6月の中旬、母親と息子を連れて、伊豆・箱根2泊3日の旅行に出かけた。
親孝行は親が元気なうちにしておかないといけない。80を超えた母親は、いつ、どうなるかわからないのである。
母親にとっては私よりも孫と一緒に旅行できることが喜びであるので、息子には万札を握らせての旅立ちであった。
東京方面のみなさんにとっては、伊豆・箱根は身近な温泉地であろう。しかし、私ども関西の人間は、意外と伊豆・箱根には縁がないのである。
まず、三島や熱海に停まる新幹線はあまりない。しかも、宿が高い。
しかしながら、やはり伊豆・箱根は観光地としてとても優れていると個人的には思うのである。
うちの母親は、熱海に行ったことがないという。熱海温泉という名前はなにかと耳にするものの、行ったことがないゆえ行きたいということで、1泊目は熱海に決めた。
山奥に住んでいるので、うちの母親は海が大好きである。熱海駅のやや東京寄りの温泉宿なら海の景色がよいので、そのあたりで宿を探してみた。
このあたりでもっとも有名な宿は『界 熱海(旧:蓬莱)』であろう。
インターネットで調べると、一番安くて一泊一人34,000円であった。
「ひゃ~」
しかし、親孝行の一環であるからして、ここはアキレス腱が切れるほど背伸びをし、見栄を張り、なんとかするかと覚悟を決めた。
が、満室でとれなかったのである。なにゆえか、心はおおいに安堵した。
「しかし、蓬莱のあのロケーションは捨てがたいなぁ‥‥」
そんなとき、メンタル一のアバンダンスなあの方が、たしか、「蓬莱のあの素敵なロケーションが気に入って、その近くのリゾートホテルの会員になった」とおっしゃっていたのを思い出したのである。
そして、私はうちのネコになりきり、あのアバンダンス嬢の足にすり寄ったのである。
「一般の人も泊まったりできるのかにゃ~?」
すると、なんと、“オーナー様のゲスト”という扱いで泊めていただけることになったのである。
「にゃ〜〜(喜)」
そうして宿泊したリゾートホテルは素晴らしいお宿であった。それはそれはもう、優雅なロケーションにあり、館内は迷子になるぐらい広いのである。
しかしながら、この日、日本全国はとてもよいお天気だったのであるが、伊豆・箱根地方だけは雨であった。
熱海でレンタカーを借り、城ヶ崎海岸のほうまでドライブし、時間があれば大室山のリフトに乗ってみようと思っていたのであるが、残念なお天気だったので観光は城ヶ崎海岸のみにし、次の日に賭けたのである。
で、この日はホテルでゆっくりと過ごしてあのであるが、夕食はそれはそれはアバンダンスなバイキングであった。うちの息子など4往復するほど、優雅かつ美味なお料理ばかりだったのである。
温泉は2つの源泉から引かれていて、伊豆山では有名な“走り湯”の源泉も堪能できた。
ふだんの私であれば、あちこちの共同風呂を攻略したいところであるが、この日ばかりはそれは封印し、優雅にホテルで過ごすこととしたのである。
そして、いよいよ次の日は、箱根観光に向かったのである。
来週に続く