ふくらはぎ痩身 ~TCR~ | Dr.Chinのブログ

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~ 伏見 駅前陳皮膚科・形成外科クリニック ~
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皮膚科・形成外科・美容科医のつぶやき ≪理論のある治療を≫

テーマ:

ふくらはぎ部の減量には、


脂肪吸引による脂肪の減量が一般的に行われますが、


それでも、残念ながら、いわゆるふくらはぎの『プリッ』とした所は、改善しません。ガーン


ひらめき電球これは、筋肉の減量を行うことで改善することが可能ですひらめき電球


この『プリッ』とした部分は、解剖学的には、腓腹筋内側脚と外側脚の尾側の形が見えていることで起こります。一般に、皮下脂肪の少ない方の方が、輪郭はわかりやすい、そのため、

これがいやだっ叫びという方の多くは、皮下脂肪が少なく、脂肪吸引ではなかなか改善が得られません。


 ☆ Google画像より引用


筋肉を減量する方法は、


① 筋肉をとる。

② 神経を遮断して筋肉を委縮させる。

②’神経の刺激が伝わらないようにして筋肉を萎縮させる。

③ 筋肉を焼いて萎縮させる。


はてなマークそもそもこの腓腹筋という筋肉をなくしてしまってよいのか?という事が問題としてあげられますが、はてなマーク

爆弾上図でもあきらかのように、ふくらはぎ部にはほぼ同機能の筋肉(腓腹筋(内側脚・外側脚)とヒラメ筋)が二つあるため、片方が機能消失しても日常生活上は、特に問題ありません。実際形成外科の再建分野では、機能消失の少ない筋肉を別目的で使用する事はよくあります。(完全顔面神経麻痺や乳房再建では、広背筋という背中の筋肉を使用することがあります。)ニコニコ


では、


①の『筋削除術』です。

以前は施行されていたようですが、切開も大きく、理論的に考えても侵襲が強いため、美容目的として主なる手術として行われなくなっています。


②切開の方法(便宜上、針で刺す程度でも切開とします。。)ですが、大きく二つに分けれます。


★ 切開が大きい場合、いわゆる『切開式神経遮断術』です。

膝窩部の皮膚を数cm切開して神経を同定して神経遮断を行います。神経を根本から遮断するため、残存する機能を考慮して、一本ずつ行われます。


 ☆「臨床のための解剖学」より引用・加筆


ガーン 欠点としては、切開が長くなるという点および、内側を行い外側を残すとO脚のように見えることがあります。。


★ 切開が小さい場合、いわゆる『NICR』があります。

NICRは、Non Incisional Calf Reductionの略で、この意味自体は下腿筋肉萎縮術ですが、一般的には、選択的神経遮断術を指して使われることが多いです。

この方法は、腓腹筋をつかさどる神経(脛骨神経の腓腹筋枝)を『切開式神経遮断術』より末梢で刺激して確認しながら、高周波を使用して神経を凝固変性させることで神経を遮断する方法です。


ガーン 欠点としては、切断しているわけではないので、運動をすることで再度筋肉ができてくる可能性があります。また、神経の分枝によっては、効いていない部分がでてくる可能性があります。比較的安全ですが、後述の『TCR』でもそうですが、個人の神経走行や手術手技によって、皮膚からの知覚神経を触ったりすると、一時的に知覚障害が起こる可能性があります。


 ☆ Google画像より引用


腓腹筋上には、知覚神経(下腿・足の外側を支配する知覚神経(腓腹神経)や下腿・足の前内側を支配する知覚神経(伏在神経))が走行しているのがわかります。


②’としてボトックスを注射する方法があります。注射という手軽な方法ですが、


ガーン 一時的効果のため定期的な注射が必要になります。咬筋では、定期的な注射での長期的な効果の報告がありますが、下腿では、日常使用する筋肉であるためか、定期的注射での長期的効果は報告されていません。また、一期的なボトックスの大量投与は危険なため、必然的に上限があります。


②②’とも神経の遮断が先行するため、筋肉が萎縮するには少しタイムラグがあります。(神経が遮断されても、筋肉がいきなり萎縮するわけではありません。)

③の方法にあたるのが『TCR』です。

TCRは、Temperature Controlled Radio Frequencyの略で、この意味自体には、下腿痩身の意味はありません。直訳すれば、「温度管理下の高周波」という意味で、先端以外絶縁された針を使用し、先端での温度管理が可能であるため、先端周囲を設定した温度まで加熱するという事です。つまり、目的の箇所だけを熱凝固することが可能です。


神経遮断による二次的萎縮を待つわけではなく、直接筋肉を凝固させるため最終的な形態をイメージしながら結果を出す事が可能な方法といえます。!!


ガーン欠点としては、『NICR』と同様、再度筋肉ができてくる可能性と一時的な知覚障害の可能性は避けれないとおもいます。


 今回は、先日行ったOさんのご厚意で ''同じように悩んでる方へ提案して欲しい'' との温かいお声をいただき、提示させていただきます。


モニター様ではございません。。かお Oさん、ありがとうございます。 かお


術前・術後10日


つまさき立ちでの『プリッ』感が軽減しています。ニコニコ

まだ、術後10日目のため、やや挙上に痛々しさが見えますが、術後の腫脹を考慮しても十分効果が得られているかと思われます。

Oさん!無理言ってつま先立ちしていただきありがとうございます。目


術後腫脹も時間とともに軽減していくことでしょう。

現在日常歩行に問題なく(当然筋肉を鍛えるようなことは控えていただいておりますが、)、術後早期のため、ふくらはぎの皮膚にやや違和感あるとのことですが、それ以外特別な症状は全くないとのことです。 。順調ですねニコニコ。。


この『TCR』の手術方法ですが、

手術は、基本的に静脈麻酔下で、局所麻酔散布後に


 先端を引きつつ丁寧に熱凝固しています


このように、両側2か所から前述の針をし刺入し、熱凝固を行います。当然気になるところを重点的に行います。


ビックリマーク筋肉の層構造をおよび神経の走行を解剖学的に理解して、筋肉以外にできるだけダメージを与えないように丁寧に施術することと本人さんが気にされているところは、しっかり凝固させることがポイントと思っています。ビックリマーク


 術後の経過ですが、術直後は、ふくらはぎにこむら返りのような痛みがありますが、静脈麻酔の影響ですこし、ぼぉ~っとされる方がほとんどですので目が覚めるまで一休みしていただいてから帰宅していただきます。

 

 痛みに関しては、筋肉を触っていますので、まったく痛くないということはありませんが、鎮痛薬の内服で、皆さん歩行可能です。ふくらはぎが伸びると痛みがあるので、正面ではなく、すこし横方向にすり足で歩くと楽な様です。。かに座。。Oさんも少し斜め向きで帰れられました。

 個人差はありますが、術後数日は、なんとなくつづきます。

 

 かお Oさんに、術後10日目にお会いした時は、普通に歩かれていました。 かお




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