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時差トラップ*10/5

4時起床で4時半ぐらいにはホテルを出発、

朝早いので、タクシーが来るという保証がなく、前日にフロントの人にお願いしておいたおかげで

この日はスムーズにタクシーに乗ることができた。


が、ホテルの前には他にも数台タクシーがいたので

意外とリスボンの街のタクシー運転手は早起きなのかもしれない。


帰りのタクシー運転手は、到着初日のタクシー運転手と比べると雲泥の差で

とにかく親切で優しいおじさんだった。

荷物を持ってくれるその姿勢やらなにやら、目から鱗であたたかくって

ポルトガル人って、やっぱりいい人が多かったなあとしみじみ思う。

さて、料金を支払おうとすると、思いもよらず破格の値段を言われた(安いという意味で)。

しかもチップは一切拒否。

頑張っても貰ってもらえなかった。

そこで気付いた、到着初日のタクシー運転手にどれだけボラれていたかを!

おそらく4倍ぐらい、高い料金を請求されていたことに

帰る日になって気付いた私たちであった。


しかし、ポルトでほぼ無料で乗せてくれた(結果としてそうなってしまっただけなのだけれど)

あの若いタクシー運転手のお兄さんやら、この日のおじさんやらの温かさに触れると、

なんだかそれも全てしょうがないことのように思えて仕方ない。


優しいおじさんに何度もお礼を言って、空港へ。

名残惜しい気持ちを胸に沢山かかえて、

2年かかった旅行記でもなんだか語りつくせなかった思い出を蓄えて、

あっけなく、リスボンから私たちは飛び立った。

さよなら、リスボン、やさしい人たち、さまざまな思い出、

生涯忘れないシーンに何度も出会えたことに感謝したい。

さよなら、さよならリスボン、ポルトガル。


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そして一路スキポールへと飛ぶ。

再び到着したスキポール。

その近代的な建物に到着すると、なんだかさっきまでポルトガルにいたことがウソのよう。

自分の心がついていけないままに、待ち時間の4時間をどう潰すかを考える。

ヨーロッパの中でも特に大きいスキポール空港、のんびり仮眠が取れるソファも沢山置いてあって、

親切でありがたい。

朝が早かったために、ソファで飛行機を眺めながらしばし仮眠。

空腹に目が覚めたので、何を食べようかと空港内をさまよう。

なんだか妙にラーメンが食べたくなり、日本円にしたら2000円はする味噌ラーメンを食べる。

全然美味しくないけれど、妙に懐かしい。

身体が日本食を急激に欲しているのかもしれない。

ポルトガルにいるときは全然感じなかったのに。


さて、全くすることがなくなってしまい途方にくれた私たち、

お手洗いにでも暇つぶしに行こうかななんて考えていたら、

たまたま大きな時計の前に行きつく。

何気なく時間を見たら、なんと自分の時計より1時間すすんでいる!

いや、自分の時計が1時間遅れている!!!

忘れていたけれど、もちろんポルトガルとオランダの間にも時差はあるのであって、

今更そのことに気付いた!

そして出発1時間前を切っている!!!!!


その瞬間、それまでのぐうたらで夢見心地な気分は全てふっとび、

あっという間に現実の世界へ戻される!

早く搭乗口へ行かねばー!!!

かなり広いスキポール、

私たちは走る、走る、かなりの速度で走る!!!


結果としては、運が良いのかなんなのか、飛行機の出発時間が微妙に遅れていたため

私たちは誰にも迷惑をかけることなく、無事に飛行機に乗ることが出来たのだが、

この微妙な1時間の時差、

あの時計が現れなければ、私たちは日本に帰れなかっただろう。

あまりの危うさに、心臓がバクバク波打つのがわかった。


ようやく気持ちが落ち着いた頃に、スキポールから飛び立つ飛行機。

この日は日本からのツアー客が多くて、機内は満席状態、

行きと比べるとやや狭く騒がしい空間とはなっていたものの、

とにもかくにも飛行機に乗れたことだけでも十分ありがたかった。


最後の最後に、ハラハラの思い出が出来た。

喜ばしいことなのかは謎だけれど、

この旅行は本当に、色々な意味で、思い出深い。

きっと目に焼きついた、というより脳裏に焼きついたシーンたちは

この先ずっと、心の片隅で、消えることなく残っているだろうと思う。


日本へのフライト、おおよそ11時間、

帰りは行きよりも早く、なんだかあっという間で、

日本にいること自体が夢見心地なままに、それでも日は沈み日は昇り、

私たちの気持ちなんてお構いなしに、時間は規則正しく決して止まることなく進み、

気付けば約2年の月日が経っている。


ポルトガルはきっと、2年なんて月日は関係なく、

今もあのまま、可愛らしい市電や、空と海と家々の白い壁が美しいナザレや、

王妃の街オビドスや、もろもろの美しい風景を残して

きっと元気に時を刻んでいると思う。





イベリコ豚と闘牛、太陽のかたち*10/4

朝食を食べたエル・コルテ・イングレスで、

今度は夕食のイベリコ豚やビール、その他諸々を買い占めて帰路につく。

夕食は、そんなデパ地下の食品でちょっと豪華な食事を楽しんだ。

お気に入りのサグレスビールはホテルで買っても本当に安くて、

なぜかミネラルウォーターと値段が変わらない。

だったら私はサグレスがいい!

