私の携帯電話はガラホなのであります。
ガラホ?
みなさんにお伝えしたいのは、ガラケーではなく、ガラホだということなのであります。
ガラホとは、ガラケーのようにつくられているスマホなのであります。
なぜ、この電話を使っているかと申しますと、スマホを買いにいったにもかかわらず、売ってもらえなかったからなのであります。
うちの近所にあるAUショップ、長年、お世話になっているので、私のことはよくご存じなのであります。
そう、落とす、なくすなどなど‥‥、私の過去はぜんぶ知られているのであります。
で、スマホに機種変更したいと申し出ると、それはもう、体を張って止められたのであります。
「スマホはね、落とすと壊れやすいんですよ。平さん、きっといろんなところで落とすでしょ。トイレで水没なんかもぜったいあると思うので、やめといて、このガラホにしときなさい」
オススメされたガラホは、5m先から壁にぶつけても壊れない、水に落としても防水機能で守られる、さらに、いちおうスマホ機能は付いているので、どこかで落としてもGPS機能で探すことができる、というもの。
で、「どうせ、使うのも電話とメールだけでしょ」と説得され(かなり上から目線だが、その通り)、スマホは買えず、現在の携帯にしたのであります。
そして、ものすごく悔しいのですが、この携帯、かつて登山の岩場で私の手から滑り落ち、20m下まで滑落したもののなんともありませんでした。
またあるときはリュックのポケットに入れていて、雨ざらしになったのでありますが、強力な防水機能のため、なんともなってはおりませんでした。
そのようなことが多数あり、予言者のようなあのAU店員のオススメはまったくもって正解だったのであります。
が、しかし、一つだけ困ることがあるのであります。それは、写真なのであります。
くだんの店員さんも私がiPadを持っていることは知っており、「スマホに求める機能はiPadでできるでしょ。平さんの場合、電話ぐらいしか使わないのだったらやはりこの丈夫なガラホに限ります。これにしておきなさい」と言われたわけです。
その通りなのではありますが‥‥、iPadはかさばるのであります。
多動症ゆえいろいろなところに行きたい私は、いろいろなところに行くのであります。そして、いろいろなところでいろいろな写真を撮り、FacebookやInstagramに上げたいのであります。
その点、写真をiPadで撮るのはたいへんなのであります。
たとえば、山登りのとき、いちいちリュックからiPadを取り出して、写真を撮り、またリュックにしまわねばならないのがめんどくさい。
ストックが必要ない場所では、iPadを手に持ったまま登山したりするのですが、そんな人、私以外に見たことがないのであります。
さて、暑さ厳しき今年の7月27日、私は京都の『るり渓』という渓谷にトレッキングに行ったのであります。
いつものように写真を撮りながら歩いていたのでありますが、そのときは川の中ほどの岩に足を置き、景色を撮っていたのであります。
そして、舗道に戻ろうと別の岩に足を載せようとしたところ、その岩は水面から1cmほど下だったのであります。
このような岩には、水苔などが付いていて滑りやすいということは、子どものころに田舎の川や池で遊び倒した私は、経験上知っているのであります。
「フフフ、60オヤジをなめるなよ」
万が一、滑ったときには足をどこに置くかを想定し、そうっとその岩に足をかけたところ、案の定、滑ったのであります。
「フフフ、おまえのことなどすべてお見通しだ!!」
勝ち誇った気分で滑ったとき用の岩に足をかけたところ、なんと、その岩も滑ったのであります。
ドッボーーーンッ!!!
水深50cmしかない川にこの巨体が横たわったその瞬間‥‥、その最悪を想定したシミュレーションでは、私が水中に沈んでも、iPadはこの手で高々と掲げる予定でございました。
しかし、あまりの滑りっぷりに、一回転した私、iPadともども水没したのであります(焦って立ち上がろうとした際、もう1回滑ったことは内緒です)。
さて、ビショビショになった私と精密機器のiPad‥‥、このあといったい、どうなるのか!?
以下、次号。