農家のみなさんにとって、長ーーく暑ーーい草刈りのシーズンがやってきたのであります。
町の人からすれば、「草刈り? 鎌かなんかで草を刈ったり、手で草をむしったりするの?」というイメージでしょうか。
そんなことをしていては、田畑にどんどん伸びてくる草との戦いに負けてしまうのであります。
鎌なんか使うのはまるで三八歩兵銃を持ってアメリカの上陸部隊に立ち向かうかのごとくであり、われわれ農家の人間は草刈り機という文明の利器を使い、ガンガンガンガンと草を刈っていかねばならないのであります。
草刈り機は先端に円盤型の刃が付いており、それをエンジンでビュンビュンと回すことによって、ヒゲ剃りのごとくきれいに草を刈っていきます。
しかしながら、腹が立つのは、どんなにきれいに刈っても、ヒゲ剃りを毎日せねばヒゲはまた伸びてくるように、草もだいたい3週間ほどで伸びてふりだしに戻ってしまうことなのであります。
「ああ、口惜しや‥‥」
プロフェッショナルなお百姓さんは刈った草をがんじき
で寄せ集め、2〜3日、乾燥させてから火をつけて燃やします。
しかし、農作業が大嫌いな私は、刈りっぱなし。
草が枯れ果てて土と同化するまでほったらかしという、お百姓さんをしていたご先祖様からバチを当てられそうなテキトーな草刈りをしているのであります。
そして、真夏の草刈りはサウナよりも効くのであります。
朝の8時以降にしようものなら、汗が滝のよう。午前10時を越え、夕方4時までの草刈りは命がけといってもいいほどの猛作業となります。
ですから、農家のみなさんは朝の5時から8時ぐらいの間に草刈りをはじめとした力仕事は済ませてしまいます。
それ以外の仕事も10時ぐらいまでに終わらせ、いったん昼寝をして体力温存し、そして、夕方4時ごろから7時ぐらいまでまた作業するのが一般的なお百姓さんの日課なのであります。
ところが、過保護な農作業を信条にしております私は、草刈りは朝6時半から8時までして、残りは翌日に回します。それでも約1週間がんばれば、わが家の管理している田畑の草刈りはひと通り終わります。
で、その後の2週間、サボっていますとまた草が伸び、また1週間草刈りをするという、同じようなローテーションをこなすことになるわけであります。
しかしながら、うれしいことに、今年から私以外の作業員が一人、増えたのであります。
それは、平家の遺伝子をもろに受け継ぎ、私よりデブッチョになっているうちの息子なのであります。
私はデブでありますが、けっこう体力はあるほうなので、高出力の草刈り機をブンブン振り回し、「作業は荒いが、仕事は早い」をモットーに効率よく草を刈ります。
一方、うちの息子は見た目ほどはパワーがなく、軽量な草刈り機でチマチマと草を刈っていくわけです。
しかし、どれだけチマチマであろうが、一人増えると、それはもう、たいへんラクチンなのであります。二人ですると、これまでの3分の2ぐらいの時間ですべての作業が終わるわけです。
さらにうれしいことに、「ダイエットを兼ねて、田んぼの草刈りやっといた」など、一人で作業してくれたりもするので、それはもう大助かり。
思い起こせば、私も28歳ぐらいのときに、父親が大ケガをして働けなくなり、それ以来、渋々と草刈りなどの農作業をはじめたのであります。
それに比べれば、ずいぶんと前向きに取り組んでいただいており、お父さまとしてはたいへんうれしゅうございます。
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