昭和45(1970)年6月の夕刊の下のほう。左から2番目 あしたのジョー は映画ではなく、渋谷・東横劇場にて上演される 新国劇の舞台版 だ。
矢吹ジョー(石橋正次)と力石徹(亀石征一郎)は同年7月に公開された 日活映画版 と同じだが、東光特等少年院 にて「青ひょうたん」と呼ばれていた 青山クン は、映画版の 小松政夫 とはガラリと雰囲気の違う、オックス のオルガン担当・赤松愛 が演じている。どちらも別ベクトルで意外な配役ではあるのだが…。
それにしても、貧弱で気の弱そうな青山クンは一体、何をやらかして「全国のワルの中のワルが集まる」東光特等少年院にまでやってきたのだろう? 長年の疑問だ。でも、ああいう一見して気弱そうな奴こそ、いったんキレる と歯止めのきかぬ恐ろしいことをしでかすものだ。
オトナになってから『あしたのジョー』を見返すと、ジョーや力石、もちろんマンモス西よりも、あの風体で東光特等少年院にいる 青山クンこそが、とても怖く見えてしまうものだ。