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『代筆屋』 辻仁成

辻仁成は、僕が大好きな作家だ。

ロッカーだった頃の彼は知らない。

ロッカーから作家への転身、常にアウトローを走り続ける彼の生き様が好きなのかもしれない。

彼の小説の主人公もどこか世間から少し(いや、かなり?)外れた人たちが多い気がする。

しかし、そんな彼らの抱える悩み、葛藤などは、私たち誰もが抱える悩みや葛藤を誇大に表現したものに思える。

だからこそ、私たちはそこにある種の共感のようなものを感じる。

彼の小説に共通するテーマは、死生観、「人はどう生きるのか」といったことだ。

私の大好きなテーマだ。

それを物語と共にうまく扱っている。だから、好きなのだ。


『代筆屋』は、小説ではなくエッセイだ。

辻仁成は小説では暮らせなかったとき、手紙の代筆を生業としていたという。

そのとき、実際に書いた手紙、依頼者とのやりとりなどが書かれている。

メール全盛の今、手紙の持つ暖かさ、強さみたいなものを改めて感じる作品だった。

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