無意識の声を求めて | 平準司@神戸メンタルサービス カウンセラー養成・個人カウンセリング・心理学の講演、執筆を行っています!

心理学にはいろいろな学派がある。

 

その一つに、「日々、あなたに起こることは偶然ではなく、あなたが引き寄せている現実である。もしくは、その出来事は、あなたのためになるメッセージである」という考え方をする学派がある。

 

いろいろなことへの探求家でもある私は、みなさんにありがたいお話を教えている手前、日々、その考え方を実践しているのである。

 

その日は、いつものように蒲田の常宿の『末広』を出て、代々木上原のカウンセリングルームに向かったのである。

 

その道中、私の前で起こる現実はすべて私の心の声だと想定したのである。メガネ

 

とくに、「子どもたちのしゃべり声は私の無意識からのメッセージである」と仮定し、このヒマでつまらない移動時間を使って勉学に励もうと考えたわけである。

 

ああ、なんと模範的な心理学者の姿であろうか‥‥。

 

蒲田からはまず多摩川線に乗り、終点の多摩川まで10分弱の旅である。そこで東横線に乗り換え、渋谷に向かうのである。

 

残念ながら、昼前の多摩川線にはおじいちゃん、おばあちゃんが多く、子連れのおかあさんは私の車両には一人も乗っていなかった。

 

どうも、私の無意識は非常におとなしいようである。

 

(フフフ、幸先いいぞ。オレの無意識、きょうは穏やかなようだ)

 

電車は多摩川駅に着き、渋谷までの約15分の旅が始まった。

 

この線は非常に混み合う。ましてや私の乗った多摩川駅は、特急や急行などの速い電車が停まらない駅なので、ホームでの待ち時間が長く、人もたくさんいる。

 

そんなときに、やってきたのである。

 

ベビーカーに生後6カ月ほどの赤ちゃんを乗せ、そして、もう一人、“ギャング”と言われる5歳児ぐらいの男の子を連れたおかあさんであった。

 

その5歳児が、それはもう、ホームのエスカレーターの下から聞こえてくるほどの大きな声で、なにかを叫んでいるのである。

 

(おお、オレの無意識の深層からの魂の叫びが湧き上がってきた!)

 

私の無意識は、私にどのようなメッセージをくれようとしているのであろうか。

 

 

 

 

「サツマイモーーー!!」

 


 

(なに‥‥!?

 


 

オレの無意識はサツマイモを求めているのか?

 

 

 

 「焼きイモ、食べたいーー!!」

 

 

 

 

 

12月にもなっていないのに、どこで焼き芋を食べて、その味を覚えたのであろう? ものすごい連呼である。

 

(そういえば、私も長らく焼きイモを食べておらん!)

 

事務所で出たシュレッダーのゴミは、私の車でわが家に持ち帰る。そして、それはうちの田んぼで豪快に燃やすのである。

 

そして、そのときいつも、サツマイモをアルミホイルにくるんで、焼きイモにしていたのである。

 

が、しかし、昨年、事務所が引っ越しをして以来、シュレッダーゴミは事務所が契約している産廃業者が回収してくれるようになったので、長らくこのシュレッダー焼きイモをしていなかったことに気がついた。

 

(そうか、オレの潜在意識、いや、無意識は、焼きイモを求めていたのか!)

 

しかしながら、サツマイモを連呼していた5歳児に向かい、おかあさんはこう言ったのである。

 

「リュックに入っているんだから、出して食べなさいよ」

 

(なに? 焼きイモを持って歩いているのか?)

 

そして、見ていたところ、それはサツマイモ味のスナック菓子だったのである。

 

あーあ、ややこしい!

 

しかしながら、どうやら私の無意識が「焼きイモをするように」と私にメッセージを送っていたことに気づいたのは、きょうの朝からの収穫であった。

 

こんなことでもないと、アルミホイルでくるんで焼いたあの美味な焼きイモを久しく食べていなかったことに気づきもしなかったのである。

 

おお、すごいぞ、オレの無意識の声!!