土地台帳と登記簿の一元化について。 | 登記を、もっと、わかりやすく。

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ふだんなじみのない登記簿について、できるだけ、わかりやすく説明させていただきます。わかりにくいところは、遠慮なく質問してください。よろしくお願いします。

大事なことに触れてませんでした。

 

 

土地台帳って、大事ですね。

 

長くなりそうなんですけど、

 

説明させていただきます。

 

 

土地台帳とは何か。

 

明治22年法律第13号

 

「地券ヲ廃シ土地台帳記名者ヨリ

 

 地租ヲ徴収ス」という法律により、

 

土地台帳に登録された人から

 

地租(今の固定資産税)を

 

徴収することになりました。

 

それまでは、土地の所有者に

 

「地券」というものを交付して、

 

地租(今の固定資産税)を

 

納めさせていたわけですが、

 

土地台帳という台帳に登録して

 

管理することにしたのです。

 

今で言う「固定資産税課税台帳」

 

みたいなものです。

 

なので、土地台帳の管理は、

 

税務署が行っていました。

 

 

ところが、

 

昭和25年、税制改革により

 

固定資産税が市町村税となったので、

 

土地台帳は課税台帳ではなくなり、

 

土地の現況を表示する台帳となり、

 

法務局の所管になりました。

 

 

法務局は、昭和24年に設置され、

 

裁判所が行っていた登記事務を

 

受け継いでいました。

 

昭和25年以降は、土地台帳の処理と

 

登記簿の処理の両方を

 

することになったのです。

 

 

そして、土地台帳と登記簿と、

 

土地に関する帳簿を2つ受け継いだ

 

法務局は、その2つの帳簿を

 

1つにまとめます。

 

これが、

 

土地台帳と登記簿の一元化です。

 

 

一元化により、

 

土地台帳と家屋台帳は廃止され、

 

家屋台帳は廃棄。

 

土地台帳は「旧土地台帳」として

 

保管されることになります。

 

 

ということで、「旧土地台帳」は、

 

登記簿ではありません。

 

登記簿と土地台帳は別のものです。

 

 

ただ、一元化よりも前には、

 

登記簿は、所有権登記がされた

 

ものだけにあり、

 

すべての土地にあるわけでは

 

なかったので、

 

登記がなかった土地については、

 

一元化の時に初めて

 

登記簿が作成されました。

 

 

なので、一元化の時に

 

登記がなかった土地については、

 

登記簿よりも古い資料、ということに

 

なります。

 

 

少しややこしいですね。

 

 

土地台帳は、地番のついた

 

すべての土地が記載され、

 

地番順に綴られていた。

 

登記簿は、所有権登記の順番に

 

登記がされ、登記番号順に

 

綴られていた。

 

所有権登記がされてない土地に

 

ついては登記簿はなかった。

 

 

昭和25年に土地台帳が

 

法務局の所管になり、

 

昭和26年に登記簿も地番順に並べ

 

バインダーに綴り替えた。

 

そして、昭和35年の

 

不動産登記法により、

 

登記簿と土地台帳を1つの帳簿にした。

 

 

一元化の時に、

 

それまで登記簿がなかった土地についても

 

登記簿が作られた、という流れです。