「バインダー化ってそんなに重要なの?」
「そうだな。
革命と言っても言い過ぎじゃない」
「言い過ぎだよ。
ただ、ノートのような登記簿に
登記事項を記載していた大福帳式を、
登記用紙を綴じていくバインダー式に
変更しただけだろ」
「甘いな~。
バインダー化による登記簿の変化は、
大きく分けて4つある」
「4つも?何?」
「1.登記簿が登記番号順ではなくて、
地番順に並ぶことになった」
「...それはそうだね」
「これにより、今までは見出し帳を見て、
何番の土地の登記番号は何番だから、
と登記番号を調べて登記簿を探していたのが、
直接、地番で登記簿を探せるようになった」
「なるほど。
見出し帳がいらなくなったんだ」
「そういうこと。
見出し帳は廃止された」
「次は?」
「2.閉鎖登記簿ができた」
「どういうこと?
それまでも合筆したら閉鎖してたでしょ」
「バインダー化前までは、
登記番号順に記載された登記簿は
つづられたノートのようなもので、
登記簿が閉鎖されても
そこだけ抜き取って
別綴りにするということはなかった」
「あ、そっか」
「それが、バインダー化によって、
簡単に閉鎖登記用紙だけを抜き取って
別綴りにできるようになったので、
閉鎖された登記用紙は
閉鎖登記簿のバインダーに
つづられることになった」
「なるほどね~。
じゃ、3つめは?」
「3.登記簿目録ができた」
「何、それ?」
「それまでは大福帳だったので、
登記簿の抜き取りができなかった。
でも、バインダーになると
簡単に抜き取りができるので、
抜き取られてもすぐにわかるように
その登記簿に何番の登記簿が
いつつづられたか、を記録する
目録を登記簿の初めにつづったんだ」
「へ~」
「これにより、何番の登記用紙が
いつつづられたか、いつ閉鎖されたか
そして、何番の登記用紙が入っているか
が一目でわかるようになった」
「なるほど。便利だね」
「そして、4つめは、
表題部、甲区、乙区が別用紙になった」
「もともとはくっついてたの?」
「そう。
最初の登記用紙は、表題部、甲区、乙区、
丙区、丁区、戊区が、3枚の用紙に
つながって印刷されて1セットになってた」
「あ~、なんかわかるような気がする。
表題部の裏に甲区、その次に乙区、
という感じね」
「そうそう。
その後、表題部、甲区、乙区に整理され
たんだけど、なぜか表題部の裏は
甲区のままだったんだ」
「それが、バインダー化の時に、
別々の用紙になった、と」
「そう。
バインダーになって、自由に
用紙を追加できるようになったので
表題部の裏が甲区だと
使い勝手が悪いんだよね」
「なるほどね。
バインダー化でいろいろ変わったんだね」
「そういうjこと。
それが、昭和26年の不動産登記法の
改正ね。
で、次は、いよいよ、
土地台帳と登記簿の一元化の話だ」