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takacciの「見た・観た・聴いた・読んだ」

音楽に関すること、観たこと、読んだことへの感想などを書いていきます。(文中敬称略) 2019年4月より別サイトで掲載していた写真の記事も同居させましたが、20年7月に元に戻しました。

本ブログの無断転載はお断り致します。

日時: 2022年11月6日(日)13:30

場所: 東京芸術劇場

曲目: シャブリエ 狂詩曲「スペイン」

    交響詩「ローマの松」

    デュリュフレ 「レクイエム」

指揮: 三石精一

独唱: メゾ石田滉 バリトン黒田裕貴

 

入場時案内の方に聞いたところ、輔仁会はほじんかいと読むそうだ。

独唱者の滉の字は手書き漢字辞典からようやく見付け出せた。もうひと方の裕の字は正しくはこの旧字であり、コード入力しない限り表示させることが出来ない字だった。音楽には無関係のことであり恐縮ながら、短時間のうちに次々と読めない漢字に当たって戸惑った。

 

引き続き音楽とは関係ないことながら、プログラム上の(かなり昔から指導に携わっていたと思われる)指揮者のあいさつの中に、「初めてのオーケストラ練習の時に・・・。何しろ、一言注意するたびに『ハイ!』と全員が大きな声で返事をしてくれるので大いに面食らったものです。」とのくだりがあった。そういう受け答えをする根性系の運動部があることは知っていたけれども、オケでそれをやるかな、しかし如何にもやりそうな学校だな、などと感じていると、今度は隣りの指定席の方が「隣りに失礼いたします。」と私に挨拶してから着席。こりゃあ随分特殊な学風。私は異世界の中に入ってきてしまったようであった。

 

さて、開演時間となるとオケの入場後合唱団もぞろぞろと入ってきた。あれっ、シャブリエの曲に合唱の入るところあったっけ?と思う。 すると始まったのは(たぶん)校歌だった。校歌を披露してから演奏会を始める学生オケは他にもあるから驚きはしないが、入場でぞろぞろ、退場でぞろぞろ。退場するまでに開演から10分以上を費やしていたのにはもったいない気がした。

 

ながながと音楽以外のことばかり連ねたが、演奏は如何にも老練な指揮者、外枠がきっちりとはめられており聴き易かった印象だ。問題は音量。シャブリエは細部が良く聞こえなかったし、大音響が特徴のレスピーギであっても私の居る後方座席ではあまり音が届いてこなかったこと。デュルフレもしかりだった。会場の反響のせいだろうと思っていたのだが、後日同じホールで聴いた音楽大学オーケストラの時はビシビシ聞こえたのだから、音量不足と考えるのが当たっていたようだ。オケの力量なのか指揮者の見込み違いなのかは私には分からない。

 

 

日時: 2023年1月14日(土)14:00

場所: 三鷹市公会堂光のホール

曲目: 水上の音楽、レオノーレ第三番、「田園」

指揮: 飯塚正己

 

今回はこれまでに聴かせて頂いたソナーレの演奏の中では芳しくない出来の演奏だった。特に木管が苦しく、長いパッセージになると指が回らなくなったり息が苦しくなってテンポを崩したり。弦楽も声部の縦の線が揃わなくなって崩壊寸前になること少なくとも三度。あたかも現実空間に次元のひび割れが生じ、空間が崩れていく直前のような。

そんな中、「田園」最終楽章の象徴的なホルンが素晴らしい演奏でうっとり。しかしこの日に関しては「終わり良ければすべて良し」とは言えそうもない。

 

思うに新型コロナ以降は、以前あれだけレベルの高かったアマオケ演奏会の出来の平均点がだいぶ下がっているのではないか。合奏練習が不足している? こちらはごく日常的な音楽体験として気長に通い続けさせていただくつもりであり、今後の上昇カーブを楽しみにいたしております。演奏会場以上に音楽に集中して楽しめる場は無いのであって、よりどりみどり状態の演奏会の中から直前にふらっと選んで聴きに行く「贅沢」の中身の質が、以前のように高くなるのを待ち焦がれるばかりです。

