6月4日の金曜日、胆石手術の朝。
おなかもスッキリ空っぽになったところで、手術着に着替えさせられ、自分で歩いて手術室まで行くのであります。
自分で元気よく手術台に乗り、簡単な説明を受けたあと、点滴用の針を刺されるわけですが、なにぶんふくよかな私、なかなか上手に血管に入らないのであります。
2カ所ほど失敗したあと、ベテランの看護師さんから「痛いといけないので、全身麻酔のあとでルート確保しますから」と申しわけなさそうに言われたのであります。
しかし、全身麻酔の点滴は入れねばならないので、そこはベテラン看護師さんが右手に上手に確保してくださったのであります。
そして、「まもなく麻酔が効いてきますよ」という声を最後に意識はなくなったのであります。
次に意識が戻ったのは、自分の個室。気持ちよく寝ていたところを叩き起こされたのであります。
その時点では麻酔も痛み止めもまだ効いていたようで、痛くもなんともないのですが、なにやらおなかの付近が苦しいというか、重ーーいのであります。
いつものように左向きになって寝たいのでありますが、当然ながら、まったく動けません。
そんなわけで、手術が終わったのは昼の12時ごろらしいのですが、夕方4時ごろまでは酸素マスクを口にあてられ、身動きとれぬまま、ただひたすらウトウトと眠っていたのであります。
夕方の6時以降は情け容赦のないうちの事務所から仕事関連のメールが入り、半分ろれつの回らない口で電話で返答し、そのまま夜の消灯時間がやってきて、朝まで寝ていたのであります。
翌朝。
看護師さんに肩を叩いて起こされたのであります。
そして、導尿のカテーテルを抜かれ、点滴も移動ができるスタンドに変更され、院内を歩かされるのであります。
じっとしていると痛みはないのでありますが、起き上がったり、寝返りを打ったりすると、動いた刺激で痛むのであります。
だからして、歩くときもなかなか痛いのであります。それはもう、妊婦さんがおなかを押さえながらヨチヨチと歩くような、あるいは青虫がうごめくような歩き方で歩くのであります。
しかし、とにかくスキあらば歩けと言われるのであります。
その後、主治医の美人先生に見せていただいたのでありますが、私の胆石は真っ黒で、まるで犬か山羊のウンコのようなものでありました。
胆石はその成分により色が変わるそうで、コレステロールからつくられる場合は白い石が、肝臓のなんとかという成分からつくられる場合は黒い石になるそうなのであります。
「私が腹黒いから、黒い胆石なんですかね？」といちおうボケてみたところ、「それもあるでしょうね」と美人の女医先生にボケ返される始末でありました。
その後も順調で、7日の月曜日に退院できることになったのであります。
ただし、その前日の時点でも、ベッドから起き上がったり、下に落ちた物を拾おうとしたりするとおなかに痛みは走ります。
「明日、退院できるのはいいが、家の布団で寝て、起き上がることはできるのだろうか？」と激しく心配になったのであります。
また、「胆のうを取ると、当分、脂肪分の分解ができなくなってしまうので、うっかり摂りすぎると下痢をしますよ」と脅されたのであります。
それでも、その日曜日は院内をだいぶ長時間・長距離、歩けるようになっていたので、1階の売店まで行ってみたのであります。そこで、いつも愛飲しておりますR-1ヨーグルトのドリンクを見つけたので、さっそく買って飲んだのであります。
すると、1時間後、激しく下痢をしてしまったのであります。
「そうか、ヨーグルトは乳製品というぐらいだから、脂肪分があるんだな。こんなものですらだめなのか」
と思ったのですが、退院する日の朝ごはんに紙パックの牛乳がついてきたのであります。
当然、ビビりますよね。
しかし、その牛乳のパッケージには「低脂肪」と書いてあったのでおそるおそる飲んでみたところ、なんと、大丈夫だったのであります。ということで、R-1ヨーグルトにも低脂肪の製品があるので、以降はそれにしているのであります。
それにしても、血糖値コントロールのために炭水化物を制限し、胆のうを取ったことで脂肪分も制限しなければならなくなった私‥‥。もはや、草食動物のようになってしまったのであります。
その結果、これを書いている6月10日現在、3月20日時点よりも9キロも痩せてしまったのであります。
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