「一元化、ってどういうことか、簡単に説明してみて」 | 登記を、もっと、わかりやすく。

登記を、もっと、わかりやすく。

ふだんなじみのない登記簿について、できるだけ、わかりやすく説明させていただきます。わかりにくいところは、遠慮なく質問してください。よろしくお願いします。

(前回のおはなし)

 

 

 

「一元化、ってどういうことか、

 

 簡単に説明してみて」

 

「一元化...。

 

 土地台帳と登記簿の一元化、

 

 だよね」

 

「そう」

 

「土地台帳や家屋台帳の登録事項を

 

 新しい表題部の登記用紙に記載して、

 

 登記簿の先頭に編綴したこと」

 

「なるほど、シンプルだね。

 

 じゃ、一元化で変わったことは?」

 

「それまでは土地や建物の表示に

 

 関する申請は、土地台帳法に基づいて

 

 していたけれども、一元化により、

 

 表示に関する登記として

 

 処理されることとなった」

 

「ふむ」

 

「表示に関する登記を処理するため、

 

 法務局に地図を備え付けることとした。

 

 分筆などの際に提出される測量図は

 

 土地図面綴り込み帳に

 

 綴られることになった」

 

「そうだね。

 

 それまでは測量図は

 

 分筆申告書と一緒に廃棄されてたからね」

 

「昭和35年の不動産登記法改正で

 

 表示に関する登記が始まった、

 

 ということは、表示に関する登記が

 

 始まって、まだ50年ちょっとしか

 

 経ってない、ということなんだよね」

 

「そうだな~。

 

 まだまだ50年か...。

 

 長いとみるか、短いとみるか」

 

「表示に関する登記が始まった、

 

 以外に何か変化はあるかな?」

 

「表題部の様式が変わった」

 

「あ~、そうだね。

 

 土地台帳の様式に準じた

 

 様式になってるね」

 

「一元化って、そんなもんかな...」

 

「もっと大変革だと思ったのにね」

 

「法務局の手続きとしては、

 

 土地台帳と登記簿の二重の処理が

 

 解消されて、手続きが一本化

 

 されたのは大きいと思うよ」

 

「ま、明治時代から続いてた土地台帳

 

 というしくみがなくなったというだけで

 

 大変革ということだね」

 

「そうだね。

 

 その後、土地台帳は保管され続けるけど、

 

 家屋台帳は廃棄されてしまうからね」

 

「なんでとっておかなかったんだろ?」

 

「保管や管理が大変だからじゃないかな。

 

 今だったら絶対捨てられないと思うけど」

 

「そうだね」

 

「あ、大事なことを忘れてた」

 

「何?」

 

「一元化の作業は、すべての土地建物に

 

 新しい表題部を作成しないといけないので

 

 膨大な作業になる。

 

 だから、登記所ごとに一元化の期日を

 

 指定して、その日に合わせて準備が

 

 されてるんだ」

 

「コンピュータ化みたいに、一元化の日が

 

 各登記所で違う、っていうことね」

 

「そう。

 

 そして、実際に一元化されるのは

 

 先なんだけど、一元化されるのは

 

 確定してるので、不動産登記法改正以降は、

 

 新しい表題部の用紙を

 

 土地台帳の用紙として使用しているんだ」

 

「どうせ土地台帳の内容を

 

 新しい表題部の用紙に移記しないと

 

 いけないからね」

 

「そう。

 

 ただ、その新しい表題部の用紙を

 

 一元化の時にそのまま

 

 登記簿に綴ってもいいし、

 

 それは土地台帳にそのまま綴って

 

 別に新しい表題部を作ってもいい、

 

 とされてる」

 

「だから、土地台帳に新しい表題部の

 

 登記用紙がはさまってることが

 

 あるんだね」

 

「逆に、不動産登記法改正以降の

 

 土地台帳の用紙は、そのまま

 

 新しい表題部として使われてたら

 

 土地台帳からは除却されてる、

 

 ということになる」

 

「なるほど。

 

 それで一元化前の分筆でできてるのに、

 

 土地台帳がない、ということが

 

 あるわけね」

 

「あと、一元化前に登記された建物で、

 

 新築日付が記載されていたりするのは

 

 家屋台帳から移記したんじゃなくて、

 

 家屋台帳に、新しい表題部の登記用紙で

 

 新しい記載例で記載されてた、ってこと」

 

「なるほどね~」

 

「一元化はこのくらいでいいかな」

 

「次は、メートル法改正、かな」

 

「そこ、飛ばさないの?」

 

 

(つづく)