「平さん、愛読書はありますか?」とよく真剣に聞かれる
基本、本は好きである。交通機関での移動中や一人でごはんを食べるとき(とても多い)はいつも、なんらか本を読んでいないと落ち着かない。
活字中毒と言ってもいいかもしれないし、本依存症のようなものかもしれない。だから、カバンの中には、たいてい本が入っている。
そして、「愛読書は?」と問われれば、あの本をあげるしかないであろう。
『週刊実話』である。
私は芸能ニュースのほとんどをこの雑誌からもらっている。信憑性はかぎりなく低い。が、たまに当たったりする。
世の中の下世話なニュースを取り上げ、話を盛って盛って作ってあるからして、ものすごい下世話な記事になっている。しかし、気分転換にはよいのである。
『週刊新潮』、『週刊文春』、『週刊ポスト』、『週刊現代』など売れている週刊誌の中で、この『週刊実話』と『アサヒ芸能』は下世話な噂話を中心に構成され、マニアなファンをつかんでいるのである。
そして、「週刊実話が愛読書」と言うと、マニアな人は必ず「アサヒ芸能は読まないのですか?」と聞いてくる。
が、しかし、『アサヒ芸能』は袋とじのカラーヌード写真が多すぎるので、困るのである。
基本、閉じ込められ、秘められたものは開けてみたい。
しかし、齢54歳を数え、いちおう、社会的な名声をもつ私としては悩むのである。「威厳と権威をもった袋とじの開け方というのは、どのようなものであろう?」
威厳を出すために、クレジットカードのゴールドカードで開けてみたりもするのだが、ちょっと開けにくい。
実感としては、いちばん開けやすいのは新幹線のあの切符である。だからして、最近は新幹線の切符を手にすると、思わず週刊誌を2~3冊買い込んでしまったりする。
しかしながら、袋とじを開けるときは、どうしても「ビリビリビリ」という音が鳴ってしまう。
それが気になるので、とくに隣の座席と密着している飛行機の場合は、よほどの勇者でないかぎり、袋とじを開けることはできないのである。
個人的には、トイレによくついているあの音消し用の流水音のようなものが流れればいいのではないかと思う。
そして、「世の中の地位と名誉がある人々は、いったいどのように格調高く袋とじを開けるであろうか?」と興味をもってみたのであるが、どうも、世の中の地位と名誉がある紳士のみなさまはこのような週刊誌は買わないようである。
真剣に考えるのであるが、飛行機ではサービスしていただくというのはいかがであろうか。
私は飛行機ばかりに乗っているので、マイレージのお客様カテゴリーはとても高い。
このような乗客が困っているとき、キャビンアテンダントさんあたりが、「おや、平様が袋とじを開けられずにお困りになっている。開けてさしあげよう」などというおもてなしの心はないのであろうか?
まごまごしている私に、温かく、やさしい微笑みをもって、「お手伝いいたしましょうか?」と声をかけ、おしゃれなペーパーナイフあたりでスッと袋とじを開けていただき、「お粗末様でした」ぐらい言っていただきたいのである。
もしくは、最近、航空会社のラウンジには、携帯電話などでしゃべる人専用の個室がある。
だとすると、飛行機の中にもトイレの横あたりに、ちょっとぐらい、袋とじを破る人専用の個室をつけていただいてもよいのではないか。
人によっては、「だったら、トイレに行って破ればいいではないか」という建設的なご意見もあろう。それはその通りだと思うので、この案は却下する。
‥‥このように、私の人生に大きく影響を与え続けている袋とじなのである。
が、しかし、昨今は、艱難辛苦を乗り越え、ようやく開けたというのに、「これ? 袋とじにしなきゃいけねぇ?」というレベルのものばかりであるのが許せないのである。
それはまるで、『ドラゴンクエスト』でボスキャラを倒したあとにゲットした宝箱に、旅人の服とこん棒しか入っていなかったというぐらいイケていないのである。
よって、このようなリスクの多い『アサヒ芸能』を私は買わないということを理解していただけたとしたら、今回のブログを書いた甲斐があったというものである。
では、また来週。ごきげんよう!