前日、老体にムチ打って7湯を制覇した私は、この日も鼻息荒く、東伊豆の熱川・北川あたりから、熱海へ、時間があれば湯河原まで攻め上がろうと思っていたのである。
しかしながら、地図が欲しくて買った『るるぶ伊豆』を読んでみたところ、東伊豆には私がまだ行ったことのない魅力的な観光スポットが目白押しであるということがわかった。
私が“準司の素敵な休日”に望むことは、温泉、そして、ウォーキングなのである。
「きのうは温泉を堪能したので、きょうは一つ、じっくり歩く日にしてもいいな」
と思った矢先、散歩に最高のスポットを『るるぶ』で2カ所も見つけた。
城ヶ崎海岸と大室山である。
さらにホテル好きの私が前からずーーっと気になっていた『川奈ホテル』も近所にある。
で、すかさず決めた。「今日は午前中に城ヶ崎海岸を散歩し、川奈ホテルでランチを取り、大室山に登り、熱海あたりで汗を流して、東京の夜の講座に向かおう」、と。
「おお、完ぺきな! これでこそ、“素敵な休日”だ」
そして、執ようにすがりつく熱川温泉・北川温泉のお誘いを足蹴にし、ただひたすら城ヶ崎海岸に向かって東伊豆海岸線沿いにクルマを走らせたのである。
城ヶ崎海岸は灯台や吊り橋なんかもある非常に風光明媚な観光スポットであった。
この伊豆高原あたりにはあまりよいお湯がないため、いつもスルーしがちであったが、観光地として考えると素晴らしいエリアである。
アップダウンのある海岸線をヒーヒーゼーゼーいいながら歩き回った。
当然ながら、歩き回るとものすごく腹が減る。
よって、当初の計画通り、『川奈ホテル』で優雅なランチをすべくクルマを走らせたのである。
基本、『川奈ホテルは』ゴルフをする人のためのホテルである。
同時に、国賓を招待することがあるほどの由緒正しきホテルであり、まるで南仏のリゾート地のようにロマンチックな雰囲気があふれていた。
ゴルフ場の真ん中にあるので、ホテルの周りは芝生だらけ。さらにプールもあり、海も見渡すことができて、ロケーションとしても最高である。
昔、マリリン・モンローとジョー・ディマジオが新婚旅行で訪れたことでも有名らしいのである(ちょっと古くてごめんなさい)。
さらに食後は、本日のメインディッシュ、大室山のウォーキングである。
写真で見た大室山は、まるで阿蘇山の米塚のようなヘンな山であった。
エネルギースポットとしても有名らしいのであるが、それはまるでミネラルウォーターの『ボルヴィック』の山のような形状なのである。
それはともかく、大室山に到着していきなり私の計画は崩れた。
「すみませんが、歩いての登山はできません。芝生が傷みますので」ということで、リフトで登る以外、方法がないようなのである。
そして、「歩くのであれば、“お鉢めぐり”といいますが、カルデラの山頂が30分ほどで周回できますので、そこを歩いてください」と言われた。
ガッツリ登る気できたので、やや拍子抜けである。
が、しかし、リフトで登った山頂は素晴らしく、景色もよく、天気もよかったので、最高の気分であった。
その後、熱海に行き、行けば必ず寄る『福島屋』でひと汗流し(泉質は良いが、カップルのみなさんにはけっしておすすめできません)、新幹線ではなく伊豆の踊子号で旅情を堪能しながら、その日のお宿、黒湯温泉の蒲田『末広』へと向かった。
朝も温泉、昼も温泉、夜のお宿まで温泉。
十二分に温泉とウォーキングを堪能した“素晴らしき休日”であったのであります。
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