暑い夏。納涼を求め、京都の『るり渓』にやってきた私は、渓谷散策をしながらiPadで写真を撮っていたのであります。
しかしながら、ヘタを打ち、深さ50cmほどの川にiPadもろともこの体が水没したのであります。
問題は、ずぶ濡れになった私ではなく、完全に水没したiPadなのであります。
引き上げてすぐ、首に巻いていたタオルで拭こうと思ったのですが、タオルもずぶ濡れ。固く絞ってとにかく急いで拭き、電源を切らねばとスワイプしたところ、なんとか反応してくれ、電源は切れたのであります。
そして、急きょトレッキングを中止し、車に戻ったのであります。
「とりあえず、乾かさねば!」
「早くうちに帰り、冷蔵庫に入れねば!!」
なにごとにも抜かりのない私は(最近、抜け毛はちょっと多いが‥‥)、iPadを水没させたときはどうしたらよいかをちょびっとネットで調べてあったのであります。
そのとき、「冷蔵庫の中はすごく乾燥しているので、オススメである」と書いてあったので、早く家に帰って冷蔵庫に入れようと思ったのであります。
家までは約1時間半、できるだけクーラーにあて、乾燥しようとしたのでありますが、たぶんそれは焼け石に水だったことでしょう。
そして、しばらく経つと、画面に1分に1回ほどリンゴマークが点滅するようになったのであります。電源を切っているにもかかわらず‥‥。
それはたぶん、このiPadが危篤状態であるということを表すのでありましょう‥‥。
そして、家に着き、すぐに冷蔵庫にiPadをほうり込んだのであります。充電ケーブル用の穴から水ができるだけ外に出るように、本体が斜めになるようにして。
そして、約1日。
冷蔵庫に入れたわがiPadは、ものすごく汗をかいていたのであります。冷蔵庫なのに。
水分は小まめにタオルで拭き取り、そして、翌日、「困ったときの成井だ!」とうちの事務所の成井ちゃんに、iPadがいま、危篤状態であることを伝えたのであります。
すると、成井大先生はこうおっしゃるのであります。
「すぐにお米にまぶしてください」
どうやら、米は吸水性が非常に高いらしいのであります。
わが家は基本、農家でありますから、米はあり余っているのであります。ということで、もう食べることはきっとないであろう古古古米ぐらいの玄米をダンボール箱に敷きつめ、その中にiPadをまた斜めにして入れたのであります。
冷蔵庫に入れていたときは、1時間に1回ほど汗をふいてやらねばならない状況だったのでありますが、玄米の中に入れたら、粉まみれといいますか、それはもうまったく水気が感じられないのであります。
「すごいぞ、生米の吸水力!」
そして、次の日にはなんと、“まもなくバッテリーがなくなります”マークが表示されているではありませんか。
「なんと、正常反応だ!」
さらに1日、玄米にまぶし、水没から3日後、事務所の成井治療院にiPadを連れていったところ、院長の手厚い看護のもと、iPadは無事に意識を回復なさったのであります。
成井医院長は、万が一のことを考え、すべてのデータを抜き出し(「バックアップを取る」というらしい)、最悪の事態に備えられたのでありますが、iPadはきょうも元気で、いつものように稼働しているのであります。
しかしながら、これをきっかけにスマホに替えようと思ったのであります。
まず、いまどきのスマホはiPadよりも写真がきれいに撮れるようなのであります。
そして、その写真をiPadと同期すれば、FacebookやInstagramにも投稿できるらしいのであります。もちろん、そのためは成井治療院の手にかからねばならないのですが。
そうできるのであれば、スマホには現在のiPad同様、頑丈なカバーを付け、今回のようなことが起きないように、スマホをしまう胸ポケットには防水用のなんらかのカバーをしておけば、手に持って歩くというリスクもなくなるだろうと考えた次第でございます‥‥。
しかし‥‥、この私がいよいよスマホを持ったとするならば、一見、普通の人に見えるのであろうなぁ‥‥。