魔術の殺人 / A.クリスティ | カーツの歴史散策&御朱印作庭  庭は眺めるものではなく、       出てみるものなのだ、、

カーツの歴史散策&御朱印作庭  庭は眺めるものではなく、       出てみるものなのだ、、

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電光影裏斬春風

知っているようで知らない歴史の裏側をそっと、

御朱印帳をたずさえぶらり、ふらり、、つれづれに、、、

日々徒然に

 ジーナの眼は、涙でかすんできた。

 「あたし、あなたやルース伯母さまやおばあさまが若かったころのことを考えると・・・・・・どうしてみんな似たひとばかりに思えるんでしょう!・・・・・・あたしには想像もつかないの・・・・・・どうしてだか・・・・・・」

「そうでしょうとも」とミス・マープルはいった。「はるかに遠くすぎさった日のことですもの」

 

 

はるかに遠くすぎさった日 かぁ、、

 

最初の殺人が起こるまでのシチュエーションが実に面白い、それだけでも十分に驚きなのに、かつまたそこに何故かさらに新たなる人物を登場させてもいる、このことがどう真相に関わってくるのか? さすがはクリスティ✨

 

 

「なあんだ、そうだったの。そうにちがいなかったのだわ」ミス・マープルはいった。

 

魔術の殺人 / A.クリスティ 

 

 

 

一作の短編集を含む全12作+アルファからなるマープルものの長編第五弾✨

 

 

この物語の顛末にはクリスティの敬愛するホームズ譜的な余韻をすら感じるなぁ、、この余韻はポアロものでは感じたことはないような? 

つまりは、そもそもポアロでは書きえなかったこの余韻をマープルものを書くことによって成し得たのではないか? そんな気がした一作

 

そんな余韻を感じたものだから続けて長編第六弾、クリスティ中期の傑作といわれる 見立てもの を✨

 

 

冒頭より

 

イリュージョン という単語が 幻覚 と訳されているけど、幻影 のほうがいいなぁ... 

 

はるかに遠くすぎさった日

 

それは 幻影 だ

 

二度とはもどらない 夢のような 日々 だ...