村祭り | 平準司@神戸メンタルサービス カウンセラー養成・個人カウンセリング・心理学の講演、執筆を行っています!

108日の土曜日からの三連休、当社では大阪で3日間のヒーリングワークを開催していた。

 

そして、その3日間、私はワークには出ず、村祭りに参加していた。例年のことであるが、「参加せねば、村八分」という、平家存続をかけての村祭りなのである。

 

村祭りは御輿の製作をはじめ、のぼりを立てたり、神社に提灯をぶら下げたりという準備作業から始まるのである。

 

去年までは、仕事でなにかと忙しいことを理由にこの準備作業をサボることが多かったのであるが、今年は村の役員になったため、サボりにくくなったのである。

 

そんなわけで、金曜日に東京の恋愛心理学講座を終え、最終の新幹線で大阪まで戻り、午前1時に神戸の自宅へと帰った。そして、土曜日は朝8時に集合し、祭の準備にとりかかったのである。

 

祭の準備は午前中にはだいたい終わる。村のお年寄りたちは手慣れたもので、いろいろ複雑な工程を、何度見ても、なにをどうやっているのだかまったく理解できないような早さで進めていき、とっとと御輿は作られていくのである。

 

今年の祭の最大の敵は天候であった。

 

8日の土曜日の夜は“宵宮”が行われ、翌9日の日曜日は“本宮”で、御輿を担いで村中を巡幸することになっている。そして、土曜日は夜から大雨の予想であった。

 

しかしながら、不思議なもので、私の長年の記憶の中に、祭りに雨が降ったというのがないのである。

 

小学校入学以前から、われわれは強制的に祭に参加させられる。57歳の私の記憶にないのだからして、少なくとも50年近くは降っていないものと思われる。

 

そして、祭りにおける村のお年寄りのポジティブさときたら、世の中に蔓延するポジティブ・シンキングなど超越したレベルである。

 

「天気予報で降水確率90%? そんなもん、降るわけなかろう。きょうは祭やで!」

 

ものすごい根拠である。

 

当然、若手の役員たち(といっても、平均年齢は63歳ぐらいである)は、ビニールシートや雨具の準備を検討したりする(科学的な根拠に基づいている)。

 

が、“宵宮”が終わるまで、雨はほとんど降らなかったのである。そして、終わってすぐから降りはじめ、次の日の朝6時過ぎに“本宮”が始まるころにはほぼ上がっていたのである。

 

科学的なわれわれ若手役員一同が、スピリチュアルな年配役員のみなさんに見下されたことは言うまでもない。

 

さて、村祭りではでっかい御輿を引っ張りまわし、村の一周約9.2kmを巡幸する。

 

御輿は5年ほど前に“曳きだんじり”に新調されたのだが、それまでは担いで回っていたのである。

 

少子高齢化により、わが村でもパワフルなお年寄りがどんどん引退し、私を筆頭とした軟弱な若手が増えてきたため、御輿を担ぐという拷問のような重労働が不可能になってきたのである。

 

それで、“曳きだんじり”に替わったわけだが、最後の最後、神社へと入る“宮入”の際は担がねばならないのである。

 

ちなみに、私は3年ぶりに子ども御輿の担当であった。

 

正直に言う。

 

これは、とてもラクな仕事である。

 

「準ちゃんは子ども扱いが上手いから」というのが、お年寄り役員たちの推薦の声である。

 

ふだんから精神年齢が非常に低いメンタル受講生の相手をしていることが、今日の成功につながったに違いないと、心より受講生に感謝した次第なのである。

 

基本、子どもは大人のいうことをまったく聞かず、整列もままならない。だから、私はメンタルの講座のときと同じく、ホラを吹きまくる。

 

「はーい、みなさん! この扉を開けると煙が出てきますよー!」

 

「みなさーん、この鈴に見覚えはありませんかー? ドラえもんから借りてきた鈴でーす!」

 

「鈴にさわってはいけませーん! 鈴がヘコむと、今週からドラえもんの鈴もヘコんでしまいまーす!」

 

この手の話、子どもたちにはまったくウケなかったが、おとうさんとおかあさんにはドッカンドッカンとウケたのである。

 

なんとか来年もこの役に選ばれたいものだと、講座以上に気合いが入った村祭りであった。

  平が担当した子供神輿ですブタ鼻