AB型人間 -76ページ目

『リアル』 井上雄彦

数日前の朝日新聞の広告を見て興味を持った。


「累計1100万部突破!!」というコピーには、驚いた。


井上雄彦と言えば、スラムダンク、バカボンドなど誰もが知っている漫画家であり、

スラムダンクが累計1億冊を突破した際にも、新聞主要5紙にそれぞれ異なる広告を打ち出すなど

その戦略というのも非常に巧みであると思う。

今年、出版界では村上春樹の『1q84』が100万部を突破し、改めて「村上春樹」というブランドを世に知らしめることとなったが、井上雄彦も「漫画界の村上春樹」と言える、またはそれ以上のブランド力を持っているのではないかと思う。


僕は、漫画は全く読まない。

高校までは、ギャグ漫画、スポーツ漫画を好んで読んでいたが・・・

よく漫画はためにならない、想像力を阻害するなどというが僕もそう思うようにいつのまにかなっていた。

漫画はエンターテイメントであり、そもそもそこから何かためになることを得ようと思うことも間違いなのかもしれないが・・・

大学に入ってからは、本しか読まなくなった。

本といっても僕の好みはかなり限定されていて、純文学ばかり読んでいた。(たまに興味のある分野の新書も)

「人とはどう生きるか」、アイデンティティー、自己実現といった問題を考えることが大好きなのだ。

先の広告を見て、またなぜか久しぶりに漫画を読んでみるかという思いが起こり、『リアル』を手に取ってみた。

既刊9巻あっという間に読破してしまった。


「めちゃくちゃ面白い!!」

車椅子バスケというスポーツが題材になっているが、これはもう完全に純文学であると感じた。

バスケのプロ選手を目指す野宮、車椅子バスケに奮闘する戸川、脊椎損傷という大事故から一歩ずつ前に進もうとする高橋。

1人1人の抱える悩み、心情、状況などがすごくわかりやすく表現されている。

決して恵まれない状況、選択の限られた状況の中で、夢や好きなことに向かって挑戦していく彼ら登場人物の姿には、とてもアツイものを感じた。

心から好きといえるものがなく、フラフラと日々を過ごしている自分に腹立たしくもなった。(影響されすぎだろとも思う。)

とりあえず、まだ納得は言ってないが、春に就職する会社でがむしゃらにがんばって見ようとも思わさせてくれた。

「はぁー、井上雄彦の漫画やっぱすげえなぁ。ヤンジャンで続き読もうっと。」


リアル 9 (ヤングジャンプコミックス)/井上 雄彦
¥630
Amazon.co.jp