日時: 2023年1月8日(日)14:00

場所: 豊島区立芸術文化劇場(東京建物Brillia Hall)

曲目: ベートーベン7、武満徹・系図‐若い人のための音楽詩、バレエ組曲「火の鳥」(1919年版)

指揮: 和田一樹

 

年末の演奏会で少なからず心を揺さぶられた指揮者が出演するので聴きに行った。

池袋という場所ながら初めての会場だった。入場すると中ホールというほどの規模の空間であり、舞台に並ぶ椅子の多さからすると客席には相当大きな音が聞こえてくるのではないか、と想像した。しかし会場の音響は極めてデッドであり、むしろ音が痩せて聞こえるホールだった。どうしても大音響になってしまう楽団が演奏会をやるには丁度良いのかもしれない。

 

武満作品はどんな曲なのか知らずに行ったのだけど、ベートーベンの7番と「火の鳥」をやる上に武満だなんて大変なんじゃない?、本当にできるのかなあ、というのが素直な事前の印象。しかしどれもなかなか聴かせる演奏だった。

武満の曲のテキストは谷川俊太郎の詩集「はだか」から取られているそうで、一人の語り手が六つの詩を続けて読むところを、今回は都立千早高等演劇部の6人の女子が一つずつ読んだ。思いがけず演劇的要素のある舞台を見られて楽しかった。しかし武満の曲が良く演奏されたのかどうかは、私には恥ずかしながら分からなかった。

 

もう少し音楽面の感想を書きたいところなのだけど、やはり会場の音響の印象のほうが先に立ってしまう。舞台手前の弦楽器群はまあまあ聞こえるのだけど、奥の管楽器・打楽器の音が痩せてしまって、、、

日時: 2023年2月4日(土)14:00

場所: サンパール荒川

曲目: ブラームス第3番、ニールセン第1番

指揮: 室賀元一

 

ブラームスの交響曲を演奏するのにバイオリンが6+7ではどうなるのかな、というのがプログラム掲載のメンバー表を拝見してまず思ったこと。演奏を聴いていると、いくら少なくても6人の精鋭が奏でるのであればもっと聞こえてきても良いのではないか、と感じた。管楽器群が大きな音を出し過ぎていたとは思えなかった。弦の響きが薄過ぎるのである。全合奏の場面では当然のように第1バイオリンの旋律は聞こえなかった。第2バイオリンもビオラも同様。第3楽章のチェロのパートソロはだいぶ頑張っていたがもう一つというところ。

木管にも余裕はなくて、クラリネット、フルートは音色に響きがなく、木管全般的に運指も一杯いっぱいに思えた。相対的に考えると2曲目のホルンのトップをはじめとする金管群が一番安定していた。

しかし、逆に他のアマオケだとてんでのバラバラになってしまいがちなブラームス特有のメロディーラインが、何とか守られていたことは驚異的だと思える。相当に演奏をダメにしてしまわないための勘どころを押さえているのだろう。

 

ニールセンで思ったのは前ステージとホルンのトップが替わり安定して、これが全体の下支えになったかのように思えたこと。でもそうは言えども、途中でしばらく聴く意識が薄れ、そこからは良いとも何とも思わず最後まで行った。これは面白みのない曲なのかもしれない。

アンコールはハンガリー舞曲第6番。これがこの日の中では一番安心して聞いていられた。思うに、演奏会の半分くらいは自分たちのレベルに見合った曲を選曲したらどうだろうか。前回のシンフォニアタプカーラが簡単な曲なのかどうかは知らねども、前回のあの高揚はどこから生まれてきたのだろうか。まぐれだったのか。それとも今回は上手なメンバーが来れなかったのか。

