わが家の離れにある書庫‥‥、ここはメンタルの古い書類や伝票、資料などを保管している場所であるが、そこからなにやら子ネコの鳴き声がするのである。
「フフフ‥‥、ワナにはまった♥」
ワナ?
そう、ワナを仕掛けておいたのである。
この書庫の入口を、ネコが通れるほどの少しばかり開けておいた。ノラネコが子どもを産むのに、この書庫はちょうどよい場所であろうと考えてのことである。
カタギのみなさんは、野良ネコが自分の家に入り込み、子どもを産んだりすることがないようにと厳重に注意されることであろう。
しかしながら、ネコマニアは野良ネコに子ネコを生んでもらうための努力をするのである。
フフフ。
声をたよりにのぞきにいってみたところ、出会ってしまったのである‥‥。
とってもカワイイあの娘♥
つぶらな瞳、キュートな鳴き声、小首をかしげるその仕草‥‥、一目惚れである。さらに、もう1匹、その奥にもサバトラ柄の子が1匹。
「ホホホホ、大量ゲットの予感♥」
今年はすでにわが家のホームごたつで2匹の親ネコが子ネコを2匹ずつ生んでいるので、こたつの中はけっこう混み合っている。そこにさらに数匹生まれたようなので、楽しみ倍増なのである。
その後、懐中電灯を持って何度も書庫を訪れ、親ネコがいない間についに撮影に成功したのである。
ジャジャジャーン!
気分はNHK-BS放送のキタキツネ親子の大自然ドキュメントのようなものである。
なんと、いろいろな柄のかわいらしい子ネコが4匹、書庫のダンボールの中に生まれていたのである。
「あ〜〜、かわゆい♥」
親ネコのいないときを見はからっては近づき、なでまくっていたので、この4匹の子ネコの人なつこいこと、人なつこいこと。
そして、これまた親ネコのいないところを見はからって、ついに『プロジェクトX』さながらの大作戦を発動したのである。
4匹の子ネコを略奪し、わが家のホームごたつへと強制的に移したのである。
平家の離れにあるネコ用ホームごたつは、長方形で、大人6人が入れるとても大きいサイズのこたつである。
しかしながら、人間はこのホームごたつに足を入れることを許されていない。
ホームごたつの中に大量に棲息しているわが家のネコにオモチャを提供するようなものだからである。万一、そんなことをしようものなら、ひっかかれるわ、かじられるわ、ニャンコキックを見舞われるわで10秒以内に足は血まみれになる。
仮にわが家に泥棒が入ったとしよう。
ひと仕事終えたあと、「おや、こんなところにホームごたつが。ちょこっと暖まってから帰るか‥‥」と足を入れたら最後、泥棒さんの足は血まみれである。
そうしたら、その血の跡をたどっていけば、泥棒を捕獲することができる。つまり、ネコ用ホームごたつは、平家ならではのSECOMのようなものでもあるのである。
そんなわけで、引っ越しをした子ネコたちは、毛布を敷きつめたこのあったかいホームごたつがたいそう気に入ったようであった。
この中には、2カ月ほど前に生まれたおにいさんやおねえさんの子ネコたちも住んでいるし、2匹の親ネコもいるので環境はバッチシなのである。
そして、新入りの4匹の親ネコも、急にいなくなったわが子たちを探すうちにこのホームごたつにたどりつき、あまりの快適さに住みついてしまったのである。
このホームごたつは、親ネコ・子ネコホイホイという用途も担っているのである。
というわけで、いまやわが家のホームごたつでは、親ネコ3匹が8匹の子ネコを育てているという状況である。
ホームごたつのふとんをめくれば、8匹の子ネコ♥
「この年まで生きていたよかった」と、朝晩感じる今日このごろなのである。
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