ナメクジ登山隊の春の勤行(ごんぎょう)は、2月に登れなかった鳥取県の三徳山投入堂へのお詣りとなったのであります。
この2月、なにも考えずに行ってみたところ、冬の間は雪のために登山道が閉鎖されているとのことで登れなかったのであります。
しかも、閉鎖されていなかったとしても、このお山は一人では登ることができないのであります。
必ず、複数人数でないと入山が許されません。
また、靴底が滑り止め仕様になっている登山靴か、草鞋(わらじ)を履いていないと入山することはできません。スニーカーあたりで行くと、強制的に草鞋に履き替えさせられてしまいます。
杖やストックを持っての入山も禁止。
そして、この山に入るのは登山ではなくお詣りになるので、六根清浄(ろっこんしょうじょう)という文字の入った白いたすきを掛けての入山となります。
どうしてこんなにうるさく言われるか、登りはじめてすぐにその理由はわかります。
それはもう、登山道というよりは、けもの道!
木の根っこにしがみつきながら登ったり、岩の崖を一本の鎖を頼りに登ったり。断崖絶壁の岩にしがみつき、足を震わせながら、這っていくようなところも多数‥‥。私の登山人生でいちばんハードな登り道でございました。
しかしながら、こんなにハードな道なのに、フィールド・アスレチックのようで楽しいのです。
そんな山の上に、どのようにして建立したのであろうといわれるお堂や釣鐘堂があるのです。
そして、このお山の最後に出会うのが、断崖絶壁の投入堂(なげいれどう)という重要文化財であります。
そこまでの道のりの厳しさから、日本一、たどり着くのが危険な重要文化財といわれているのであります。
中には、あまり知識のない観光客などが滑落事故を起こしたようなことも過去にはあったそうで、それもあって、冒頭にお話ししたような厳しい掟が存在するようなのであります。
さて、鳥取といえば、鳥取砂丘と砂の美術館。この2つに行かねば、たいへん後悔するのであります。
初めて行ったみなさんは、鳥取砂丘の壮大さにびっくりされます。
砂丘にはラクダなんかがいたりするのでありますが、勝手に写真を撮ると怒られます。100円払わないと撮らせてもらえないのであります。
鳥取砂丘の向こう側には砂の丘が見えるのですが、その小山まで歩いていくと、壮大な日本海と白兎海岸が眼下に見渡せ増す。それは素晴らしい景色なのであります。
そして、いまいち認知度の低い砂の美術館でありますが、ここでは“さっぽろ雪まつり”の雪のオブジェが砂でつくられているというと理解していただけるかと思います。
海外から有名アーティストを呼んだりして、それはもう、壮大な砂のオブジェが展示されているのであります。
このオブジェは1年に1回程度、替わるのですが、この変更の時期となる約2カ月間、砂の美術館は閉館します。
ちなみに、現在、展示されているオブジェはエジプトをテーマにしたもので、2024年の1月3日まで展示されているそうです。
おそらくそのあと2月末ごろまで、新しいオブジェの制作のために閉館されるのでしょう。
が、その時期にさえ重ならなければ、鳥取砂丘の入口近くにあるこの砂の美術館、鳥取に行くことがあったら、一度は観覧されてみるのがよろしいかと思います。
ここで、登山のお話に戻りますと、今回の三徳山の近くにはラジウム泉の名湯として有名な三朝温泉(みささおんせん)がございます。
この三朝温泉発祥の地には株湯という共同浴場があり、そこに入浴に行ったのであります。
ここは激アツの浴場として有名です。45℃はあろうかというお湯に入るので、いっぱい掛け湯をしてからでないと若い人はなかなか入れません。
しかしながら、64歳になった私は若い人に比べて痛点が半分以下になっているので、意外と簡単に入ることができます。
ちなみに、お年寄りが熱いお湯を好むのは、若い人に比べて痛点が少ないので、熱さを感じにくいからだといわれているのです。
余談ですが、この株湯に竹で編んだカゴのお風呂セットを忘れてきてしまったのであります。
で、送っていただけないかと電話でお願いしてみたところ、地元のおじさんやおばさんが当番で管理されているようで、「取りにきてもらわないと‥‥。そんなことしたことないで、ようわからん」と断られてしまったのであります。
往復400km‥‥、高速代とガソリン代を考えるとははばかられるものはあるのでありますが、近々、取りにいこうと思っております。
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