毎年、GWは、師であるチャック・スペザーノ博士の来日セミナーに参加しているのである。今年も200人を超える参加者のみなさまとともに4日間を過ごさせていただいた。
師は今年で69歳になられたのであるが、まったくもってお若い。お肌も体もピチピチである。
私の師であるからして、あらゆる意味で私よりスケールが大きい。
よって、コントラスト効果と申しましょうか‥‥、このセミナー中は、「平さん、痩せました?」とか、「平さんって、意外と清純派だったんだと思いました」などというご意見をたくさん賜った。
で、私自身、「自分は清純派だったのかもしれぬ‥‥」と思いなおしたほどの4日間だったのである(それほど師の下ネタは爽やかな雰囲気を醸しつつもエグいのである)。
いまや、カリスマ・トレーナーとなり、世界を駆け回っておられる師なのである。GWの来日後はドイツに飛び、そちらでもセミナーを開催されると聞いた。
しかしながら、私が初めて参加した師のセミナーは29年ほど前のことで、まだビジョン心理学という名称もなく、ただ『チャックのセミナー』と呼ばれていた。
師もいまのように世界的に有名な博士ではなく、たぶん、日本に来るときも、あのデカい体をエコノミーシートに押し込んで移動しておられたのだと思う。
そして、いまこそ、ホテルのスイートルームに滞在されるが、当時の合宿形式のセミナーでは、富士山麓の4人相部屋の和室でみんなと一緒に寝ておられた。
日本旅館なので部屋にはシャワーもなく、大浴場で掛け湯などして、シャワー代わりにしておられたのである。
また、これまでに多くの方がわが師の日本のセミナーのプロモーターとして尽力されてきたが、ほんとうにみなさん、苦労なされた。
いまのように多くの参加者が集まるわけもなく、開催すればいつも赤字で、それだけの借財を購う財力を持った方しかプロモーターにはなれない時代があったのである。
ただ、「博士の作り上げる世界が日本にも必要だ」という思いのもと、なんとか絶やさぬようにと、何人かの人々が引き継いでこられたわけである。
信じられないかもしれないが、たった22人の受講生で10日間のセミナーを行ったことがあった。
私なんか、その10日間でフォーカスパーソンに7回も当たった。
さらに、奥さまのレンシー・スペザーノ女史の来日セミナーの参加者はたった13人で、男は私一人であった。
なにも知らずに参加したわけであるが、いまの女史をご存じのみなさまなら、それがいかに恐ろしいことか理解していただけると思う。
以来、女史は私の天敵‥‥、いや、頭の上がらぬ上司として君臨しつづける。人類で唯一、私が直立不動で最敬礼をするお方なのである(お願い、命だけは‥‥)。
というわけで、師とこの奥さまに鍛えに鍛えていただき、今日の私があるのである。
今回のセミナーでは、懐かしい出会いがたくさんあった。
28年前、河口湖の師の10日間セミナーに参加された女性から声をかけていただいた。当時の写真を見せていただき、痩せていたころの私と出会い、時の流れを感じたのである。
さらに、長崎県は対馬から20数年ぶりに参加されたご夫婦とも出会った。
当時はこのお二人もうちの夫婦もまだ独身であった。「やー、今世で最後のセミナーになるかもしれませんので‥‥」と対馬から遠路はるばる参加されたのである。
このようなみなさんに、当時のわが師を支えていただいていたのである。
今日、師の来日セミナーは、だれもがあたりまえのように受講できるようになっている。が、じつは多くの先人たちの苦労の上に成り立っているわけである。
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