大正13(1924)年8月、戦争中まで本郷3丁目(東京都文京区)に存在した 本郷座 にて開催された 柔道拳闘懸賞大試合 の新聞広告。
講道館・武徳会・全国専門中学校、各地道場の新進気鋭の 柔道有段者 たちが、世界8か国の拳闘選手と戦うという、おそらくは現在の異種格闘技戦のようなものか? ルールはどこにも記されていないから、よく分からん。 「飛び入り試合歓迎」 とも記されているので、当時のことだ。物騒な出来事もあったかも知れない。
それにしても拳闘側の参加選手は 英 (イギリス)・ 仏 (フランス)・ 伊 (イタリア)・ 独(ドイツ)・露 (ロシア)・ 墺 (オーストリア)・ 希 (ギリシャ)・ 印 (インド)と、世界8か国から強豪が参戦というから、本当ならばかなり豪華ではないか? 全員知らない人ばっかりだけど…。
戦後、力道山が考案したと伝わる ワールドリーグ戦 や、アントニオ猪木の IWGP (インターナショナル・レスリング・グランプリ)構想にまでつながるワールドワイドな売り文句が、すでに大正時代に存在していたことに驚かされる。
この時代、拳闘とか柔拳とか異種格闘技戦なんぞでなくとも、「生で外人を見物できる」 というだけでも、見世物としてちょっとした興行的価値はあったはずだ。