日時: 2019年10月5日13:30
場所: 練馬文化センター
指揮: 清水醍輝
曲目: スラブ行進曲、エニグマ変奏曲、ドボルザーク8
半世紀近く間を空けてついにこの楽団の演奏に再会したのである。
その半世紀近く前、私が所属した合唱団は当時の同名のオーケストラと共演してレクイエムを演奏した。
合唱団のある先輩は私に「押さえる場所を押さえればその音程が出るように出来ている楽器を使っているのに、なぜああいう音しか出ないのか」と呟いたものだ。当時フルートを習っていた私には押さえるところを押さえたって思うような音程は出せないことが身に染みていたけれど、先輩にそう言われる前にすでに、確かに正しい音程でないことは明らかだった。概ねそれらしき音が出ていたのだと思う。
時は飛んで今から数年前、その合唱団の後輩から、オケの友人から当時聞いた話としてこんな話を聞かされた。オケ側では「自分の声で歌うだけなのに、何であんなに下手なのだろう。」と話していたそうだ。それを聞いた(現代と同じような立場の)指揮者は「それと同じことを合唱団だって思っているはずだよ。」と言ったそうだ。
両方の感想は正しかったのであり、そういう時代だったのである。それだからこそ、私は今のアマオケの演奏力に感嘆し演奏会に通い続けるようになった。
さあて、あの楽団のこの時代の後輩たちはどんな演奏をするのか。実はこれまであまり聴きに行く気が起きなかったし、曲目が良さそうな時でも演奏会場がとても遠いのが普通だったので、疎遠な存在でしかなかった。それが今回練馬でやるということで私の行動範囲内。演目もエニグマ以外分かり易そう。ついに聴きに行く日が訪れたのであります。
舞台に現れたのは押しも押されぬ堂々たる陣容のフルオーケストラだった。あの当時はこの三分の一も居なかったでしょう!。プログラム冊子には豪華トレーナー陣が紹介されており、これで今様の上手な演奏が聴けそうだとこの時点で分かった気分になった。そして演奏はその予感に沿ったものだった。時代は変わったのである。
スラブ行進曲は生でオケラを聴き始めた頃からのお気に入り。同じような旋律が出てくる1812年はあまりに説明的で、まるでベートーベンの戦争交響曲の二番煎じみたい。こちらの方が楽しめるから好きなのである。演奏も楽しかった。
エニグマは聴く回数が蓄積してきたおかげで、以前ほど「長いなー」と思わずに聴けた。今回の演奏ではティンパニーの活躍に惹かれた。
ドボ8は自宅で聴くことは滅多になく、専らアマオケの生演奏でだけ聴いている。自ら考察するに、生の緊張感と音量が無ければこの曲は楽しめないと思っているからだと思う。今回も大いに楽しませていただいたが、この前の機会にこの曲を聴いた時の豊饒なチェロパートが耳に残っていてイマイチ感があったことを告白する。前回は前ステージで同じ作曲家の協奏曲でソロを弾いた人がチェロパートに入っていたことを思うと、あの豊かさを求めるのはお門違いかもしれない。でもヴィオラも含めてもうちょっと自発性が欲しかった。とは言っても、ゴージャスなヴァイオリン群、演奏困難であり概ねアマオケのボトルネックとなるホルン群のシュアな演奏に目を見張り、女性が主体で華麗な音色、かつ合奏上のバランスを崩さない金管群、等々に酔いしれつつ聴き終わった。ありがたいことである。
次回は4月に立川で。曲はラフマニノフ交響曲2であり、聴きたいところなのだが、やはりあまりにも遠い、、、














