酒豪たち | 平準司@神戸メンタルサービス カウンセラー養成・個人カウンセリング・心理学の講演、執筆を行っています!

2年前の4月に任期が始まった村のお世話役が、この4月の総会でいよいよ終了したのである。

 

ああ、うれしいラブラブ

 

任期中は、自治会や農会からの配布物を新聞配達のごとく配り回っていた。

 

草刈りの段取りや、その後の宴会のセッティングなどもせねばならなかった。

 

料理がまずいと怒られ、ビールの冷えが足りないと叱られ、送迎のバスが遅いと責められた。

 

そのうっぷんは同じように研修生を怒鳴りつけることで晴らしたということは、当人たちには内緒である。

 

さらに、村の中で行われたお葬式にはもれなく出席した。

 

出席できないという人がうちにお香典を預けにくるので、代表して持っていかねばならないのである。その後は、「ちゃんと届けましたよ」という証明のために、喪主の挨拶状を届けたりする仕事もある。

 

この仕事は順番にまわってくるものであって、もちろん、私の前にも、村のだれかにこの仕事をしていただいていたわけである。

 

しかしながら、以前から述べているように、うちの地域では、30年前から私がいちばんの下っ端なのである。

 

今年59歳になった私であるが、下がだれもいないのである。

 

従来、村の会議はサラリーマンに配慮し、土日や、平日だとしても帰宅後の夜8時以降に開催されることが多かった。

 

しかし、現在はどのみなさんも定年退職し、田んぼや畑を作りながら、悠々自適の年金暮らしをなさっている。

 

したがって、「準ちゃん、平日でも、朝でも昼でも、あんたがええときならいつでもええでー」などとありがたいお言葉をかけていただき、それはそれはラクをさせていただいた。

 

ただし、ちょっとした会議をしても、そのすぐあと、酒とビールを用意しなければならないのである。

 

そして、日本の田舎はほとんどがそうであろうと思うのであるが、プロのお百姓さんの飲みっぷりはハンパではないのである。

 

うちのまわりのちっちゃなエリア(隣保というのですが)は13軒で成り立っているのであるが、そのうち5人はあまりお酒はたしなまれない。

 

(昔、たしなみすぎて、ドクターストップがかかり、飲んではいけないという人も含みますあせる

 

つまり、8人のためにビールとお酒を用意するわけでありますが、この8人のみなさんでビール20本、日本酒4升ぐらい飲まれるのであります。

 

お酒をたしなむ読者のみなさんであれば、これがどのぐらいの量であるか、ご理解いただけると思います‥‥。酒豪ぞろいなのであります。

 

昼の会議だとするならば、この酒豪のみなさん、飲んだあと、すぐに田畑に出かけ、しっかりと汗をかいていったん酒を抜き、夕食時には自宅でまた飲まれるようなのであります。

 

それはもう、ものすごいバイタリティと申しましょうか、馬力と申しましょうか‥‥。うちのひ弱な男性受講生たちに爪の垢を煎じて飲ませたいぐらいなのであります。

 

しかも、先ほども書いたように、私は59歳で最年少なのであり、ほとんどのみなさんが60代後半から70代でこの酒量なのであります。

 

夜、宴会をし、午前様になったとしても、次の日は朝5時に起き、田畑に行き、しっかり汗を流し、またヒマさえあればビールを水の代わりに飲んでいらっしゃるのです。

 

たぶん、日本の農家は全国どこに行っても、こんなみなさんばかりだと思われます。

 

都会のみなさまから見たら信じられないようなことかと思われますが、日本の田舎はこのようにして成り立っているのでございます。