『あの人の最期の言葉を──生きる支えにしたいのです』
彼女は小声で言った。
Ride the snake, ride the snake
To the lake, the ancient lake, baby
The snake, he’s long, seven miles
Ride the snake
てっきり河のことだと思っていた、... 否、そのあとで「長々と伸びた巨大な蛇に似ていた」とはあるけれど、
「今俺はうんと古い時代のことを考えていた。ローマ人が初めてこの土地へやってきた千九百年前のこと──それはついこのあいだのことだが・・・・・・それ以来、この河からは光が出発していった──光(ライト)じゃなくて騎士(ナイト)たちだろうって? そのとおり。でもそれは燎原の火のような、雲の中でひらめく稲光のようなものだった。
あぁ... もっとはやく読めばよかった、当たり前のことだった、ジムもやはり読んでいたんだなぁ、、
蛇とは河面に蛇行するこの光のことでもある...
Heart of Darkness / J.Conrad
ん? ダークネス?? と、S&Gの曲もふとあたまをよぎり、、
The Sounds of Silence /
訳者あとがきの訳すにあたって気を付けたことや漱石を引き合いに出されていたところなどもいいなと
加えて
光文社の古典新訳文庫がお気に入りということで
こちらをチョイス✨
あの河をさかのぼるのは、世界の一番初めの時代へ戻るのに似ていた。地上で植物が氾濫し、巨大な樹木が王者として君臨していた時代のことだ。がらんと広い河面、大いなる沈黙、入り込めそうにない密林。大気は熱く、ねっとりと濃く、重く、澱んでいた。
そして、闇の奥 へ...
闇の奥 / J.コンラッド
The horror! The horror!
F.F.コッポラの映画では「恐怖だ、恐怖だ」と当てられていたかな、だから本書の訳もそれに似たかたちのようだから尚良し✨
これまで観てきた映画の中で二番目に好きな映画、圧倒的な映画体験であった「地獄の黙示録」の原作ということで、いつか読みたいと思っていて、そして、ようやくにして 今 かなと◎
天が頭の上に落ちてくるような気がした。だが、何も起きなかった。この程度の嘘で天が落ちてくることはないのだ。もし公正を期して、クルツの最期の言葉を正直に伝えていたら、天は落ちてきただろうか。
「ただ公正な扱いを求め」たにすぎないクルツ、その真実を「告げること」が出来なかったマーロウ、、
クルツの闇を闇として描いた「地獄の黙示録」とは異なる本原作のラストは、やや焦点のぼやけた印象にも受けとれるが、、闇とは、そのマーロウの嘘 (迷い) をふくめての人のこころの奥に巣食う 闇 なのかもしれないなぁ...
@シャーロック・ホームズ
追記
それよりも、最後まで悩んだのは、何といっても wilderness (ウィルダネス) の訳語だ。
「訳者あとがき」より
ほー、... ひょっとしてこの語が、コッポラのなかで「地獄の黙示録」と「ジ・エンド」を結び付けたのかもしれない?
それ以前に、コッポラとジムに面識があったかどうかはよく知らないけれど、学年違いで同じ大学に通ってたんだよね
Lost in a Roman wilderness of pain
And all the children are insane
All the children are insane
Waiting for the summer rain, yeah
The End / The Doors
苦痛に満ちたローマ帝国の遺影
そこでは、すべての子らは正気を失う
神の子たる我々は正気を失ってゆく
灼熱の太陽のもと、狂気の雨に打たれるのを待ちつづけている、、
意訳byカーツ
『彼が最期に口にした言葉は──あなたのお名前でした』
The End / The Doors
@参道テラス