域性を知ることが大切です。


ということで、今回は締めて、また次回とさせていただきます。

当店のオープン初日の来客数は何名くらいだったと思いますか?


横浜山手の一等地であり、外国人墓地の向かいで、目立つ場所です。


土日のどちらかの曜日で、天気は晴れでした…


答えは「1名様」です。


その1名様に2杯のホットコーヒーをご注文いただきました。


1年3ヶ月経った今でも忘れない1日ですし、鮮明に覚えているお客様の1人です。


「見た目が9割」のような出来事です。


結局、当店はカフェには見えないということです。


色々な方に当初から言われていることであり、今でも言われることでもありますが…


「ショールームなの?家具屋なの?カフェなの?」


どちらも正解です。


お店のコンセプトが伝わっている「見た目」になっているようです。



こちらでお伝えしたいのは、店名と同じくらい、「見た目」も大切ということです。


場合によっては、店名よりも見た目のほうが大事かもしれません。


それは、たまたま店の前を通りかかった方からすると、


どのようなお店であるかは、店名ではなく、見た目から判断する可能性が高いからです。


店名を見られなくても、何も説明することなく、


ショールームはショールームらしく、


コーヒー屋であれば、コーヒー屋らしい見た目であるようにするべきだと感じています。



こちらまでは外観の話です。


店内でも同じことが言えます。


お客様がおっしゃることがあります。


「コーヒーがおいしそうな雰囲気ですね」


ご注文いただく前に、このように言われます。


良い雰囲気作りから、そう思わせることも、接客、営業の1つだと思います。


そういったことを考えると、コーヒーを飲んでいただいて、「おいしい」と感じていたくのは、


最後の、最後のほうのような気がしてきます。


そうであれば、もっと前の、前のことが、良いお店としての大切な要素になってきます。


「おいしい」が最後の、最後のほうだと思うと、少し寂しい気分になってきそうですが…


ただ、それが飲食店です。



逆に考えると…


何となく、「おいしそう」だと期待して、お店に入った経験はありませんか?


また、キレイで、おいしそうに見えたケーキが、あまりおいしいと感じなかったことはありませんか?


結局、「おいしい」かどうかは、最後の話です。



広義の意味では、どのように「集客」するかということです。


「集客」にも色々な種類があるので、この辺りも細かく見ていきたいと思います。