今回は指揮者も疲れ気味に映ったし、ちょいと贔屓楽団の前途を神社仏閣に祈らねばならないかも。

日時: 2022年11月26日(土)13:30

場所: タワーホール船堀大ホール

曲目: モーツアルト4、「未完成」、ブラームス4

指揮: 高畠浩

 

室内オケ(たぶん人数が少ない楽団)がブラームスの4番をやるというのを見付けて興味が湧き出掛けた。小さい編成だから音も小さいだろうと思い、珍しくホールの中央より前の列に着席。

モーツアルトの4番は9歳の時の作品とのことで小さな作品。いつ展開部に入るのかな、などと思っているとすぐにその楽章は終わってしまい、同様に曲全体もすぐ終わった。弦楽合奏と少しの管楽器による編成だったが、まだ第一バイオリンが温まらない感じで、他の弦楽器や管楽器に隠れがちだった。

未完成はぐっと参加管楽器が増え、モーツアルトの時以上に第一バイオリンが聞こえにくくなった。せっかく主旋律を綺麗に奏でているのに勿体ない。フォルテの全合奏時は金管が強すぎてバランス悪く感じた。しかしコントラバス・チェロによる冒頭の、例の、絶対印象的テーマはよく揃って決まっていて、これが何回も何回も繰り返されぐっと来た。

思っていたよりも音量の大きさが気になったので、ブラームス4の時には席を最後列に移動。しかし、金管があんなに強く吹くのではブラームスは期待できないのではないか、との想いも頭をよぎった。始まってみると席の移動は大正解で、金管の音圧はだいぶ下がって聞こえ、どういう訳か分からないが主旋律の聞こえも良くなったように思えた。

 

日時: 2022年11月23日(水・祝)15:00

場所: ミューザ川崎

オケ1: 昭和音楽大学管弦楽団

  曲目: ブラームス2

  指揮: 梅田俊明

オケ2: 洗足学園音楽大学管弦楽団

  曲目: ブラームス1

  指揮: 秋山和慶

 

 

音楽大学フェスティバルでブラームス2番を昭和音楽大・指揮梅田俊明、と1番、洗足学園音楽大・指揮秋山和慶で聴く。どちらもきちんとした演奏で、レベルの高さがはっきりくっきりと分かった。特に昭和音楽大のほうがクライマックスの盛り上がりが心地よかった。洗足のほうは最初から素晴らしい音のバランスで、演奏が続いてもアンサンブルが崩れないのは凄い。

 

さすがに大曲の揃い踏みは聴いているのが疲れ、1番の終楽章はぼんやりしてしまい、勿体なかった。

 

 

日時: 2022年11月19日(土)13:30

場所: ミューザ川崎

曲目: 久石譲・シネマノスタルジア、ハウルの動く城 伊福部昭・管弦楽のための「日本組曲」

    ブラームス4

指揮: 酒井敦

 

久石譲はかなり楽しめたが、テレビで流されたパリでのコンサートほどではなかった。伊福部昭の管弦楽のための「日本組曲」は最初から最後まで自分の感性にぴったりハマって大感激。この日の曲目の中で一番期待していなかったので、嬉しい大誤算となった。ブラームス4は大編成によるボリュームたっぷりの演奏ながら、この作曲家特有のテクスチャを紡ぎ織りなすに至らず。しかし演奏に破綻が出なかったのはこの楽団の楽団員が持つ高いポテンシャルの証明だったろう。

日時: 2022年12月17日(土)19:00

会場: めぐろパーシモンホール

曲目: モーツアルト「パリ」、チャイコフスキー5

指揮: 原田幸一郎

 

二曲とも隅々まで神経が行き届いていて、整った素晴らしい演奏を楽しむことができた。一流の合奏演奏者であった指揮者とその仲間が合奏の要点を若い演奏家たちに行き渡らせ、一緒に素晴らしい音楽表現を実現している、という感想を今回は特に感じた。このコンビの演奏でいつも感じることだが、メロディーラインの特に後半の閉じ方、終わらせ方が丁寧である点も安心してゆったり聴いて居られる大きな原因だろう。

