最近、持病である糖尿病の血糖値の数値が右肩上がりになっているのであります。
それまでは、糖尿病患者でありながら、薬は飲まず、食事療法と運動療法でなんとか血糖値をコントロールできていたのであります。
ところが、加齢とともに、以前と同じことをしていても、基礎代謝が下がっているからでありましょうか、血糖値に上昇傾向が見られるようになってきたのであります。
かかりつけの先生からは、「トシとともに、どうしてもね、上がり気味になるんですよ。そろそろ一番弱い薬でも飲みはじめますか？」と言われる始末‥‥。
そして、一番弱い薬を去年の暮れあたりから飲みはじめたのでありますが、あまり改善は見られなかったのであります。
また、糖尿病改善には運動が効果的なのですが、今年の夏は非常に暑かったので、あまり散歩などができませんでした。
長野県などの涼しい地域のお山に登ったときにはそれなりに歩きましたが、それだけでは血糖値はなかなか安定しないのであります。
そして、ふと、思ったのであります。
「いよいよ、切り札を使うときが来たか‥‥！」
その切り札とは‥‥。
ジャ、ジャ、ジャーン！！
「糖尿病にめっちゃ効く温泉！！！」
自分自身が糖尿病になる前から、その温泉の噂は聞いていたのであります。
そのあまりに強烈な噂ぶりに、温泉マニアとしてその温泉につかりにいったことも何回かあり、そして、温泉マニアとしての私が100点をつけた温泉でもあるのです。
その温泉は、南アルプスの麓、そこから先は道路がないという行き止まりの地点のすぐ手前に位置する小さな温泉地にあるのであります。
秘境すぎる温泉地なので、現在は宿泊できる温泉宿がなくなってしまったのであります。
この温泉地に限りませんが、秘境で過疎なエリアでは従業員を雇おうと思っても人手がありません。
そのため、どうしても家族経営になり、なんとか生きのびている小さな宿もありますが、経営者がおじいちゃん、おばあちゃんになり、年齢を理由に閉業する宿も秘境といわれる地域では非常に多いのです。
今回、私が訪れた温泉地にはいくつかの源泉があるのですが、糖尿病に劇的に効くという温泉宿は独自の源泉をもっており、この宿のお風呂でしか糖尿病の改善は図れないのであります。
そして、幸いなことに、この温泉宿は日帰り入浴専門の宿として、現在も存続しているのであります。
日帰り専門ゆえ、この温泉につかりにくるためには、別途、宿を探さねばならないのですが、近隣には、現在、営業している温泉宿が2軒あります。
と言うと、読者のみなさんは、「じゃあ、そのどちらかに泊まればいいですよね」となにも考えずにおっしゃることと思いますが、この2軒、それぞれ一筋縄ではいかないのであります。
まず1軒目はこんな過疎なエリアにありながら、ものすごく高級な宿でありまして、1泊7万円は払わないと泊まることができません。
ゴージャスな泊まりたい宿
わが家の大蔵省である奥さまに頼んだとしたら、きっと、「テントでも持っていって、河原で寝なさい」と言われると思われるため、言い出すことができません。
では、もう1軒の宿はどうかといえば、で、で、伝統的な宿と申しましょうか、レ、レ、レトロすぎる宿と申しましょうか‥‥。それはもう、お化け屋敷のような宿なのであります。
事前にこの宿のことを知らなかったとしたら、なんの迷いもなく泊まっていたでありましょう。
そもそも私は泉質マニアであり、どれだけボロい宿でも、どれだけ食事がまずくとも、温泉さえ極上ならまったく気にしないのであります。
が、じつはかつてこの宿に日帰り入浴に来たことがあり、どんなボロ宿にも動じない私が、この宿では玄関から浴室まで移動しただけでドン引きするほどだったのであります。
しかも、この宿の浴室は1カ所しかなく、男女混浴なのであります。
泉質は素晴らしく、やさしいお湯なのでありますが、なにぶんこのような要素が重なると、あえて宿泊しようというお客様も少なくなります。
いまは素泊まりしかできないという噂もありますが、この秘境のエリアでは、朝晩の食事を提供しているような店もないのであります。
「うーむ、どうしたものか‥‥」
次回に続く。
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