昭和9(1934)年9月23日(日曜)の新聞に掲載されたニュース映画 近畿地方を襲ふ猛颱風 広告。
広告に写真は一切ないが
惨憺たる関西地方暴風被害の實寫(実写)ニユース
九月廿一日(9月21日)早朝突如近畿地方に襲来せる風速六〇米の颱風の惨害
松竹ニユースマン決死撮影・本日より公開
など数々のコピーが尋常ではない事態を伝えてくれる。
昭和9年9月21日、近畿地方に上陸した台風といえば、歴史に残る「室戸台風」で間違いないだろう。テレビの存在しない時代、映像で台風被害を伝える手段として映画が最適だったのはわかる。しかし9月21日に高知・室戸岬付近に上陸し、近畿圏に多大な被害を与えた台風の中、いったい どうやって決死の覚悟で撮影した撮影フィルムを運んだのだろう?
鉄道網も不通ならば航空機も欠便に違いない。インターネットなど夢また夢の時代に、いったいどうして 台風から2日後に映画上映が可能 になったのか興味深い。スピード感ありすぎ!