 

ホールはもう何回も聴きに来ているホールだが、座った席が最後列に近かったせいか、音響がデッドと言うか、残響が少ないような気がした。それでもビシビシ聞こえてくるのだから相当な技量の高さなのだろう。

日時: 2023年2月12日(日)14:00

場所: 府中の森芸術劇場ウィーンホール

曲目: フィンガルの洞窟、ハイドン93、スコットランド

指揮: 平川範幸

 

自分のブログをチェックしたら第89回定期を船堀で聴いている。大いに楽しんだというほどではなかったように書いてあるからそんなに期待せず、しかし曲目がほかの団体より好きだったので府中に遠征した。丁度競馬場の開催日だったので最寄り駅東府中に京王の特急が止まるというサービスのおまけ付きだった。駅からの道沿いには飲食店、コンビニ多数。たいして歩くことなく到着できた。

会場前の広場はなぜかチアリーダー姿の小学生とその母さんたちで埋まっており、自分が来たここは正しい会場だよな、とスマホの地図を見直した。会場前で記念撮影をする母子の邪魔にならぬよう小さくなって腰掛けコンビニで買った調理パンを頬張る。

初めての会場は中ホール規模で、第一バイオリン7名の楽団規模に丁度良かったのでは。観客はかなりの間隔を空けて程よく散っていたのが印象的だった。

フィンガル、スコットランドはよく同じ組み合わせで取り上げられるけどいまいちな演奏しか聴いたことが無くてどうかなと思っていた。すると始めのフィンガルは薄めの響きながらバランスが良く聴きやすくてびっくり。ひさしぶりにこの曲を楽しめた。ハイドン93はイギリスにまつわる音楽として一緒に演奏されたらしいけど、これがこの日の一番気に入った演奏になった。やはりバランスが結構良いのである。ロマンスグレーの紳士が団員の半分近くおられ、勘どころをよくご存じというところか。もっとパート間のリズムの違いなどを強調して掛け合いの良さを発揮したらより私好みの演奏になったのだろうが、結構玄人受けする方向性の演奏だったかもしれない。

スコットランドはこちらの集中力が切れたのか、前ステージで感じたような聴きやすさ、分かりやすさが影を潜め、長く感じたのは残念だった。

日時: 2023年2月18日(土)14:00

場所: かつしかシンフォニーヒルズ

曲目: 魔弾の射手序曲、ベートーベン2、ブラームス3

指揮: 高山健児

 

今回でこの楽団を聴くのは3回目か4回目。

前半のステージで二曲、後半がブラームス3番だった。

どちらも響きの厚い、腕利きの奏者が集まった楽団だなと改めて思った。

 

魔弾の射手序曲は大好きな曲であり「聴き分ける耳を持たない」状態なので、大いに楽しんで聴かせていただいた。ただ、コーダの盛り上がりがごちゃごちゃしていていまいち乗れなかった、という気もした。

 

ベートーベンの第2番は意外にも表現に変化が感じられなくて、何回も自分がいま何処で聴いているのか分からない状態(夢見心地)となった。気が付くたびに「あっ、今は目の前で演奏しているんだった。」と、なぜかちょいと極まりの悪い気持にもなった。

 

この調子だと難しいブラームスの演奏は期待できないだろう、と予測して聴いた後半のステージは、これがさにあらず気合の入った、有機的な、安定した演奏が聞こえてきたので大いに嬉しくなった。ブラームスの交響曲って本当に合奏力がないと様にならない難物ではないだろうか、アマオケにとってではあるが。持つ力量を遺憾なく発揮して頂けたのは何とも有難いことだった。集中して聴けたおかげで、この曲の魅力を新たに何点か見出すことも出来た。今後この曲を聴くときにその部分を思い出せたらいいな、と思う。