当社の年末の営業は12月28日で終了し、29日は朝から大掃除、そして、夜は忘年会で締めくくった。
社長である私であるが、事務所の大掃除のときはみんなの迷惑になるので事務所に寄りつかせてもらえない。あえてだれも言わないが、なによりも片付けにくい粗大ゴミであるようである。
もちろん、社長の威厳を保つため、差し入れだけは持っていき、みんなのご機嫌をうかがう。
この日はうちの大阪カウンセリング軍団もカウンセリングルームの大掃除をしており、6時過ぎには合流し、忘年会へとなだれこんだのである。
ちなみに、東京、名古屋でも、カウンセラーのみなさんがそれぞれのカウンセリングルームの大掃除をし、その後、忘年会を実施したもようである。
今回の大阪の忘年会の担当は、原カウンセラーと大門カウンセラーであった。
釣り好きの二人が選んだお店は、魚がウマいともっぱらの評判の居酒屋である。飲み放題メニューに『夜の帝王』という勇ましい銘柄の日本酒を置いているところが勇ましい。
たらふく飲んで食って騒いだあと、うちの社員やカウンセラーたちは、年末年始、大きく羽をのばそうと、それぞれの自宅へ、実家へと帰っていった。
そんな中‥‥。
重ーいトランクを引きずり、雪深いであろう北の国に向かう、淋しげな男が一人、いたんですよ‥‥。
そう、私はお正月のお年玉と餅代を稼ぐために、北に出稼ぎに向かったのでございます。
大阪発・金沢行の特急『サンダーバード』は意外と混んではいなかった。空いていたとはいえないが、夜遅い便だったためか思っていたほどではなかったのである。
そもそも、なぜ、こんな日に仕事に出るのかといえば、当社の経営の困窮状態を少しでも改善するために‥‥‥‥‥‥、いや、違う。
「金沢でセミナーをしませんか? 美人ぞろいですよ!!」というお誘いを受けたからである。
お誘いは以前から受けていたものの、私の週末はセミナーで埋まっているので、この時期にしか空きがなかったのである。そして、オファーしてみたところ、まさかの晦日にセミナーをするハメになったのである。
しかも、村の消防団の夜警と、うちの正月の準備があるので、セミナー前後に北陸の温泉をめぐるという、いつもなら必ず組み込むオプションも組み込めず、忘年会あとの千鳥足で金沢に向かうハメとなったのである。
せめても‥‥と、金沢の宿は温泉付きのホテルにした。
一夜明け、セミナーの朝はみぞれのような雪が降っていた。
が、思ったほど寒くはなく、薄着に見せながら、じつは山岳用のヒートテック的インナーを着込んでいた私は暑く感じるほどであった。
そして、金沢のセミナーは素晴らしかったのである。
なにが素晴らしかったのかというと、大阪・東京ではベテラン受講生に眉をひそめられる私のギャグがドッカンドッカンとウケるのである。
「おお、なんと楽しいセミナーであろう♡ 20年前はどこでやってもこんなかんじであったなぁ」
気分は、地方のキャバレーまわりをしている懐メロの歌手である。純粋なみなさんとともに、素敵な時間を過ごせて幸せだったのである。
誤解があるといけないが‥‥、いや、ぜったい誤解されると思うのだが、大都会のセミナーの受講生のみなさんが「ひねくれている」とか、「ギャグのセンスのない人々」だとか言うつもりは少ししかないのである。
たった一日のセミナーなれど、金沢のみなさんとなかよしになれたわけで、招待してくれたイシスのイシちゃんや松本のサッちゃんには感謝してもしきれないのである。
さらに感謝しきれないことに、その夜の打ち上げでは、なんと会費を取ってもらえず、ゴチになってしまったのである。
社長という立場上、ゴチすることはあっても、ゴチされることはまずない。ああ‥‥、久しぶりのゴチである
「う、うれしい‥‥。しかも、金沢の居酒屋の料理、ハンパねー!」
もちろん、厳選された居酒屋であろうということは想像に難くない。ほんとうにありがたいのである。
東京や大阪では、ベテラン受講生の「こんなもんでいいんじゃないの、平さんだし‥‥」という扱いに慣れている今日このごろ‥‥。うれしすぎて、引っ越しを考えるレベルです。
ありがとう、金沢!!
また呼んでいただけたなら、自転車を漕いででも参上する所存です。