ラテ欄検証シリーズ ~ 増山江威子さん追悼『アンデルセン物語』(昭和46年3月) | 高木圭介のマニア道

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~浮世のひまつぶし~

昭和46(1971)年3月7日(日曜)のテレビ欄より。夜7時30分からのカルピスまんが劇場 アンデルセン物語(フジテレビ)では、のちに『ルパン三世』(赤いジャケットのほう)で共演する 増山江威子さん山田康雄さん が、一足早く共演している。

 



峰不二子 をはじめ、キャンティバカボンママキューティハニーオーロラ三人娘の橘ルミ一休さんのお母さん etcetc…と増山さんの声は 色っぽさと母性 の両方を感じさせる唯一無二のものだったが、その声質が活かされた歌声も素晴らしかった。

私が特に好きだったのは『アンデルセン物語』の後番組としてスタートした『ムーミン(昭和47年版)』のエンディング曲『ムーミンはきのう』(作詞・井上ひさし、作曲・宇野誠一郎)だ。今も週に1度ぐらいは必ず聴いている。

やや暗めなメロディ。情感と同時にどこかザワザワとした恐怖 みたいなモノを感じさせるこのエンディング曲は、本放送時には感じなかったが、そろそろ辺りが暗くなってくる夕方の再放送などで聴いていると、たまらない感じがした。

    

90年代にこの曲がCD化された際に(なぜかモノラル音源なんだよな)、テレビ放送では聴いたことのなかった2番や3番の歌詞も知ることになったのだが、2番に「♪ きのうムーミンは 空にジャミパン雲をみた~」という歌詞がある。

ジャミパン雲 とはいったい何??? ムーミンの劇中にそうした雲が出てきた記憶もないし……と長年、疑問に感じていたのだが、これはどうやら「ジャムパン」のことだったようだ。要はジャムパンのような形をした雲ということか。


  昭和46年3月7日(日曜)のテレビ欄

ある年齢層の人たちが、大昔にお子さまたちが大好きなジャムパンのことを、少々蔑むようなニュアンスも込めつつ「ジャミパン」と呼んでいた時代があるらしい。子どもを指す「ジャリ」と「ジャム」を混ぜ合わせた造語なのかな?

増山江威子さんの素敵な歌声に哀悼の意を表しつつ、これからの人生はジャムパンのことを「ジャミパン」と呼び続けること にしよう。

やいやい後輩ども。購買部に行ってジャミパン買ってきやがれ!