『京都王将』の“ぎょうざ倶楽部”会員になるべくスタンプを集めていた私は、その大事なスタンプカードを小銭入れとともに紛失してしまうのである。
さて、昔から、私はものすごく紛失物や落とし物が多い。
クルマの鍵など4つも予備を作ったのであるが、もはや1個しかない。
ちなみに、失くした小銭入れにこの鍵の3つ目の予備をつけていたのである。
うちの奥さまには内緒にしているのであるが、いちばんダメージの大きかった私の失くしものはヴィトンの靴である。
みんなから言われます。
「どのような状況になったら、靴、失くせるんですか?」
「だって、失くしたんだもん」と言うしかないのである。
出張中の出来事で、ホテルなどに問い合わせたのであるが、まったく出てこず、神隠しに遭ったとしかいいようがないのである。
つまり、神秘的な私は、昔からなにかと神隠しに遭うようなのである。
‥‥雑談はおいておいて、“ぎょうざ倶楽部”の話に戻ろう。
あたりをつけ、家の中を探し回ったのであるが、小銭入れはまったく出てこないのである。
コツコツと貯めて、ようやく12個まで貯まったスタンプであるからして、ものすごくショックが大きい。
しかし、必ず出てくるものと気を取りなおし、また1から集めることにしたのである。
お店に持っていくと、2枚のカードを1枚にまとめてくれるので、とりあえず、11月30日までに見つければよいと考えた。
そして、日々、事務所のみんなから「平さん、クチャい」と言われようが、セミナーで息を止めながらハグすることになろうがメゲずに、ビジョンに向かって私は突き進んでいったのである。
しかしながら、小銭入れは出てこないのである。
そんなある日、ふと気づいたのである。
なぜ、私は一人でコツコツ貯めようとしていたのであろうか?
みんなで王将にごはんを食べにいき、まとまったお会計にしてこのスタンプカードを出せば、いきなりポイントが貯まるではないか。
ということに気づき、大阪のヒーリーングワークの1日目の夜、担当研修生や事務所スタッフを社長権限で無理やり呼び出し、江坂にある王将で晩ごはんを食べることにしたのである。
都合7人、餃子だけで14人前頼んだ。
さらに、あれやこれや、これやあれやでぜんぶ食ったところ、お会計は11700円となった。
いきなり、スタンプが20個以上、貯まってしまったのである。
「あれ、いとも簡単に‥‥!?」
んーーー、私のスタンプ収集の道は自立的であったようである。
一人でコツコツ、だれにも頼まずに集めるのでなく、この相互依存的な考え方があった‥‥、というか、7人で集めると、なんと簡単に貯まることであろうか。
そして、この日、私は憧れの“ぎょうざ倶楽部”会員となったのである。
さらに、2枚目のスタンプカードも、いま、10ポイント貯まっているのである。
もし、仮に小銭入れが出てくると、2枚目の“ぎょうざ倶楽部”会員証がもらえるわけであるが、これはだれかにプレゼントせねばなるまい。
「おお、ヒーリーングワークのMVPの賞品や、感謝祭のイベントの景品とすれば、みなさんによろこんでいただけるのではないだろうか?!」と考えたのであるが、事務所一同の拒否にあったため、個人的にだれかにあげることとした。
この“ぎょうざ倶楽部”の正会員証、それはまるでクレジットカードでいうゴールドカード、いや、プラチナカード並みの威力がある。
カウンターで胸を張り、無表情に威厳を持ち、かつ上品に、財布からそうっとこのカードを出すと、店員さんの顔色が変わるのである。
「めんどくせー! 5%引きの処理しなきゃいけねー!」
しかしながら、また一つ、私は人生の夢を叶えたのである。
ホッホッホッ。