やっちまった話 | 平準司@神戸メンタルサービス カウンセラー養成・個人カウンセリング・心理学の講演、執筆を行っています!

11月の頭に法事をした。
うちの親父の三回忌と、おばあちゃんの十三回忌を一緒にしたのである。


親父の三回忌に合わせて、お墓もつくりなおした。


私どもの田舎では、お墓は夫婦ごとに一つの石碑をつくる。
“夫婦墓”と呼ばれている。ブヒ


しかし、この夫婦墓、うちのお墓にはもう20基ぐらいあるのである。(Θ_Θ)

田舎であるゆえ、墓地は広いといえば広いのであるが、さすがに20基もあると手狭である。


だからして、今回、たぶん、みなさんのおうちのお墓もそうであると思うが、“平家の墓”という墓に替えたのである。


さすがに最近はうちの田舎でも、この“○○家の墓”方式のお墓が主流になってきているので、うちもそれに習い、改築したのである。


よって、私のローンがさらに増えた。泣く


ちなみに、うちの母親にとっては、生きているにもかかわらず、自分の墓ができたということになった。


“生前戒名”といい、まだ死んでもいないのに戒名までつけられたのである。
それを墓石に彫り込む。

生きているので、赤い字にしてあるのである。


話は戻るが、親父の法事とおばあちゃんの法事とお墓の新築と、儀式が3つ重なったわけである。

「ああ、忙しい!」ぶーぶー


私は主にお墓の担当だったので、法事については研修生‥‥、いや、母親に任せておった。


そして、ついに法事の日がやってきたのであるが、到着した和尚さんを見てビビッたのである。


なにをビビッたかというと、法事のとき、いつも和尚さんは“卒塔婆” という細長い板に戒名を書いたものを持ってこられるわけだが、それを1枚しかお持ちでなかったのである。


親父とおばあちゃんの法事なので、2枚持ってきていただかないと困るのであるが、それが1枚だったのである。ブタ


戒名を見ると、どうも親父の卒塔婆のようである。


こっそりと母親に確認したところ、きょう、二つの法事をするということを母親は私が和尚さんに言ったものと思い、私は母親が言ったものと思い、結果的に和尚さんには伝えもれしていたようなのである。


だからして、おばあちゃんの戒名は読まれることのないまま、法事は粛々と進行し、終了したのである。


しかしながら、「きっとバレてないよね」とタカをくくっていたのである。


そして、法事のあとの会食が宴たけなわとなったころ、ある一人の親戚が私に聞くのである。

「ジュンちゃん、法事も10年を過ぎると卒塔婆はないのかねぇ?」


すると、違う親戚がすかさず言うのである。
「そんなこと、あるかい。うちは去年、百回忌をやったけど、2mを超える塔婆を和尚さん、持ってきたで。塔婆というものは初七日から始まり、だんだん大きくなるもんで、百回忌ともなると2mを超えるんや」


ミもフタもないことを言うものである。あせる


十三回忌に卒塔婆がないわけがないということがはっきりとしてしまったので、親戚一同、私をジーッと見るのである。あせ、あせ


「なぜ、塔婆がないの?」という疑念の目である。


わ、わ、私は追いつめられたのである。

そして、追いつめられた私はこう言った。


「リバーシブルになってますねん」


「え、リバーシブル?」


「そう。いまはエコの時代ですから、リバーシブルにしたんですわ。ハッハッハッ」


「リ、リバーシブルねぇ‥‥」はてなマーク


親戚一同、なんとか理解していただけたようで、話題は2mを超える卒塔婆を一度見てみたいというところに移った。ホッ


で、「ジュンちゃん、近々、百回忌はないの」と聞かれ、探してみたところ、13年後にあることが判明、2mの卒塔婆が観たいからという理由で、13年後、またこのメンバーで集合することとなったのである。


そして、私は宴の終了後、親戚からこう言われたのである。


「ジュンちゃん、今度はリバーシブルはやめといてや」