9月17日(月祝)、かつしかシンフォニーヒルズモーツァルトホールにて
指揮: 吉川武典
曲目: ブラームス交響曲第3番、ベートーベン交響曲第7番
ついにかつしかシンフォニーヒルズの中に入ることが叶った。モーツァルトホールは小規模オーケストラが公演を行うのに良さそう。1300人強を収容できるそうだ。今回は青砥から歩いたのだが、下町の普通の住宅街にいきなり大きな建造物が聳えている、という感じの唐突さがあった。
ブロカートという耳慣れない言葉、プログラムによるとドイツ語で「錦」を意味するそうだ。この楽団の母体、電機大学が在った場所が錦町だから付けた名前とのこと。そんなら錦町フィルでも良かったのに。
ブラームスの3番が始まると、フレーズの最後まできちんと丁寧に演奏する姿勢に強く惹かれた。実はこの曲、あまり好きでないブラームスの交響曲の中でも一番苦手な曲だった。なんか聴いていると悲しく寂しくなってくる。そしていたたまれなくなって聴くのを止める。ということで殆ど聴くことの無い曲になっていた。若いころは、自分にもいつかこういう曲を良いと思える時期が来るのだろうか、と思っていたものだ。それがこの日はこの曲を楽しんでいた。(年取ったか!) 映画音楽に使われたことのある第3楽章では、それまでの楽章と全く雰囲気が変わり、純然たるムード音楽、或いは感傷的な場面に流れる映画音楽のように、今本当にブラームスの交響曲を演奏しているのか、と思うほどリラックスして楽しんでしまった。
この前々日には別の演奏会でブラームスの第2番聴いて感銘を受けた。そしてこの日はそれにも増してブラームスに惹かれた。何ともしっかりした楽団、素晴らしい統率力の指揮者だ。指揮者はN響トロンボーン奏者の吉川武典氏。そしてプログラムのトレーナー陣を見るとびっくり。何と15名の「パートトレーナー」のほぼ全員がN響の方々だ。豪華なコーチ陣である。しかし逆に、しろうとでも長年こういう方々に鍛えてもらうとここまで来れるものなのか、と感心しきりにもなった。但し、その中で気になったことが一つ。第一バイオリンで、メンバーの2/3近くが賛助出演だったことだ。これが何を意味しているのか、、、、
濃厚なブラームスを堪能した後のベートーベン7番は残念ながら楽しめなかった。ブラームスと演奏順を交換したらどう聞こえたのだろうか、と思うのだけど、演奏する方から考えると7番の方が重みがあったのだろう。
因みに、私はベートーベンの交響曲が好きながら、7番は繰り返しのしつこさが我慢できなくて苦手にしている。この日この演奏会に出掛けた主な動機は、「ベートーベン7番を好きにならせてもらうような演奏に出会えるかもしれない。」と思ったことだったのだ。私のこの目論見は外れ、逆に、期待外だったブラームスで大いに目を開かされて大喜び、という結果になったのである。