と、すっかり気に入ってしまったサグレスをごくごく。


デパ地下では、生ハム売り場が設置されており、

その場で豪快に切り分けてくれ、紙に包んで持たせてくれた。

ポルトガルといえば忘れられないオレンジの美味しさ、

当たり前のように買い占めてきた。

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これが最後と考えると、やはり全てが愛おしく、

しっかりと味わってゆっくりと楽しむ。


さて、私が泊まったホテルは、カンポ・ペケーノ駅の近くに位置するのだが、

そのカンポ・ペケーノ駅のすぐ近くには闘牛場があり、

この日は闘牛が開催されていて、ホテルの外に出ると、その賑わいが聞こえてくるほど。


部屋のテレビをつけてみたら、

なるほど闘牛の中継が流されている。

最終日に相応しく、闘牛を観戦しながら生ハムをサグレスで流し込み、

そしてオレンジをかじる。

強そうな牛、黒くてかっこいいが、やはり恐ろしい。

どうか悲惨な状況がテレビで流されることのないように、と祈る思いで観戦してしまう。

何を言っているか、解説は少しも理解できなかったが、

なんとなく雰囲気を味わえて、良い夜となった。

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さて、眠る前に明日の天気を調べておこうと、ロビーに置かれた天気予報の画面に近づく。

これまで意識したことがなかったのだが、最終日になって何か違和感があることに気付く。

ハっ!太陽にメラメラがない!

どうやらポルトガルでは太陽は丸でのみの表記のようで、

どうにも外側のメラメラした線がないことが落ち着かない。

しかしよく考えてみたら、こちらのほうが正しいようにも思う。

太陽は丸だし。



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まるでお月様のように思えてしまうけれども、

明日は晴れ、Sunny。

どうせ朝早いから、お日様なんて出ていないだろうけれど

なんとなく嬉しい気持ちになりながら、4時起きの明日に備えて早く眠りにつくことにした。


おやすみ、リスボン。

明日太陽が出る頃には、私はもうリスボンにはいないのだろう。




Boa Sorte!市電の街*10/4

サンジョルジェ城を出ると、黒集団の数が増えている。

おそらく卒業生たちが夜の街で遊ぶ準備をはじめているのだろう、と想像して

その賑やかな集団の中をくぐりぬける。

彼らはとても楽しそうで、それはポルトでも同じだったことを思い出す。

リスボンでも、ポルトでも、そしておそらく日本でも、こんな雰囲気は変わらないから、

やっぱり世界はつながっているし、肌の色や話す言葉が違うだけなのだ!と信じたい。


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石畳の街が再びオレンジ色に染まりだした頃、

私たちは、ホテルに戻る前に、最後の最後にと、すっかりおなじみとなった黄色い市電、

28番に揺られてみることにした。

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シアード駅で市電を待つ。

可愛らしい馴染みの車体がやってきた。

さすがにこの時間になると乗客も少ないみたい。

貸切状態となった市電。

最後に相応しい、素敵な時間。

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見慣れたリスボンの風景も、夜はちょっと違った雰囲気。

満足行くまであてもなく揺られる小さな旅。


お腹の虫が鳴り始め、ほどよく疲れも出始めていたので

そろそろホテルへ戻り夕食とすることに。


もちろん、最後の最後のしめくくりの食事は、

安価で美味しかったデパ地下のイベリコ豚の生ハムをメインに。

その場で切り分けてくれる生ハムを目指して、

ポルトガル初のデパートというエル・コルテ・イングレスへと向かう。


そうそう、リスボンの街を周遊するのなら、必ずオススメしたいのが

割引チケット「セッテ・コリーナシュ(7 Colinas)」。

メトロのほかに、バス、市電、ケーブルカー、サンタ・ジェスタのエレベーターに乗り放題のパス。

私はメトロの切符売り場で買おうと試みて、やり方がわからずうろたえていたら、

メトロの係員が2人、慌てて飛び出してきて、

その恐い形相に、起こられることを覚悟していたのだけれど、

顔だけ愛想悪く、しかしながらとても優しく、うろたえる私が割り引きチケットを買うまで

それはそれは丁寧に手助けしてくれて、

ポルトガル人の優しさに心をうたれたことを思い出す。


ただの厚紙なのに、中にはICチップが入っているようで

チャージすれば何度でも使用可能。

1日€3.35で交通機関が乗り放題なのはとても助かった。


東京もここまで観光客に親切だといいのに、と思う。

が、思うよりはまず行動、ということで

だんなサマは、このポルトガル旅行が終わってからすぐに

スペイン人に道案内をしていた。

旅先で受けた恩は、東京に遊びに来た海外の人に返そうと思う。


Boa Sorte!(Good Luck!)、かわいい市電。