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 「毎日新聞倒産への道」と並ぶ(?)、当ブログの二大シリーズと言っても過言ではない「狼は来るったら、くるの!」最新版をお届け致します。


 最近、お盆突入にも関わらず、UU数が全く減りません。某連載の影響で、新規ユーザさんが相当増えたもの思われます。


 過去の「狼は来るったら、くるの!」シリーズは以下の通りです。


■ 2010年3月2日 「狼は来るったら、来るの!」の人
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-10471509365.html
■ 2010年3月3日 続 「狼は来るったら、来るの!」の人
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-10472353317.html
■ 2010年3月27日 またまた「狼は来るったら、来るの!」の人たち
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-10492408192.html
■ 2010年5月11日 帰ってきた「狼は来るったら、来るの!」の人たち 前編
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-10531690898.html
■ 2010年5月12日 帰ってきた「狼は来るったら、来るの!」の人たち 後編
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-10532574220.html


 上記は「狼は来るったら、来るの!」と言い続けている人々を取り上げたエントリーですが、大元の大元は以下のエントリーになります。


■ 2009年11月29日 27年間蠢く魔物 前編
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-10399346394.html
■ 2009年11月30日 27年間蠢く魔物 後編
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-10400102002.html


 日本経済復活の会の講演で、わたくしが武村正義元大蔵大臣について取り上げました。すなわち、1995年の11月国会で、大蔵大臣として「財政危機宣言」を出し、現在に連なる財政破綻原理主義の「中興の祖」となった武村正義氏でございます。
 この武村氏の財政危機宣言の効果というか「被害」は、極めて甚大でした。何しろ、この「財政危機宣言」の流れを受け、96年に発足した橋本政権が緊縮財政(新規国債発行停止、消費税アップ、公共投資などの政府支出削減)を始め、現在まで続く日本のデフレ深刻化がスタートしたのです。


 ちなみに、武村氏が「財政危機宣言」を出して以降、日本政府の負債(いわゆる「国の借金!」)は二倍になりました。ところが、この期間、長期金利は上がるどころか、むしろ下がっていっています。政府が借金をすればするほど、金利が下がり、お金を借りやすくなるとは、これいかに?


【1995年武村正義元蔵相「財政危機宣言」以降の日本政府の負債】
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_24.html#Takemura


「武村正義元蔵相にお聞きしたい! 狼はいつ来るのですか!」
 などと言いたいところですが、実は「狼が来る」と言い出したのは、別に武村氏ではありません。武村氏はあくまで「中興の祖」なのです。


 日本経済復活の会における講演の後、会長の小野盛司氏が過去の報道などを調べてくれました。結果、日本の財政は、実に「28年前(1982年)」から「非常事態」であった事実が分かりませいた。


 1982年時点で「財政非常事態宣言」が発令され、時の新聞には「財政"サラ金地獄に"」という見出しが躍り、センセーショナルに財政破綻が煽り立てられました(今と変わりませんね)。

 1982年は大蔵省が国債の借り換えを(いわゆるロールオーバー)を始めた年ですが、ただそれだけで、政治家やら評論家やらマスコミやらが「破綻だ! 破綻だ!」と大騒ぎをはじめ、最終的には時の首相(鈴木善幸氏)が退陣に追い込まれてしまったわけでございます。


 国債のロールオーバー開始から、すでに三十年近くが経過したわけですが、政府の負債総額は当時の十倍にも達しています。ところが、金利は全く上がらず、日本政府は「世界で最も資金調達コストが低い組織」であり続けています。


「狼が来るぞ!(=財政破綻するぞ!) 狼が来るぞ!」
 といい続けている人々は、結局のところ「財政破綻の定義」や「自国通貨建て国債がデフォルトに至るスキーム」、それに「日本国債の金利が低い理由」などについて、まともに説明しようとしません。単に「国債バブルだっ!」などと、センセーショナルに叫び、危機を煽り立てているだけです。
 結果、日本政府はデフレギャップを埋めるための財政出動に踏み込めず、日本のデフレは深刻化し、政府の税収は減り、景気悪化に伴い支出拡大を迫られ、最終的に財政が悪化する悪循環を続けています。


 と言うわけで、本日の「狼が来るぞ!」の人。(情報提供NO様)


『2010年8月10日 日本経済新聞夕刊  『十字路 「PIIGSにJが加わる日 」』
経済規模に比べて大きな財政赤字(国債発行額)を抱え、その国債の多くを海外諸国に購入してもらい、しかも景気が悪いために財政赤字の改善もままならない国々。ユーロ圏諸国の中のこうした国の頭文字をとってPIIGSという失礼なネーミングがなされている。しかし財政状況の悪さに関して、わが国は「金メダル級」(菅首相)だ。わが国のソブリンリスクが国際金融市場で大問題にならないのはなぜなのか。
 累積赤字の大きさこそダントツだが、その95%以上が国内で消化できていることや、超低金利ゆえに利払い負担が極めて小さいことなどが主要な理由に挙げられている。そして何より、わが国の増税余地の大きさが安心材料のようだ。たとえば消費税率を10%引き上げれば(それでも欧州各国の水準よりまだ低い)、単純計算では25兆円もの増収が期待できる。一般会計の今年度の基礎的財政収支の赤字は23兆円だから、消費税率を欧州並みに近づければこの赤字を一掃できる計算だ。
 先の参議院選中、菅首相は消費税率を10%に引き上げ、増収分を社会保障費等の増額に充てる構想を語った。「強い社会保障」が経済を強くし税収の増加で「強い財政」に寄与するという考え方だ。はたして国際金融市場はその説明に納得するだろうか。
 消費税率を今の水準から5%も引き上げるのは政治的には相当困難なことだろう。しかしその虎の子の税収が財政赤字の削減に充てられないのならば、その次の税率の引き上げ分はまして赤字削減には回せないだろう。結局、消費税が15%まで引き上げられたとしても日本の財政収支は一向に改善しないことになる。
 そうした展望は、次の消費税増税後に財政収支が改善しないことが判明した時点で明らかになる。来ると言われながら一向に来ないオオカミ(国債価格の暴落)がついに来るタイミングではないか。
(三菱UFJリサーチ&コンサルティング調査部長 五十嵐 敬喜) 』


 わざわざ「来ると言われながら一向に来ないオオカミ」などというフレーズを使っているということは、ネタですか? 当ブログのエントリーのネタ希望で、こんな単語(オオカミ)使っているんですか? まあ、そんなことはないのでしょうけれども。


 この方は「狼」について定義をしているため、まだ良心的だと思いますが、自国通貨建ての国債が暴落するスキームを、是非とも説明して欲しいものでございます。しかも、世界最悪のデフレに悩み、長期金利が世界最低の日本で。


 そもそも消費税増税は、社会保障の財源目的で議論が始まった(少なくとも自民党では)にも関わらず、相変わらず財政問題とごちゃ混ぜにして、消費税増税を既成事実化しようとする動きがやみません。


 というか、この方のロジックに従うと、「消費税を上げなければ、国債は暴落しない」ということになりますね。


 おお!何と素晴らしい。




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