東北温泉紀行 | 平準司@神戸メンタルサービス カウンセラー養成・個人カウンセリング・心理学の講演、執筆を行っています!

仙台での1dayセミナー明けの月曜日、私は当社の定休日を利用して作並温泉に宿をとることとした。

 

東北地方はあらゆる地域に名湯が存在するが、翌火曜日、仙台を朝10時に発つ飛行機で大阪に帰らなければならなかったので、できるだけ空港に近い温泉宿に泊まりたいと考えたのである。

 

作並温泉以外にも秋保温泉あたりを堪能しつつ、宿でゆっくり『ドラクエ11』でもしようという魂胆なのである。

 

‥‥賢明な読者のみなさんからは、「いったい、いつまでドラクエをやってるんですか?!」というキビしいご指摘もあろう。

 

おっしゃるとおりだが、まもなく3回目が終わり、これをもって今回のドラクエを卒業したいと思っているのである。そして、私の長い夏休みも、ドラクエ卒業をもって終了とする。

 

さて、仙台である。

 

1016日の仙台は、それはそれはものすごく寒かったのである。

 

この数日前から急に冷え込みが始まったらしく、仙台市内は日中で11℃ぐらいで、山奥に入った作並温泉あたりは日中でも8℃であった。関西は178℃あったわけだからして、とても寒かったのである。

 

だからして、温泉は当然、気持ちよかったわけであるが、今回、私は『温泉と秋の仙台の素晴らしい庭園を巡る旅』と勝手に銘打ち、歩いては温泉に入り、また歩いては温泉に入るということをしてみた。

 

紅葉にはまだ少し早かったようであるが、どこに行ってもほぼ貸切で楽しむことができた。秋保・作並温泉エリアは仙台の奥座敷として有名な観光地であるが、平日の月曜日ということで、さすがに閑散としていたのである。

 

しかしながら、いつものことであるが、このエリアに来るといつも昼食に困るのである。

 

おそば屋さんやラーメン屋さんはあるものの、できるかぎり炭水化物をとりたくない私は、そういうお店は避けたいのである。

 

一般の定食屋さんで、「ごはんは小でお願いします」と言いたいところなのだが、そのような食堂がまったくない。

 

このエリアに限らず、最近は田舎に行けば行くほど、喫茶店さえ見当たらないということが多い。最悪、コンビニでなにかが買えればいいのであるが、コンビニさえまったくなかったりするのである。

 

そして、人間というものは、毎回、同じ間違いを繰り返すようで、困りながら、「そういえば、前も困ったなぁ」と思い出したりするのである。

 

この日は、ようやく見つけた作並温泉の『賢治とモリスの館』という記念館の喫茶店で、パイ生地で作ったというサンドイッチのようなボルシチのようなものを昼食代わりにしてひと息ついた。

 

その後、することのなくなった私は早めに宿に到着した。チェックインは3時からということになっていたが、到着したのは2時半前であった。

 

もちろん、「多少は融通してもらえるのではないか‥‥」という依存的な考えが、私のその行動の土台にはあったのである。

 

が、しかし、かわいらしくて爽やかなフロントのおねえさまから、微笑みながらもキビしく、「チェックインは3時からでございますので、しばらくロビーでお待ちください」と突き放された。

 

しかしながら、こちらはこちらでDSのドラクエという武器があるので、まったく堪えないのである。

 

そして、ドラクエ・ファンのみなさまなら理解していただけるであろう‥‥、30分という時間はまさにゲームに熱中しはじめるころなのである。

 

さらに、こちらは両耳にイヤホンを入れ、「ギガディン!」、「イオナズン!」などと叫びながら集中しているのである。

 

であるからして、「ご予約の平様ーー」などとかわいい声で言われても、まったく気づかないのである。

 

気づけば、口をパクパクさせている女性が私のほうを見ているのである。イヤホンを外した途端、急にキビしい声が聞こえてきた。

 

「平様でございますね!!!」

 

ていねいな中にも、怒りを秘めたお言葉‥‥。そして、ようやくチェックインしたのである。

 

そして、すぐさま私は川沿いの露天風呂に向かった。

 

作戦は大成功!

 

日帰り入浴のお客さんは3時までで帰り、宿泊客はまだほとんどチェックインしていないこの時間、露天風呂には私のほかにだれ一人おらず、念願の写真を撮ることができたのであった。

 


「名湯は地下に潜れ」という温泉マニアのことわざがあるごとく、下に下にと下っていく木造の廊下の先には、絶品の足元湧出泉があったのである。